2回
2016/12 訪問
金沢遠征第一段 粋で鯔背な匠の業 珍道中同行二人シーズン9壱の巻
待ちに待った金沢遠征が始まりました。朝盛岡を出て11時には加賀百万石のお膝元、鼓門の下に立って居ました。
計画段階で おお~お昼に間に合う。 と一人ほくそ笑んで仕舞いました。何せ遠征では食事の1回が貴重ですので。
今回は 蟹の解禁 と言う時期の縛りが有り3ケ月の準備期間が有ったので検索仕捲りでメインのお店を探しました。
金沢と言えば、鰤・蟹・喉黒・海鮮丼でしょう。でもこの昼のチョイスに迷います。
何故かと言うと、蟹中心だろう つる幸さん と朝10時から喉黒炙り丼の 澤ノ屋 さんが運善く予約取れたからです。
1日目の夜はおでんなので、海鮮系を食べずには我慢出来そうも無い。
金沢は、地元の方の予約を優先する為に観光客は2ケ月前まで予約不可のお店が多いです。
10月1日にダメ元でランキング上位でレビューも魅力的だったこちらへ予約電話。
すると カウンターで1時間なら席が用意出来ます。との事で此方に否やは有ろう筈も無く二つ返事でお願いします。
ここ木倉町は昔ながらの飲み屋街らしく小さな飲み屋さんが狭い小路に集まって居ます。
乙女寿司も、そんな細い路地にひっそり佇んで居ます。旗竿地なので、入り口へのアプローチが僅かに覗いて居ます。
もう何人かお店前で御歓談されて居ますが、開店2分前に店内に吸い込まれて行きます。私達も続いてお店の中へ。
8席程のカウンターと奥の個室のこじんまりとした店構えです。
案内されたのは、カウンター中程の席で大将の真ん前です。願っても無い特等席です。
『遠い所お出で頂き有り難う御座います。』とご挨拶頂き恐縮の極みです。目の前には桐のネタ箱が並ぶ壮観。
華は当然大将ですが脇は凛とした白百合の様な女性が務めます。焼き方煮方は厨房に控え接客の女性の少数精鋭です。
私はビールで相棒はお茶で乾杯して、つまみから握りの流れでお任せです。
付け台にガリが盛られ、歯ざわりが酢の按配も絶妙でガリ好きの私にぴったりです。
只ガリの話しをして居て、つまみの最初の桜色の白身2種の名前を聞き逃します。
『ナメタ』っと言った様でしたが違います。金目鯛かカンパチか後から調べましたが、ついに決定打無し。
後日相棒がお店に聞いてくれました。歯ざわりも適度でサラリとした脂乗りの刺身の正体は一体。
『なめら』と言う高級魚で一般的にはキジハタとの事でした。加賀の呼び名では分かろう筈も無し。
続けて寒鰤を『背』と『腹』で食べ比べる出し方も斬新です。ネットリと軽く熟成した甘さが引き立つ『赤烏賊』も秀逸です。
散らした白胡麻や生姜も良いアクセントに成って居ます。鮫肌で直前丁寧に擦られた山葵も外せませんが。
焼物でノドグロの幽庵焼きは脂の乗りと、軟らかで然しながらしっかりとした身に焼き上げられて居ます。
ここで日本酒追加で十四代投入です。うん矢張り魚を肴に飲むなら稲美酒でせう。甘露甘露。
さて、ここからは待ちに待った握りです。甘海老が卵を抱えて甘海老を透き通った卵も美しく拵えて有ります。
少な目で良い塩梅のシャリが口の中でハラリと解けて行きます。
鮃の昆布〆プリプリの弾力の鮃が昆布の旨みを抱き込んで煮切りに相性抜群な〆具合です。小肌を頂きながら新子の話しを少し。
次はズワイ蟹で加賀での名の加能蟹 蟹味噌添えは蟹身の味わいは勿論蟹味噌も少量なれども濃厚な旨味を添えます。
中トロは程好い脂乗りで安定感有り。普通メインに成る鮪なのに、美味いにも関わらず凡庸に思える程こちらの握りはレベルが違う。
〆鯖はほのかに酢が利いて良い塩梅です。一般概念の〆鯖とは違い爽やか風の様です。
鯵も程好い脂の乗りで低い海水温で身の引き締まった感じが素敵です。時間オ-バーですがもう少しと大将。
雲丹の軍艦を付け台に出しながら親方が、『早目に召し上がって下さい。』と宣う。
写真撮影との狭間で迷いながらも撮り直し無しの一発で撮り切り、即一口に頬張りました。
パリッとした海苔の良い香りが拡がります。
焼きあなごは仕事がきっちりされたふわりと柔かで煮きりと山葵で堪えられません。
あらの味噌汁も冬の能登の海日本海の恵みですね。愉しい時間は早送り。
圧巻、加賀百万石の伝統と匠の腕と創意の集大成。
時間を過ぎてまで食の宝石を振る舞って頂きました。
美味しかったです。感激でした。
2016/12/23 更新
ゆっくりと朝食を頂いた後、7年振りの訪問です。2月は予定が合わず、予約が取れませんでした。
今回も予約予定の関係で、お昼を頂く事に成りました。外で多少待ち、時間通りの開店で入店です。
親方の正面のカウンターに通され、加賀鶴で喉を潤していざ開始です。摘みからイサキ・赤烏賊の耳と身・鳥貝・甘海老・鬼海老と続き、ハマグリの茶碗蒸しで一休みです。御酒の東離の追加をお願いします。
ここから、ほいろの海苔で包む雲丹・鮑の肝焼き・能登鮪のカマ焼き・キンキの炙りと摘みが豊富で御酒が進みます。
お茶を挟んで、ここからは握りでお願いします。あら・クルマ鯛の昆布〆・甘海老・中とろ・コハダ・のどぐろ・生バイ貝・蝦蛄・赤身の細巻きと、地元岩手ではお目に掛らないネタを交え愉しく頂きました。味噌汁で癒やされながら、〆の一貫と相成りました。
あなご炙りは崩れ易いので、皿に載せて頂きます。
良い塩梅の腹心地で、愉しかっです。
美味しく頂きました。有難うございました。