この口コミは、アールアイさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数:4.2
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~¥999 / 1人
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料理・味 4.2
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|サービス 4.2
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|雰囲気 3.4
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|CP 4.2
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.2
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| サービス4.2
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| 雰囲気3.4
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| CP4.2
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| 酒・ドリンク- ]
上板橋の味好し屋
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外観
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外観
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日替わり定食(チキンカツと焼肉の盛り合わせ)
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トイレの引き手
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マイスターかみいた(上板橋北口商店街)
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三好弥の紹介記事
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三好弥の系図
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2012/10/17 更新
板橋区上板橋4丁目。今年になって都内の三好弥巡りに、一層力を入れている私。食ベログでチェックすると、板橋区内にも三好弥が存在することを知る。最寄り駅は東武東上線の上板橋。上板橋といっても、その手前の池袋駅自体、仕事やプライベートでもほとんど行かないし、ましてやその池袋から伸びる私鉄など、これまでの人生、乗車回数は指折り数えることができるほど。
私が住む東向島からも、他の三好弥に比べて交通アクセスが最も悪くて、とっとと早めに踏破しておきたい。そんな思いを先月より抱きつつ、週末の休みを利用して訪問することに。
池袋発の普通電車に乗り込むと、隣の北池袋駅を過ぎたころから、車窓からの眺めも雑然的な町並みに。電車に乗っている客層含めて、私が普段利用する東武スカイツリーライン(旧・東武伊勢崎線)の沿線と雰囲気が似通うのは、決して東武繋がりだけではないだろう。
電車に揺られること15分足らず。上板橋駅に着くと、改札を抜けて北口へ降り立つ。この界隈、江戸時代には幕府領で川越街道の継立場、上板橋宿という宿場町として栄えたという。
駅前通りを北へ進むと、ときわ通り沿いにて、商店街を示す街路灯に足が止まった。この辺りは「マイスターかみいた(上板橋北口商店街)」と呼ばれる商店街。街路灯に吊るされたフラッグには星をかたどったキャラクターも描かれる。マイスターとスター(星)を引っ掛けた駄洒落のようで、思わず苦笑い。
自宅に帰って調べてみたら、こちらのキャラクターに、かみいた☆ピカちゃんという、脱力系な名前が付いているのを知る。しかもツイッターのアカウントも持っていて、つぶやきの語尾は「○○ピカ」で終わるこだわりぶり。
若い女性や子供のウケを狙っているのかもしれないが、実際につぶやいているのが、60を過ぎた禿げ頭の親父だったとしたら、一気にフォロワーの数が激減してしまいそうだ。
スマートフォンのGPS機能を頼りに、ときわ通りを東武練馬駅方面へと向かって歩いていくと、見えてきたのは待望の三好弥。黄色の庇が印象的だが、いかにも街場の食堂風情か。早速店内へ入ろうとすると、何やらサンプルケース横の外壁に貼り紙らしきものを発見。最初に目に飛び込んだのは、雑誌の紹介記事らしく、「屋号の探険」とのタイトル。なんと三好弥のルーツを辿る内容に前のめりに。思わずその場で読み込んでしまった。
その記事によれば、これまでのネット情報通り、愛知県三河地方(高浜市)出身の長谷川好弥氏の名前を取って三好弥という屋号を名付けたようだ。大正8年に開業したのは、文京区の小石川柳町(現在の西片)の地。好弥氏は、月に一度、「とんかつの日」というサービスデーを定めて、一塊7~8キログラムのロースを、多い時は日に20本も捌くほど店は繁盛していたという。その後二人の弟や縁者も集まり、昭和の半ばには130店舗を超えたとのこと。
そして記事を読み終わるや、その上には長谷川好弥氏が開業した柳町店を頂点に、三好弥の系図を表わす貼り紙が。これは三好弥フリークの私にとって大変重要な資料で、思わず快哉を叫んで雀踊りをしたくなる。ちなみに系譜によれば、こちらの上板橋の店は、先日訪れた月島の三好弥の流れを汲むようだ。
予想だにしない感動も醒め止まず、早速引き戸を開けると、正午近くだというのに、お客は不在の店内。一気に不景気な現実へと引き戻された。出迎えてくれたのは、70前後のおかみさんと、厨房内の息子さんらしき男性。息子さんは、神津はづきと結婚したテレビでも時折見かける俳優にどことなく似ている。
遠慮がちに、入り口に一番近いテーブル席に腰掛けて、早速メニューの冊子を眺めていく。こちらの店、都心から離れているにも関わらず、中心価格帯は千円オーバー。実はこの後も別の店への訪問を控えているので、軽めにしておきたい。そこで720円の日替わり定食(焼肉とチキンカツの盛り合わせ)をおかみさんに注文。
すぐに席を立つなり、「トイレはどこにありますか?」と若きご主人に尋ねると、作業の手を休めず「向こうです」と少し顎を引くジェスチャー。店の奥へ進みかけた途端、「こっちですよ。こっち」と今度は手で方向を示す。私がご主人の意図した方向と逆に向かおうとしたので、多少イラつく表情を垣間見せた。
実は、東武東上線の電車の中ですでに尿意をもよおしていた私。汚そうな駅のトイレを使うのは躊躇われて、店のトイレを使うつもりでいた。そんなことで私の思考回路も下半身に気をとらたせいか、多少麻痺していたようだ。
結局私の座った席の左側にトイレがあるのを知って、扉を開こうとするも、見慣れない引き手に一瞬目が点。手が掛かる部分を掴んで押しても引いても、左や右にスライドさせようにもビクともしないトイレの扉。
我慢の限界に近づいて、思わずその場で駆け足をしてしまう恥ずかしさ。漏れそうになると、足をバタつかせたくなるのは万国共通なのだろうか。広末涼子のデビュー曲、「MajiでKoiする5秒前」ならぬ「Majiで失禁する5秒前といった状態。すると手掛りに触れる黒いレバーを右に押すことで、栄光への扉というべきトイレの扉がようやく開いた。間一髪セーフで当店の出禁を免れる。
それにしても、初めてこちらのトイレを使う客は、間違いなくこの扉の開け方に戸惑うのではないか。もちろん私が焦って、冷静に判断できなかったことを差し引いたとしても。
席に戻って、ようやく一段落。メニューにも挟まれていた、三好弥についての屋号の探険記事をじっくりと読み直していると、おかみさんの手により定食が運ばれてきた。
大皿には、チキンカツと焼肉が両雄並び立つといった具合でボリューム感で圧倒。小鉢には珍しく納豆が付いて、見た目からしてお得感が感じられる。まずは赤だしの味噌汁から一口啜ると、しっかり出汁が効いていて口元が思わずほころぶ。味噌汁に手を抜かない食堂に不味い店は無し、というのが私の持論。
チキンカツも揚げたてで、衣もふんわりサクサク。焼肉を炒めたタレも私好みで、ご飯がご飯がススム君。はっきり言って、720円という金額からすればかなりお値打ちな定食だ。
本音を言えば、連食を考えてご飯を残すつもりが、すっかり綺麗に完食。これまでレビューしてきた三好弥のなかでも、個人的には上位ランクは間違いない。
お替わりのお茶を持ってきてくれたおかみさんに、メニューに挟まれた紹介記事の雑誌名を尋ねてみた。予想外な問いかけに不意を突かれたおかみさん、私の質問を二度聞き返すと、「この記事何の雑誌だっけ?」と調理中の息子さんに助けを求める。「えっ、ああそれは、週刊文春」と教えてくれた。
会計後、上板橋駅へと戻る道すがら。手元のスマートフォンで、先ほどの雑誌記事がインターネットでもアップされているか確認すると、どうやら週刊新潮の連載だったようだ。記事では、神楽坂の三好弥のご主人に取材をしていたが、新潮社はその近所の矢来町に社を構える。恐らく記者も、そちらの三好弥を以前より訪れていたに違いない。
先ほど貼られていた三好弥の系図といい、今後の三好弥への訪問に大きな戦力となるのは間違いない。私が目指す三好弥マイスターへの道に、大きな一歩を踏み出せた。