AGE♪MAKIさんが投稿したウェロニカ ペルシカ(埼玉/仏子)の口コミ詳細

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悪態の初音

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ウェロニカ ペルシカ仏子、元加治/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 3.6
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク 3.6
1回目

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス3.6
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク3.6
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

埼玉の、実りの季節を、存分に。

SNSをチェックしていると「おや?」となる店を発見した。
食べログのレビューは何となくぱっとしないが、料理のひとつひとつに「ただものではない感じ」があるような・・・こんなことは初めて。

そこで、実りの秋のちょっと先の方の誕生日の娘の「フレンチがいいな」のリクエストがあったので誕生月に予約した。

最寄り駅で彼女をピックアップして向かった先は入間。
未開の地であり、今回の目的の店が無ければおそらくなかなか足が向く事は無い場所。

こんなところに本当にあるのかと思う程意外な場所にぽつんと店があった。
予約の旨を伝え、席に着いた。
奥には個室もあり、天井が高い。

テーブル中央にカラフルなメニューカード。
冒頭メッセージにあるのは
~土地・風土・文化に寄り添い、この地と自然を再現しここでしか作れない味わい・料理を再現します~
とある。
お願いしていたは昼のコースがスタート。
導入は庭木を切って誂えた器に見事に調和した面差しのチュイール仕立てのスパイシーな小菓子、じんわりと胃の温まる庭の琵琶の木の葉の温かなお茶。床の間や一輪の花は無くともこれは懐石料理の導入さながらだ。

料理の前に、坂戸「セラーノ」の生ハムがお目見え。
やがて始まったのは、都心のホテルの「なんちゃって自然派超高額ヌン活」さえも、紅葉に逆行して真っ青になるようなアミューズ。
タルト仕立てのタルト台すらとんでもなく美味しく、ぱりぱり。
ピック仕立ての家に刺さった麺麭の小麦は農林61号を使用、ピンク色の屋根に生ハムを。酸化臭の無いしっとりと塩味の上品さの際立つ味は本当にすごい。味噌の揚げパンと一緒にさくさくっと、噛めば噛むほどなんて幸せな、ひと口。
天覧山・酒粕入りのポンデゲージョのもっちり感は酒粕の良い仕事のおかげ、二人してその恩恵を噛み締める。
器にデコレーションに感じる目一杯の晩秋。

アミューズ2品目は三芳町のそば粉で仕立てたミルクレープ。そば粉クレープがこんなにもっちりするのには驚いた。
傍らの日高の高麗鶉のコンフィには林檎のコンポート。更に中央の林檎コンフィチュールで味変まで。

麺麭が焼き上がりました、との知らせと共にパン・ド・カンパーニュが。膨らみの動力源は地元野菜のタネを使用だそう。
麺麭に合わせるのはオリーブオイルにスパイスハーブで香り付けしたものとバターには日高の弓削田醤油のもろみを加えたものが一緒に。ハーブの素直な香、フレッシュなバターに醤油のコク。極上しっとり麵麭。いう事無し。

次は、ぱりぱりの衣の中に鮑を仕込んだ一皿、底に人参のラぺ、添えたてのソースは鮑(何と奥多摩・日出町産のもの)の肝×秋刀魚の肝。鮑の柔らかさと外側のフリットの軽快さのコントラストを堪能。

カプチーノ仕様のスープは旬の和栗。底には落花生、そして狭山シャルキュトリーモエのベーコンが。
滑らかさと栗のほこっとした甘さ、落花生でつけた食感の変化と化学の味の一切しない良質のベーコンの醸し出すコク。

メイン一品目はヤマメ。何と40センチまで育てた奥多摩ヤマメなのだという。
その骨からとったブイヤベースが綺麗な味のヤマメにとても合う。キャビアの塩味と一緒に。

メイン2品目は入間・彩の夢味牛。
イチボをシンプルに、塩と地元入間の華やかな胡椒と。さくっと柔らか、香りがすこぶる良い!!
付け合わせは三芳町のさつまいも。ねっとり極甘、これはもはやデザートの域。

更に取れたての新米のリゾット。ソースはブルーチーズ。100年はちみつを味変感覚で。
季節の良い所を凝縮したメニューだけれど、娘と話していて一致したのは「この季節に来られて良かった」・・・収穫の秋の恵みと土地に醸成された食材が満を持して現れた、それをシェフの技術を以て最良の状態で体験できているのだ。

飲み物は私はコーヒー(吾野 何必珈琲)、25歳になる娘は紅茶で。
誕生月であると告げており、娘のお米のアイスクリーム仕立てデザートにはカードとデコレ―ションを付けて下さった。
頂には天使の羽のようなライスペーパーに銀のアラザン。味もシンプル×上品。

小菓子はピックのホワイトチョコと狭山抹茶の生チョコ。目で楽しい、食べて幸せ。

そんでもってまあ、この日も喋ったこと喋ったこと。あっという間に気が付けば2時間経っていた。

都心で味わうならこの倍はするであろう支払いを済ませてご馳走さま。
正直サービスはそれなり(テーブルクロス無しなど)、でも、それも含めてこの地ならではの食材を使用したオリジナリティーに満ちていた。
シェフの技術とセンス・地元愛の恩恵を享受できたことに感謝。ここまで既出のレビューが参考にならないとはとは思わなんだ。

帰りの車の中、クリスマスの曲をかけながら娘を送る際、きこえてたのはビッケブランカの歌う「White Love」。
「あれ、この曲知ってる」
「これはカバーだけど、オリジナルはあなたが生まれたあたりに流行ったの」
「誰が歌ってるの?」
「えっとね、ずっと昔の、若い女の子のグループ」
そう、ずっと昔。
私があなたを生んだ歳を、歳だけでなく諸々を、あなたは越えたのね、と、心の中でひとりごちた。


2022/11/15 更新

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