2回
2016/12 訪問
和を感じるアートなフレンチ
寒風が吹きすさぶ12月の土曜日に、ランチに伺いました。
住宅街の方に少し入った、静かな場所にあるお店です。
¥3000のランチコースをお願いしました。
ドリンクはグラスの白を頂いたんですが、最後に蜂蜜の香りがわーっと広がるこのワインがものすごく美味しくて!
(ジュラのシャルドネとのこと)
お料理への期待が高まります。
まず運ばれてきたアミューズは、黒いプレートに赤い紅葉の葉が映えてとてもオシャレ。
ガラスの器やスプーンの形も凝っていて素敵で。
黒炭入りの黒い生地のシューはリエット入り。
サクサクでとても上品で上質な味の、美味しいシューでした。
ムラサキイモのチップが浮かぶスープ(おそらくサツマイモのスープだったと思うんですが、ちょっと記憶が曖昧で…)もほんのり甘くて、幸せを感じる美味しさでした。
次に運ばれてきた栗のスープにはほうじ茶のムソーズ(「泡」という意味らしいです)が浮かんでいて、お皿の縁に散らされたナッツやクルトンを加えながら頂くんですが、これがとっても良く合う組み合わせで。
こちらも上品で繊細な味わいの、美味しいスープでした。
パンもとても美味しかったので自家製なのか聞いてみたところ、宇都宮にある本店の2Fのベーカリーで焼いたものとのことでした。
お腹いっぱいになってしまうかもと思いつつ我慢できず、お代わりを頂いてしまったんですが、そうしたら今度は別の、クルミ入りのパンが出てきて!
ほんのり甘いこちらのパンも、とても美味しかったです。
次に出てきたのはブリのタルタルの上に季節の野菜が載っている一皿。
野菜自体の味がとても美味しかったので、シンプルでさわやかなドレッシングだけで野菜そのものの味を楽しみながら食べたくて、手前にある味噌の風味を感じる黒いソースを全部使いきれず、もったいなかったです。(蕪や大根、牛蒡などの根菜系の野菜にものすごく合いそうなソースでした)
下に隠れているブリのタルタルの方には長芋(山芋だったかも?)が入っていて味も食感も良くて。
上の野菜はさわやかでフレッシュ、下のタルタルはちょっとリッチテイストで、とてもよいバランスの一皿でした。
メインは肉か魚か選べます。
「大和ポークのロティ」も美味しそうだったので迷ったんですが、「石川県能登産鰆のポワレ バルサミコ、ケッパー、コリアンダー」の方にしました。
こちらも出てきた瞬間に「おおっ!」と思ったほど美しい一皿で。
ソースの黄色や紫色の白菜、バルサミコで描かれたラインなどが、まるでオシャレな絵のようで、食べる前に目でも心から楽しませて頂きました。
味の方は、使われてる野菜がやはりとても美味しくて!
その野菜とフワフワに焼かれた鰆とソースとがとてもよく合っていて、美味しく頂きました。
美しい盛り付けはまだ続きます。
デザートは「洋ナシのコンポート」と書いてあったので、洋ナシがポんと載った一皿を何となく想像していたんですが、その想像を見事に裏切る一皿が登場しました。
洋ナシと一緒にムースやアイス、そして上にはココナッツミルクのメレンゲが載っているという凝り方で!
見た目が美しいだけでなく色んな味が楽しめる、とてもハイクオリティーなデザートでした。
食後のドリンクに選んだ「焙煎かりがね茶」(「春眠」奈良県)にも小菓子が付いているという、最後まで御もてなしの心にあふれたコースでした。
スタッフの方の感じもとても良くて、建物の外観や内装もハイセンスで客層も落ち着いた感じで、そして何より、目でも舌でも楽しめるお料理が素晴らしくて。
素敵なお店を見つけました。また伺いたいです。
ごちそうさまでした。
2016/12/25 更新
2月の土曜のお昼に予約をして、ランチに伺いました。
およそ3年ぶりの来店でしたが、こちらはなんと3月22日で閉店してしまったとのこと。
その前に行くことができてラッキーでした。
ミシュランの星を獲る前後に二度伺ったことがあるんですが、目にも舌にも驚きを感じるような素晴らしい品々が出てきた記憶があります。
それから3年経って、当時は余裕があった席も満席で、人気店になられた様子が窺えました。
ランチの内容は、以前とあまり変わらないお得な価格のままなのは素晴らしいと思いましたが、3年前より味や見た目の感動がやや薄れたような…
価格に対して非常にお得なランチであることに変わりはありませんでしたが。
閉店したと知ってディナーにも伺っておけばよかったと後悔しましたが、ウェブの情報などによるとシェフには新たな構想があるらしいので、記憶にある素晴らしいお料理をまた頂けるのを楽しみに待とうと思います。