グレッグとジェフリーは大学の山岳部に所属する仲の良い2人。
今日も2人はまだ踏破していない山に挑戦している。
無事に山頂を制覇した2人は達成感を噛みしめながら下山していた。
しかし山の天気は変わりやすく、予報にはない豪雨に見舞われる。
時刻はすでに夕刻を過ぎ辺りは真っ暗。
慌てて見回すと少し離れた所に仄かに明かりが見える。
近づいてみるとそこには山の中に似つかわしくない豪邸があった。
2人はすがる気持ちで玄関のチャイムを押してみた。
出て来たのは中年だが見た目に美しい未亡人。
事情を聞いた未亡人は2人を快く泊めてあげる事にした。
翌朝快晴になると2人は未亡人にお礼を言って元気に山を下りて行った。
1年後、グレッグに弁護士から郵便物が届く。
グレッグはジェフリーに聞いた。
「おい、弁護士から書類が来たぞ。
あの時俺は疲れてすぐ寝てしまったんだが、お前はどうした?」
「どうしたって、そりゃお前の想像通りさ」
「そうか。もしかしてお前その時、俺の名前を使わなかったか?」
「ごめん、使ったよ。でも何だい?1年も経って。
子供でも生まれたのか?養育費か何かよこせって?」
グレッグは言った。
「彼女、亡くなったみたいなんだ。全財産を俺に残すってさ」