『メロン記念日②』AGE♪MAKIさんの日記

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悪態の初音

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AGE♪MAKI (埼玉県) 認証済

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少年隊が「仮面舞踏会」だの「デカメロン伝説」を歌い踊っていた頃は、私は見た目も性格も可愛くない中学生。
歌詞の中に出てくる「千夜一夜物語」を命がけで語ったシェヘラザードはその知性によって夜毎に命を長らえたんだよな。
片や、
大事なことは覚えていないくせにどうでもいい細かいことは何故だかよく知る私は単なる「オタク」。
両者の違いは何かというのは至極簡単一目瞭然、「容姿」や「性格」だけでなく「機知」や「知性」にもこっち側は恵まれていないということだ。
ちぇっ、神様は意地悪だな。

昭和の終わりごろのひねくれ中学生の、ある日の下校時のこと。
グランドでボール拾いばかりの部活を終え校門を出る前、体育館の出入り口を先輩女子たちが塞いでいるのが見える・・・視線の先は、あるバスケ部の同級生。
「○○くん、頑張って~☆」
先輩女子が黄色い声援を送るその先には、コートをくるくると走り回る同級生の彼は軽やかにシュートを繰り返していた。
なんだあいつ、まるで「ときめきトゥナイト」の真壁君じゃんか。
そんな様子を横目にああこれは私はけして関わってはいけない関わることは許されない世界だよなと本能的に察し、丸い背中を更に丸め、中途半端な長さのスカートの裾をぼさぼさ言わせながら下校した。

その「リアル真壁俊」とひょんなことから再会した。
「は?え?あれ??○○君???」
色々と年相応は表面には出ているけれど、彼は楽観的で元気で笑顔が印象的な影の無い感じの「眞島秀和」ばりの「イケオジ」になっていた。
南伊豆「扇屋」さんのカフェ。
彼の人はここの「中の人」だったのである。

アタシ、白髪、結構目立ってるかも。
どうしよう、化粧崩れてるかも・・・化粧なんてしてもしなくても同じだと豪語していた私はどこ行った。

「も~もっと早く来てよ、メロンパフェ、売り切れちゃったよ」
「ええっ?!そんなに早く?!」
そりゃそうだ、関東近県の名のあるフルーツパーラーならこの内容であれば3,000円は下らないだろうにここでは1,400円という価格破壊。

「(アタシ)年取っちゃって・・・」
「何言ってんの、僕ら、これからだよ」
笑顔が、あの頃の、中学生の頃のまんまだった。けして私に向けられることが無かった笑顔が目の前にある・・・これは奇跡だと、あの頃の私に言いたい。
体育館の入り口を塞ぐように居並ぶギャラリーの向こう側、プレーの合間に無邪気に笑う。その様子を遠い世界のように眺めていた頃と変わらないさわやかな笑顔はエイジレス。

そうだ。
私たちは、これからだ。
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