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菊屋とうきょうスカイツリー、押上、本所吾妻橋/食堂、居酒屋、カレー
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昼の点数:4.2
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~¥999 / 1人
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料理・味 -
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|サービス 3.8
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|雰囲気 4.2
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|CP 2.3
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味-
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| サービス3.8
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| 雰囲気4.2
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| CP2.3
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| 酒・ドリンク- ]
向島で評判を聞くや否や
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外観
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外観
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外観
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外観
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ハムエッグ 小ライス 味噌汁
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店内
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年代物のレジスター
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2017/01/03 更新
墨田区向島5丁目。6月最初の週末。とうきょうスカイツリー駅のホームに降り立った私は、あまりの人の多さにしばし呆然。3月下旬に業平橋駅より改名して以来、本日が初めての下車。それにしても、東京スカイツリーがこの地で誘致決定する以前は、週末でさえ一停車の乗降者数は10人足らずだったことを思えば、隔世の感がある。ホームから改札口までの導線も、見違えるほど綺麗になったものの、かつての小汚い駅構内を知る者としては、人気テレビ番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』ばりの成功例ともいうべきか。ただし外観だけ取り繕ったとしても、駅そのもの存在価値が向上したとは到底思えず。
それにしても、とうきょうスカイツリーという長ったらしい駅名は、如何なものか。かつての駅名、業平橋とは、駅から程近い大横川親水公園に架かる橋のこと。その業平橋は、吾妻橋3丁目に現存していた業平天祖神社が元となり、その由緒は、平安時代の歌人・在原業平が亡くなった場所に建てられた業平塚に由来する(『江戸名所記』)といわれる。
そんな歴史と伝統の誇る、地元住民が慣れ親しんだ駅名を、いともたやすく改名する東武鉄道。私の自宅の最寄り駅、玉ノ井駅を東向島駅に改悪した前科があるだけに、個人的には怒りを隠しきれず。東京スカイツリーの最寄り駅は、押上駅との一般認識が高まるなか、本来もっとも近い東武の駅としては、鉄道収入を上げるためには、なりひらもといなりふり構っていられないのだろう。
しかも浅草駅・押上駅~東武動物公園駅の路線愛称を、宣伝臭丸出しの東武スカイツリーラインとする愚挙ともいえそうな所業。東武鉄道は、そこまでして東京スカイツリーのアクセスに便利な路線としてアピールしたいのだろうか。
前置きがすっかり長くなってしまったが、改札を出て左手を進めば、東京ソラマチなる東武鉄道肝いりの複合商業施設。私が日常的に利用していた曳舟川通り沿いのユニクロ東向島店も、開業とともにこちらへ移転。すっかり不便さを感じる腹立たしさも手伝い、未だに東京ソラマチを覗くつもりも無し。
本日向かうのは、反対方向。東武スカイツリーラインの北側エリア。小梅通り沿いまでくると、道行く観光客もほとんど皆無で、スカイツリー開業後もまったく恩恵を受けることがない。駅から歩くこと2分足らず。そんな小梅通りの起点に佇む、外国人観光客も度肝を抜く一軒の食堂、その名も「きくや」。かつて本所に住んでいた頃から、存在自体は知っていたけれど未訪問。私のレビューをこれまで読んできた方なら、意外に思われるかもしれない。
こちらのサンプルケースには、酒瓶は置かれているものの、肝心の食品サンプルが見当たらず、かろうじて提供するメニューを表わすのがカレーライスの表記のみ。しかも辛いと書いてある。カレーライスをはじめとして、辛い料理が大の苦手な私にとって、いくら外観がそそろうとも、今まで訪問を躊躇うこと幾年月。
たまたま、こちらの店の先行レビューを眺めていると、メニューはカレーだけではないことが判明。その点はレビュアーの皆さんに感謝すべきだと思うが、何とかのひとつ覚えじゃないんだから、全てカレーばっかりのレビューでは参考にならない。こちらの店への訪問を決意した手前、もちろん私が頼むのはカレー以外の料理じゃなければ、読者登録している奇特な皆さんも納得してくれないだろう。
建てつけの悪い引き戸を開けると、正面のテーブルに向かい合って座っていたのは、着古した調理服姿のご主人。手元をみると、スポーツ新聞と馬券用紙が5枚ほど置かれている。慌てて立ち上がる親父さん、現在10時を回った頃なので暇だったのだろうか。
外観同様かなり年季の入った店内の壁に貼られた、予想以上に少ないメニューを眺めると、カレーライス以外にも、親子丼、玉子丼、さぬきうどんといった食事メニューを発見。そのなかで目に留まったのが500円のハムエッグ。カレーライスが300円と激安で、親子丼さえも500円なのに、ハムエッグが500円と高額なのは何故なのか。もしかしたら最高級のプリマハムでも使っているのだろうか。
しばし塾考していると、背後の親父さんが、「カレーなら早くできますよ」と声をかけてくる。もちろんカレーはノーサンキューなので、ハムエッグにライスの小(180円)と味噌汁(100円)を頼むことに。
開業以来使い続けているのかメラニン合板のテーブル席に座ると、2リットル入りのペットボトルの緑茶と空のコップが無造作に置かれる。好きに注いでくれという意味なのだろう。スーパーの特売セールで売られていそうな、聞いたことのないメーカーながら、単なる水よりありがたい。
店の中は娘さんなのか、小上がりの畳のヘリに腰掛けている迫文代似の30代女性がひとり。膝の上になぜかアニメキャラクター柄のクッションを置いている。出来上がりを待つ間、おもむろに店の中を見渡すと、いかの丸焼きやあじの開きといったつまみも発見。こちらの店、食堂というより居酒屋として利用される機会が多いのだろうか。
そして魚肉ソーセージと書かれたメニュー札に愕然。なんとびっくり値段が400円で、大が600円となっている。魚肉ソーセージといえば、さくら水産なら50円で提供する超廉価メニュー。こちらの店の値付けには本当に首を傾げたくなる。それにしても魚肉ソーセージの大が600円とは、どれだけ太くて大きいソーセージが出てくるのだろうか。世界一と噂されるコンゴの人達も腰を抜かすほどのビックサイズなのかもしれない。
注文して10分足らず。黒いプラスチックのお盆にて運ばれてきて、ついにハムエッグ定食の全貌が明らかに。その見た目、ローソンストア100で売られているパック詰めのロースハムのごとき、4枚のハムが並んで卵を2個使った目玉焼き。これで衝撃のプライス500円なり。もしかしてもしかしたら、ハムそのものはイベリコ豚のような銘柄豚かもしれない。そう思い直して、まずはハムからひと齧り。普段食べているハムの味となんら変わらず、スカイツリーの頂上からバンジージャンプで落下するほどに期待度は急降下。せめてもの救いは、かつてレビューした平吉食堂のハムエッグの薄っぺらいハムの厚みより幾分マシなだけ。
一方の目玉焼きはどうなのか。こちらは片目の目玉が底面で破れかかって、黄身が滲み出ている至極残念な仕上がり。しかも白身が焼き過ぎて、焦げた味がする。普段料理をしない私でさえ、これ以上の目玉焼きは作れそうだ。
お次の味噌汁、味はまともかと思いきや、底の方で味噌が溶けずにダマになったまま。黄色いたくあんも、自家製ではなく近所のスーパーとかで買ってきたものだろう。食べ進むにつれて、私のテンションもだだ下がり。そんな中、ひと息ついた親父さんが、小上がりの席に置かれた、この店では最新鋭のミニコンポの電源を入れる。
流れてきたのは、なんと宇多田ヒカルのデビュー曲『Automatic』で、思わず椅子から転げ落ちそうに。店の雰囲気からすれば、渥美二郎なのだが、娘さんの趣味なのだろうか。
そのまま娘の隣に腰掛けて、二人で仲むつまじく競馬談義が始まる。すると会話のやりとりから、娘と思っていた女性が実は常連客と判明。失礼ながら、ふた周り以上も年が離れて、単なる食堂の主人と客の間柄だけなのか。
「雨が降ったら迎えにきてくれる?」親父さんにやや首をかしげながら、尋ねる女性。「午前中は駄目だよ。店は12時までやってるからね」「午後になったらいいけどね」と応える親父さん。
二人の会話の最中、ミニコンポから流れる曲は、宇多田ヒカルの『First Love』に変わっていた。