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昼の点数:4.7
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¥4,000~¥4,999 / 1人
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料理・味 4.8
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|サービス -
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.8
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.8
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| サービス-
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| 雰囲気4.0
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| CP3.8
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| 酒・ドリンク- ]
概念を変える、伊東の鰻。
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2014/10/13 更新
先(さき)の月食、
伊豆の先端では雨がほろほろと落ちてきており、
月に赤く映り込む地球の影を私は惜しくも目にすることは叶わなかった。
東伊豆海岸線沿いに車を走らせ、ムーンロードイベントが行われていたという北川温泉郷の晴れやかな海が開けた時
ふとそんな心残りがちくりと思い出された。
「えっ、鰻?伊東で?」
伊東駅前で迎えた人に提案された店はこの地域では意外なジャンルに思えた。
ああ、でも
三島、下田には名立たる鰻の名店がある。
その中継点ともいえる伊東にそんな場所がある事実は、その背景を鑑みれば必然なのかもしれない。
幼いころ伊東の文化会館で観劇によく来ていた。
記憶の隅っこにあった駅前のレトロな商店街、
その真ん中にあらわれた、モダンなファサード。
引き戸を開けると、そこはカウンターのみの店内。
留まった席の前、銀の盆の上では心残りを拭きあげるかのように金の「月食」が迎えてくれていた。
厨房の真ん中に炭火の入った焼き場があり、
半数ほどの客入りを、若いご店主がひとりで黙々と切り盛りしておられる。
鰻丼をお願いする。
品書きの項に、「お時間いただきます」とあったけれどそれは重々承知の上、
骨せんべいをかりかりかじりながら、
先客の頼んだものが丁寧に仕上がる様子を目の前にして、ああ、此処に来られてよかったなという想いを徐々に募らせることになる。
自分たちの番が回ってきて、尋ねられたのは、
「平たいものと厚みがあるもの、どちらがお好みですか?」とのこと。
とりあえず、厚みのあるものをとお願いした。
この厚みが・・・とんでもなかった。
丁寧に焼かれた外側の香ばしさ、
中のしっとりとした身の厚さ、言いようのないふくよかな厚み。
しっぽの部分は使用されていないので何と全部がこの厚さ。
深みのある伊豆の本山葵をたっぷりつけて、あつあつを、ふかふかと頬張る。
正直ここまで厚みのあるふくよかな鰻を食べたのは初めて。
堅めの御飯、ぴったりと寄り添うたれの味わいが良い。
単品の、鰻だけの味としては、個人的には小川家、うなぎ 桜家、小手指のうなぎ屋酒坊・画荘 越後屋、友栄をも越えてしまった。
仕入れ先はたびたび変わるのだそうで、この日の鰻は愛知県からなんだとか。
ここで思い出されたのは越後屋のご主人の言葉。
「天然鰻が良いってもんじゃあないんですよ。天然ものにはかなりのばらつきがあります。そういった意味でも、養殖とはいえ安定した素材を仕入れることの方が大事になんです。」
若いご店主は二代目で、先代も同じ伊東市内では老舗の福也という店をしているとのことを伊東在住の方から教わった。
新しい店なのにたれの味に安定感があったのはその為かと思う。
カウンター焼かれた鰻をちょいちょいつまみながらご店主が奥から出してくる日本酒をゆっくりといただくのも良さそう。
伊東駅前という好立地もあるけれど、
ここまでクオリティの高い鰻をこの雰囲気でいただけるのならばわざわざ行列覚悟で三島まで行く必要はもう無い。
地元で小川家に振られた際の選択肢が増えた、嬉しい発見が出来た伊東の鰻。
11月8日には伊東でバルイベントが開催されるそう。
〆は此処かな、と、秘かな想いをも抱きつつ。