『頑張っている君へ(その3)』nagaiharuさんの日記

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早いもので君が転院しておよそ2月が経過しましたね。
今年は桜もあっという間に開花し,そして散ってしまいました。
例年ならば近所の友達と岩槻公園で花見をしていましたが今年は見送りとなってしまいました。
まあ仕方がないですね。
 3月に主治医の先生から呼び出しを受けて,君は歩く生活は戻れないだろうと宣告を受けました。
ある程度覚悟をしていましたがショックでした。
 車を運転しながらこのまま外壁にぶつけてしまえばなどと恐ろしいことを想像してしまいました。
しかし,もしも僕が死んでしまったら君や子供達はどうなるのだろう・・・そう思うと,もう二度と馬鹿なことは考えることはなくなりました。

最近,僕は街を歩く女性を眺めることが多くなりました。
歩くということが,今の君にとってはとても大きなハードルになっていますね。
なんで君のような人間が歩けなくなり,とんでもない極悪人がなぜ歩けるのだろう・・・
そう思うと僕はとても悔しくなります。
あまり悔しすぎて思考が停止してしまい,君はもう君は歩くことはできないという前提で,これからの人生を考えるようになっていました。

先生の宣告からしばらくして,リハビリの担当の方が異動となり,新しい先生が担当になりましたね。
今度の先生は九州なまりのあるの素朴雰囲気な青年ですね。
先生は君が話すことができなかったのでコミュニケーションを取るのにとても苦労したようです。僕自身は歩くことは無理だろうと諦めていました。
しかし,先生は諦めずにいろいろなリハビリの器具を海外から取り寄せて試してくれました。
その結果,君はとうとう少しずつ右足が動くようになりましたね。

君の右足が動き始めたとき,先生は次男のいる前なのに,大泣きしてしまったようです。
そしてしばらくすると麻痺していた右腕にも力が入るようになり,指も動き始めましたね。
歩行訓練を開始している君の姿をみて,病院のスタッフも驚いています。
まだまだ病気との闘いは続くけど少しずつ自宅のある岩槻に戻ることができそうですね。
そうそう,先生の涙を見ていた我が家の次男が最近,リハビリ関係の仕事に興味を持ったようです。
学校に提出した進路希望の書類に,将来の希望する職業の記入欄があって,そのようなことが書いてありました。
そのことを先生は話したら多分大泣きすると思うので君が退院するまでは内緒にしておこうね。
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