マダム・チェチーリアさんが投稿した俵屋旅館(京都/京都市役所前)の口コミ詳細

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フォトエッセイで綴るマダム・チェチーリアのレストラン探訪

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マダム・チェチーリア (女性・東京都) 認証済

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俵屋旅館京都市役所前、烏丸御池、三条/料理旅館、日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.7
  • 昼の点数:4.7

      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク -
1回目

2013/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.7
  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-

麩屋町通りにひっそりと〜贅沢な安らぎの宿

日本の旅館のよさを知ったのは初めて伊豆・修善寺の柳生の庄に
お泊まりをした時でもう30年も昔の話なのですが、お食事付き
の宿に魅せられて当時出てまもない昭和56年11月1日初版の
日本の名旅館という本を買い求めまして(昔はインターネット検
索なんてありませんから・・)京都に300年の歴史を誇る俵屋
旅館があることを知りました。大人になったら一度は泊まってみ
たいと思っておりましたが、大人になるどころか大人になり過ぎ
て年齢的には資格充分な?おばあさんになってしまいました!!

麩屋町通りからのアプローチが素敵だったので写真を撮りたかっ
たのですがお出迎えの方々が待ち構えていたかののように出てい
らして写真どころではなく!お部屋へと案内されました。権太呂
で書いた運転手さんのおかげで大きな荷物は既にお部屋に運ばれ
ていました。栂というお部屋は細川護煕先生がよくお泊まりにな
ったお部屋だそうで ”僕はあんまり広い部屋だと背中が心細くて
ね” と仰って〜このお机で書き物をされていたんですよ!栂には
和室を臨む小さな書斎が付いているのです。これって1F お庭付
きの広いお部屋にチェック・インしない宿泊客に対する俵屋流の
さりげないフォローなのでは? と〜感じました。

ワタクシはヨシと申しますと自己紹介をされて〜お茶とわらび餅
を出してくださいました。お茶は絶妙な適温で〜♬ 黒いわらび
餅は極上 ’ぷるっぷる’ でございます。”お風呂の用意もできてお
ります。ご夕食は6pm で承っておりますが 6pm でよろしいで
しょうか?お飲物は何をお召し上がりになりますか?”→ 北山の
吟醸酒 ’俵屋’ と夕食の時間は最終の7pm でお願い致しました。
皆様すぐにお風呂に入られますが、浴衣でもパブリック・スペー
スでお寛ぎいただけます、とのお話でしたが、私は着替えずにラ
イブラリーとアーネスト・スタディーをチェック→ ギャラリー
遊形まで散策に出かけることに致しました。アーネスト・スタデ
ィーでアーネスト・サトウ氏の写真集を興味深く拝見させて戴き
十一代目当主、佐藤年さんが80歳になられた年に記念出版され
た俵屋相伝という素敵なご本を買って帰ることに決めました。

お玄関に参りますと・・お出かけでいらっしゃいますか? すぐに
ブーツが出て来て〜そのこと自体はそれほど驚きませんでしたが、
なんとブーツに足を入れるとブーツの中が暖かいのです!!あら、
あったかい〜〜♬ と興奮気味の私に夕方は冷えますので、と控え
目にひと言。傘をさそうとすれば他の男衆が走って来て傘が濡れ
てしまいますのでこちらをお使いくださいませ!!行ってらっし
ゃいませ〜♬ もしギャラリーに行かれるようでしたら〜こちらを
お使いくださいませと5% OFF券 →ギャラリー遊形までは徒歩
1分〜俵屋ブランドのグラス、器、小物、ポプリ、トラベル・ケ
ース、ナイティー、スリッパ、石鹸やタオルにはギフト・セット
になったものもありました。素材と色の合わせ方が素晴らしい!
全て佐藤年さんのデザイン、監修によるものだそうでございます。

ギャラリーの隣には明治期に建てられた町屋に現代の風を吹き込
み、洗練された空間に北欧のモダンな椅子を配置した遊形サロン
・ドゥ・テがあり〜カフェ・メニューの中には先程いただいた絶
品わらび餅も入っています(¥2000)一切、保存料が入って
いませんのでお土産にはできませんが、お泊まりしなくても俵屋
のわらび餅はいただけるというわけでございます。遊形サロンの
前にはガラスと陶磁器のやはり京町屋を改装したお店があって京
情緒たっぷり〜♬ 御池通り手前までの道沿いには鳩居堂があっ
たり、買い付けた本を入れる大昔の木箱が置いてある古本屋さん
があったり・・楽しい楽しい俵屋周辺のお散歩でございました。

6pm 過ぎに戻っても高野槙のお風呂はまだ充分に温かく木肌の
あたりが柔らかく・・夕食前に心地よく糊が効いた浴衣に着替え
ていますと、ちょっと早めでございますが、とヨシさん登場〜♬
今宵は霜月献立から黒川修功料理長手書きのお品書き〜先附けの
海老と烏賊の唐子酢味噌掛け、海老芋、蟹羽二重茶碗蒸しが大変
に美味!!向附は鯛の松皮造り、山椒と土佐醤油が添えられてい
ます。器が余りにも素晴らしいのでヨシさんに伺ってみましたら
〜伊賀焼きとのこと。お醤油を入れる小さな薄いブルーのお皿に
は可愛らしい亀〜♬ とても古いもので大切にされているそうです。
家宝のようなお皿を惜し気もなくお客様にお出しするというとこ
ろに俵屋の徹底した美意識と上質なホスピタリティーを感じます。

湯葉茶巾の霙仕立ては近江の蕪で丁寧に作られたくず湯が秀逸で
生姜の風味が生き生き〜♬ お椀の蓋裏には金粉が塗られていまし
た。”こちらも大変古いもので〜初めてのお客様をおもてなしする
という特別な意味合いがあり一番フォーマルな器でございます”
とのこと。恐れ入ります・・茶巾の中にはグジ、舞茸、お麩・・
近江の蕪の霙がそれぞれを円く包み込んで上品で優しい、優しい
味わい・・もちろん!一滴残らず!!焼物は魴鰹〜器は魯山人が
認めた金沢の工房のものです。旬の蕪の柚味噌掛けは銀杏と栗、
海老と絹さやを載せた蕪が瑞々しく!!ヨシさんも魴鰹のお皿を
下げて蕪のお皿をテーブルに載せる時、感慨深げに ”今年も蕪の
季節になりました”→ 器の趣きがこれまでと少し異なりましたの
で伺ってみますと若い作家の作品だそうで〜俵屋では古いものだ
けではなく、若い作家の作品も使って次世代を育てていらっしゃ
ることを学びました。素晴らしいですね・・♡ 蕪の器に私は俵
屋相伝のエッセンスを垣間見る思いでございました。

温かいお鍋は鯛にドンコ椎茸と半田素麺〜柚子の香りで鯛の美味
しいこと、美味しいこと!!強肴は穴子南蛮酢でしっかりとした
お味付け〜蓮根、牛蒡、焼き葱が御飯の前のハーモニーを奏でま
す。ご飯は吉兆と同様〜ふっくらと柔らかめに炊けていました。
京都洛外で俵屋の為に無農薬で作られるお米は毎日精米されて届
けられるのだそうでございます。調理に使われるお水は基本的に
井戸水、黒川料理長は30歳になるかならないかで俵屋の調理場
に入られ現在50歳代半ばとヨシさんから伺いました。ヨシさん
は隠しカメラで食事の進捗状況をチェックされているのではとい
うほど毎回完璧なタイミングで現れ、全てのお料理が完璧な温度
で〜お鍋は熱々、ラ・フランスとピオーネのコンポートはシルバ
ーまで冷え冷えで〜♬ 一品一品を完璧な状態でテーブルに載せ
るという神業を涼しいお顔で!お料理の説明などをにこやかにさ
れながらやってのけ、器が好きな私のような宿泊客の質問にも全
て即答するという一朝一夕にはできないプロの仕事をされ〜夕食
後は明日のご朝食は和食とパン食のどちらになさいますか?和食
でいらっしゃいますか?かしこまりました。何時にお持ち致しま
しょうか?お魚は◯◯◯◯がございます。何になさいますか?

一品一品運んで載せて下げてまた載せて、を終始美しい所作で〜
まるで動く人間国宝のような方でございます。俵屋さんで仕事を
されているお一人お一人、男衆の方々はもちろんですが、例えば
ヨシさんのようにお着物を着ていらっしゃらない若いお嬢さん達
も言葉遣いにひとつの誤りもなく、部屋付けのお買い物をお部屋
まで届けてくださり〜スタッフ全員がお掃除や高野槙のお風呂の
メンテをされる方も含めて厨房はもとより、それぞれの道の職人
でいらして全員で俵屋というプロ集団を形成されているからこそ
技の集大成が完成するのだと確信するに至りました。

浴衣だけでなく、お寝間着の用意まであり〜長袖のナイティーは
薄いネルのような肌触り〜♡ ヨシさんがスパッツもありますから
と説明してくださった時には思わず吹き出しそうになってしまい
ましたが(だってヨシさんはゼッタイ!スパッツをお履きになら
ないと思いますし・・十中八九スパッツはお持ちでないでしょ?)
このスパッツはフィット感がなく、ゴワゴワでちょっといただけ
ませんでした。しかし、お布団の寝心地の良さは天下一品〜♬
さらさらとした糊の効き過ぎていないシーツ、真綿の敷き布団と
ダウンの掛け布団。ふわふわダウンは生きている60羽以上のマ
ザー・グースから摘み採られたダウン・ボールだそうでございま
す。繭玉にくるまれた赤ちゃんみたいな気分で深く眠りに落ちて
行く感覚を久し振りで味わいました。

翌朝、おはようございます、とヨシさんがヨーグルト・ドリンク
とフレッシュ・オレンジジュースを持って現れ〜前夜と同様!!
手早くテキパキとお部屋を整え〜お茶を出してくださいました。
私達が昨夜選んだお魚は鯵の開きと鮭でしたが、上にハタハタの
一夜干しが載っていました。この時期の京都らしくて嬉しいです
ネッ!盛り付けがとてもダイナミックでお魚が藍の器に映えて最
高です!!人間国宝がお作りになったという容器に入った湯豆腐
以外はどちらかと申しますと簡素な朝食でございました。

しかし、それが創業300年を誇る俵屋旅館の洗練されたシンプ
ル・ビューティーの神髄と申せましょう〜調理場泣かせの湯豆腐
セットですが、メンテをしないで愉しむだけの宿泊客には朝から
最高の贅沢!!お薬味がたくさんあって嬉しい〜〜♬ 風流な人
間国宝作のセットで愉しむ湯豆腐にはお豆腐だけでなく湯葉も入
っていました。なぜ調理場泣かせかと申しますと、人間国宝は遊
び心いっぱいのアイディアを具現化するだけでメンテは一切致し
ませんから〜 ”銅磨きを念入りにしなければならなかったり、毎
朝使うものなので竹と木が乾くヒマがないんです。毎日半日は完
全に水気をとって陰干ししてるんですけどねぇ〜" と遠くを見る
ヨシさん。

チェック・アウトもお部屋でヨシさんのお世話になります。一瞬
チェック・インからチェック・アウトまでヨシさんにしかお会い
しなかったような感覚に陥りました。廊下でも他のお客様とすれ
違うことがありませんでしたから・・坪庭に活けてある見事な紅
葉にお別れを告げて皆様に送られて錦市場まで行くべく歩き出し
ますと見事な柘榴が実っているお蕎麦屋さんを発見・・そのすぐ
先にやはり柘榴が実った御三家の一軒〜炭屋旅館がありました。

  • 俵屋にチェック・イン

  • @4pm on November 11, 2013

  • お向かいは柊屋旅館

  • お玄関:男衆のお一人

  • 霜月の坪庭

  • 廊下へと続きます

  • 明日葉のお花が咲く栂へ・・

  • 俵屋のご挨拶

  • ムダのない動きと美しい所作

  • 静寂と寛ぎのある空間

  • 極上わらび餅

  • 掛け軸は桂華作:メジロと柿

  • 栂とパブリック・スペース

  • 坪庭の奥に寛ぎのスペース

  • 静かな和室ライブラリー

  • 坪庭の見える窓で明かり取り

  • 画集を見ながらゆっくり寛げます

  • 俵屋近くに古本屋さん発見

  • バウハウスとカラヴァッジョ、イサム・ノグチと俵屋相伝

  • アーネスト・スタディー

  • 俵屋のギャラリー遊形

  • 〜でお買い物

  • お洒落なギャラリー前の通り

  • 隣り合うガラスと陶器のお店

  • 黒川修功料理長の霜月献立

  • 先附と茶碗蟹羽二重蒸し

  • 向附:鯛松皮造り

  • 湯葉茶巾霙仕立て

  • 焼物:魴鰹の利休焼き

  • 御凌ぎ射込み:蕪柚子味噌掛け

  • 温物:鯛と麺

  • 強肴:穴子南蛮酢

  • 赤蕪の可愛い結び目を見て〜♬

  • ふっくらと炊けたご飯

  • 水物:洋梨と甲州産葡萄

  • 前夜お願いしておくと明朝10am にお届け〜♬

  • おはようございます

  • 今日は予報も晴れ〜♬

  • 明日葉の花詞はなぁ〜に?

  • シンプル&シックな室礼

  • 和の朝食セット

  • 人間国宝の手に依る湯豆腐セット

  • 熱々!なかなか冷めない湯豆腐

  • ダイナミックな焼魚盛り付け

  • 俵屋旅館のお見送り

  • 11月11日 @ 11am 

  • お向かいの柊屋さんも〜

  • お見送りタイム

  • 俵屋は有形でも!無形でも!!

  • 俵屋旅館から1分・・

  • わらび餅もいただけるサロン

  • 遊形ギャラリーがある通り

  • 炭屋旅館の柘榴

  • 炭屋旅館の玄関

  • 河道屋の柘榴

  • 俵屋さんはどこ?

2014/05/19 更新

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