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昼の点数:4.2
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~¥999 / 1人
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料理・味 -
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|サービス 3.8
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|雰囲気 4.2
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|CP 3.4
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|酒・ドリンク 3.8
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[ 料理・味-
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| サービス3.8
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| 雰囲気4.2
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| CP3.4
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| 酒・ドリンク3.8 ]
ブルータス、お前もか
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外観
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外観
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外観
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外観
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アップルティ
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店内
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はるかぜ
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2012/02/17 更新
足立区千住元町。東武伊勢崎線の北千住駅に降り立ち、バスに乗り込むため駅のロータリーを目指して歩いていく。停留所に停車しているのは、足立区のコミュニティバスはるかぜ。鹿浜にあるお目当ての喫茶店に向かうため、下調べによるとこのバスに乗るのが一番便利のようだ。もっとも最寄の電車の駅は、西新井大師西。そこからだと徒歩30分近くと、最寄駅としてまったく意味を成さない。
それにしても、はるかぜというバスの名称。足立区の助役が名づけたのかは知らないが、現在気温5度の寒空の下、季節感ゼロなネーミングセンスにさすが足立区とある意味脱帽。
動き出したバスに揺られて15分ほど。どうやら墨堤通りを走っているようだ。まもなく桜木町の停留所に着こうとしたその時、湾曲にまがった白い暖簾が視界に飛び込んできた。慌てて後ろを振り返ると、裏返されたコーヒーの文字を確認。かなり年季の入った喫茶店のようで、猛烈な興味が湧くのと同時に、咄嗟に降車ボタンを押していた。たまたま桜木町バス停で乗車の客がいたからよかったものの、下手をすれば最寄りの停留所での降車は叶わなかったに違いない。
改めて間近でモカという名の喫茶店を眺めてみた。いやはや、外観から放つ只ならぬ雰囲気にしばし圧倒される。アールにたわんだ暖簾掛けは中華料理店で何軒か目撃したことはあるものの、喫茶店でははじめて。しかも暖簾を裏返したかなりの拘りっぷり。すると、袖看板の縁の部分にミルクホールと表記されているのに気づく。ミルクホールとは、牛乳やコーヒー、パン・ケーキなどを供した軽飲食店。明治末期から昭和初期にかけて流行したといわれる。因みにミルクホールという語感から、ミルクが溢れ出すイヤラシイ穴を連想するのは、頭の中身がモテナイ童貞学生並みの私ならではか。
喜び勇んで引き戸を開けると、「いらっしゃ~い」重低音の声が鳴り響く。古館一郎のプロレス実況中継になぞらえれば、「人間ドルビーサウンド」といった声音。長袖のポロシャツにジーパン姿の白髪のご主人が出迎えてくれた。2010年のNHK大河ドラマ、『龍馬伝』にて山内容堂役を演じた俳優にどことなく似た、なかなかの男前。片岡鶴太郎のモノマネよろしく、名前を尋ねれば「コンドーです」と応えてくれるのだろうか。
陽光が差し込む明るい店内。オレンジ色のベニヤ合板のテーブルに同系色のベロア地ソファ。そのソファの上にも橙色のバスタオルが敷かれている。すでに先客の男性が二人。50代から60代の見た目で、共に常連客のような雰囲気。一番奥の二人掛けテーブル席に深く腰掛けた。
コップの水とおしぼり、メニューを持ってきてくれたご主人。こちらで食事をしようか一瞬迷ったものの、後の予定も控えているのでここは我慢の子。飲み物で目に付いたアップルティ(450円)を注文した。店の雰囲気からは、いささか似つかわしくないかも。
店内は、外とは打って変わってポカポカ温度。石油ストーブが焚かれているので、ダウンジャケットをすぐに脱ぎ始めた。目の前の通りは大型トラックや路線バスの往来も激しく、大型車両が通り過ぎた直後はミシミシと家屋全体が軋むようだ。
ほどなくして、ティーカップとガラス製のティーポットをご主人が持ってきてくれた。2杯分の容量はありそうだ。銘柄には興味はないけれど、人工的な甘い香りのリンゴの芳香にしばし浸りつつ、ゆったりとした時間と空間を満喫。もし近所にこの店があったなら毎週通いたくなるだろう。北千住駅から歩くには困難なこちらの立地では、それも叶わぬ夢なのか。
先客のひとりが帰った後、読み終わったスポーツ新聞を渡してくれたご主人。そんな些細な心配りが、ありがたい。ひと通り新聞を読み終えて、身支度をととのえる。会計時、「こちらはどのくらい営業されてるのですか」と尋ねてみた。「そうだねえ~かれこれ40年ぐらいかな」しばし視線を見上げて応えてくれたご主人。「この店の外観があまりにも魅力的なので、思わず入店しちゃいました」と告げる。「それはどうも」とご主人は、にっこり白い歯をのぞかせた。