スタープラチナ・ザ・ワールドさんが投稿したセララバアド(東京/代々木上原)の口コミ詳細

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スタープラチナ・ザ・ワールド (男性) Tabelog Reviewer Award受賞者Tabelog Reviewer Award受賞者 認証済

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セララバアド代々木上原、代々木八幡、代々木公園/イノベーティブ、スペイン料理、フレンチ

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2015/02 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.3
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

Open the new world~新世界の幕開け~

東京都、色々な媒体からニューオープンの情報をゲットしていますが、一際気になるニューオープンのお店がありました。
セララバアド、変わった名前ですが覚えにくくはない店名。宮沢賢治の「学者アラムハラドの見た着物」の登場人物が語源ですね。
私のレビューは一日一件でアップしており、備忘録としだからイイかなと割り切っていますが、こちらについてはレビューアップの要望もいくつか受けていますので、先んじてアップしたいと思います。たまには情報を提供する側にもならなくちゃね。

近年ニューノルディック・キュイジーヌということで、北欧の独創的な料理が話題となっていまして、その旗手で世界レストラン番付で2年連続世界一となったノーマも先般から東京のマンダリンホテルに来て、日本の美食家の皆さんを楽しませていました。
行った方の話だと、食材に蟻を使ったりと、果たして私が行ったとして理解できるのか?という斬新かつ奇抜なメニュー構成だったようです。
ちなみに世界一のレストランで、世界一有名なのは過去に5度の世界一となり、世界一予約が取れないレストランとされたエルブジでしょう。
こちらのシェフの橋本氏は何と上記の二店で修業をされたことがあるという、非常に非常に期待が持てる経歴の方です。
あ、忘れてはいけないのはベラサテギの修行歴!これも楽しみ♪幅広い経歴です。
海外から帰国後に即開店ではなくて、帰国後サンパウやマンダリンホテルでも働かれているので、満を持しての開店と言えるでしょう。

オープン前から話題のお店でしたので、オープン前にお店のHPからネットで予約。ちょうど上京する日が空いていて良かった。
そのころはまだ全然予約困難ではなかったのですが、お店に伺う直前に予約状況を見るとかなり埋まっています。
ちなみにランチを土日だけ…との話もありましたが、現在は3名のスタッフでは夜を回すだけで精いっぱいであり、まだランチをする予定はないそうです。

お店は19時に一斉に食事スタート、コースは税別6,800円一本で、席料が500円とのことです。
一斉スタートは好きなスタイルではありませんが、余りにもお手頃価格のコースなので、何も言えません(笑)
お店の場所は代々木上原、駅から10分ほど歩いた邸宅風のお店でして、18時半には開店しているそうです。
今回は10分前に到着し、お店に入店、かしこまりすぎないカジュアルフレンチ風の店内。お庭がありまして、桜の時期はきれいなのだとか。ただ、桜の時期の予約は埋まりきっています…
お店の調理方法とかを眺められるカウンター席が特等席と聞いていましたが、今回はテーブル席でした。
ちょっと隣と近いと言えば近いお席。北欧テイストにまとめられています。
一斉スタートの前に、北海道のどろぶたの生ハムを勧められましたので、ワインのあてにお願いをしました。
2人前で1,500円、肉質が良い豚でしたし、添えられた口の中で弾けるオリーブオイルに独創性を感じます。
ワインは自然派ワインを中心に、国産も交えて揃えられているとのこと。
グラスで、なんとなく泡気分ではなかったので、まずは白スタートにしました。

用意されたのはお箸とフォークとスプーンのセットで、最初の一皿目は、霜柱。
メニューから料理が想像できないようなものがちらほら散見されました。
青けしを土に見立てて、霜柱は薄い薄いポテトチップス。緑の泡は昆布成分が入っているようで、和の感覚が少しあるお料理。
しかし、のっけから盛り付けのセンスが違いますね。
続いてはトピナンプール。菊芋、群馬の農家さんから送ってもらっているとのことですが、こちらを皮ごと焼き上げた品。
中身をスプーンで掬って、野菜のソースでいただきます。シンプルに塩でも美味しいんですこれが♪
次のお皿に行く前にパンがやってきました。自家製のパンはふわっとしたタイプで、熱々の美味しさ。
ただ、今回のコースの中で最も普通に感じたのはこのパン。
三皿目は、待っていました。皆で歓声をあげる根セロリの折鶴。
根セロリをピューレにした後にシート状にして折っているのだとか。
パリパリの食感で、折鶴の下には柚子が隠されており、セロリにアクセントを付けています。
一緒に供されたのはホロホロ鶏のレバーの生姜焼き。この一皿はお皿も含めて和テイストが満載です。
続いても芸術点が高いお皿です。早春の大地。
出てきたのは野菜のフリッター、衣部分が霜をイメージしているんですとのことで、言われてみるとその通りに見えてきます!
小さくて可愛い野菜たち、中でもコゴミがこれから訪れるであろう春を予感…桜が見たいな~。
こちらは宙に浮いているかのような独特の器に盛られて出てきまして、お店の方は持ちにくそうでしたが、空中都市みたいなカッコよさがありました。
才巻海老とカルドッソは、海老が非常に面白い状態での提供です。
頭はカリッと揚げてあり、体の途中から尾にかけての部分は生。命を頂いているのだとちょっと哲学的になるお料理。
カルドッソは海老の風味もしっかりとしていましたが、お米の状態も良く、改めてですが基本的な調理技術の高さを再確認。
そして、ユリ根 トリュフ。ユリ根をエスプーマで表現し、トリュフを上から。ソースは手羽先のソースとのこと。
ユリ根エスプーマ&トリュフの組み合わせをどこかで食べたことがある私…どこだっけな…
手羽先のソースがまた面白く、料理に力強さを与えてくれていました。
カレイ 蕪 スモークは、パフォーマンス系。容器のスモークを閉じ込めて、開けるとスモークが立ち込めます。
この香りは桜でしょうか、添えられている金柑をソース代わりにかじりながらいただきます。
あまりカレイをフレンチで戴くことがないのですが、味がしっかりと付いていて、お酒との相性が良いお料理。
カレイの卵が入っているのですが、これもフレンチ食材としては初見でしたが、スモークとの相性が頗る良い食材でした。
メインは岩手は花巻のホロホロ鳥。近代フレンチですから当然低温調理。
食鳥の女王という名に恥じない肉質、石黒農場産ですから間違いないですよね。見た目も麗しくバースニップのソースも含めて丁寧に丁寧に伏線を張っており、皿の中でストーリーが一話完結する感じでした。
ただ、他店も火入れに心血を注いでいる昨今ですので、火入れ自体での感動は薄いかもしれません。
冬の湖は飴細工を湖面に見立て、下はパイ生地の香りを付けたカスタード。ベリーのソースでキッと引き締まる料理ですが、パイ生地の香りが実はこのお皿の主役かも。
最後はオリーブオイルグミ、ラズベリーソーダ、フィジーチョコ、京人参のマカロン。
それぞれに個性があって面白い小菓子でした。オリーブオイルグミは琴線に触れたな~。
コースにカフェは付かないため、お茶を飲まれる方は別料金。私はアルコールの余韻がありましたので、カフェは辞退しました。
ワインは計3杯。
白と赤で、うち2杯は三次ワインをいただきまして、白は平均点が高い優等生ワインでしたが、赤メルローが独特の香りを醸し出す癖になる系のワイン。
他の日本のワインも仕入れたいのだけど、既に販路が固まっていて確保できないとのこと。
全国の日本ワインの造り手の皆様!ここにワインを卸すことは相当にメリットがあると思いますよ(笑)
なんとなくですが、和を意識した部分もあるため、日本酒が合いそうな気がしました。アルコール度数がちょっと低めで品がある日本酒、ラインナップにいかがでしょうか?

全体を通して、非常に芸術性の高いお店ですが、思っていたほど奇想天外な料理を出されるわけではありません。
所謂分子ガストロノミー自体が日本のフレンチ界に浸透しつつあるのも、そう思う一つの要素だと思います、日本のトップランナーも皆勉強家ばかりですもんね。
ただ、やはりハッと感動する料理がありますし、何といっても美味しさをないがしろにしていない点は流石だと思います。
一皿一皿に様々な趣向が凝らされており、これにかける時間とパッションはいかほどのものか、たったの3人でされているので、猶更そう思いました。最初は一斉スタートかぁと思いましたが、これは一斉スタートでないとまわせないですね。
この料理がこのお値段で食べられるのは、本当に素晴らしいことですし、多くの人がこちらのお店をきっかけにフレンチに開眼しそうな気がします(笑)
ただ、お値段設定が安いが故の、それでいて多皿志向が故の、素材的な限界、人的な限界があるのも事実ですので、お値段はかかっても橋本シェフの全力を制限なく見てみたいという方も多いのではないでしょうか。
また、コースは2時間半強、あっという間に時間が経ったなという印象で、待った感覚はありません。
そうそう、私はそう気になりませんけど、コースの量は少なめですので、男性には物足りないかもしれません。パンもお代わりできないですしね。

周りの方は次の予約を入れられていましたが、私は予約が取れる3ヶ月先の予定が未定で…地方は辛いよ…
シーズンで料理を変えるらしいのですが、一部入れ替えながら流動的にメニューを変えていくとのことで、非常に楽しみなお店です。
橋本シェフはキレキレの料理人かと思いきや、朴訥とした印象さえ受ける優しい方。シェフも走り回る、一体感があるお店で、居心地が良かったです。
ソムリエの方もお若いながら、気付きがしっかりとしていますし、勉強も一生懸命されているようで好印象。

キーポイントは、今後もこのクリエイティブな料理を作り続けることができるか。走り続けることができるかという点だと思います。
かのエルブジも半年開店し、残りの半年は料理の構想を練る期間に充てていたと聞きます。
仙台の新進気鋭のフレンチ、アストランス修行歴のあるシェフがいらっしゃるナクレもメニューが思っていたよりも固定化され、個人的には通い詰めるまでは至りませんでした。
二度目、三度目、全く違うモノをとは思いませんが、行くたびに驚きがあるお店であって欲しいなと思います。
女々しいけど、2ヶ月前一斉予約開始ぐらいの予約方法だと、まだ地方在住者にも行ける芽があるんですけどね(笑)

店名を踏まえて…
「非常に遠くの方の凍ったように寂かな蒼黒い空を感ずる」料理を今後も創り上げていってくださることを切に期待いたします。

2016/09/25 更新

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