4回
2022/03 訪問
せいろそば
---2016年12月の口コミ---
評判が良さそうなので寄ってみたら、慈久庵の小川宣夫氏のお弟子さんの店でした。そりゃあ旨いのも合点がいきます。
実はこの日の私。慈久庵に振られて路頭に迷ってました。常陸秋そばが食べたくて頭から離れません。そこで選んだのが塩町館。慈久庵は昼のみの営業ですが、塩町館は夜も営業しているのが有難いです。
日曜日の17時に塩町館に入店すると、先客ゼロで全9テーブルはスッカラカン。旧太田銀行の建物を利用した明治ノスタルジックな店内は、雰囲気は素晴らしいんだけど客が居ないと薄ら寒いんだよね。だだっ広いし、12月は日没早いし。自然とストーブに近いテーブルに着席します。
店主の岩間卓哉氏は従業員を雇わず、蕎麦の打ちも茹でも接客の全てを一人で仕切ります。このスタイルは師匠小川氏と同じで私好み。全て一人で対応するので混雑時の待ち時間はシンドイと思うけど、今宵は貸し切りだもんね。(@_@)v
そして、いよいよ"せいろそば"の提供。蕎麦がつやつや光ってて透明感もあります。その蕎麦の中の黒い粒々は、まさに挽きぐるみ。粗挽きの粒度が均一でない点が、かえって食欲をそそります。
先ずは蕎麦を2本つまんで、ツユをつけずに口に含んで臼歯でよ~く噛みます。そうそう、この香りと甘み。新蕎麦だからなのか、常陸秋そばだからなのか、粗挽きだからなのか。美味けりゃ、季節/産地/製法のウンチクはどうでも良くなります。ただ貪るだけです。
2口目はツユも使って蕎麦の先っぽを浸して、3口目はワサビを載せて、そして4口目は再びツユを使わずに。と食べ方をクルクル変えて楽しみます。うみゃ~♪
ほぼほぼ一気喰いの中、ふと慈久庵との比較を思い浮かべてみました。個人的には慈久庵の方が僅差で私好みです。その差は"塩町館の方が水切りが甘い"、"慈久庵の方が蕎麦ツユのカエシに丸みがあって、蕎麦をより引き立てている"の2点です。
まぁ岩間氏はお弟子さんなので、時間をかけて師匠の小川氏を超えて行くとこに期待したいです。がんばれ未来の巨匠っ!
蕎麦を食べ終えても他に客が居なかったので、岩間氏と暫し雑談です。
私 :今日の蕎麦は常陸秋そばですか。
店主:12月は常陸秋そばの新蕎麦100%です。季節によっては常陸秋そば以外も使いますよ。
私 :12月は当たり月ですね。香りが突き抜けてて、とても美味しかったです。
店主:常陸秋そばは、新蕎麦の頃は香りが良いんですが蕎麦の味は未だ水っぽいんです。1月2月と熟成が進むともっと味が良くなるんです。
私 :もっと旨くなるの?…… それを聞くと2月にまた来なくちゃね。
ご馳走様でした。蕎麦は十二分に美味しかったので、次回は饂飩も食べたいです。
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せいろそば(\1,000x2),蕎麦湯
2025/11/02 更新
2020/01 訪問
2022/04/02 更新
2016/12 訪問
2020/01/25 更新
---2025年1月の口コミ---
初回訪問は2016年。北茨城の鯨荘 塩町館を再訪です。茨城県にはお気に入りの蕎麦屋が複数あり、慈久庵と塩町館の交互訪問が多いです。隔年ですが師匠の小川氏と弟子の岩間氏の蕎麦を食べ比べです。
2025年は岩間氏の蕎麦が妙にウマかったのでご報告。なんかね。蕎麦の味が強かったのです。変化を感じました。もちろん、挽きぐるみの粒々が発する風味も素晴らしいのだけど、それは毎回のことなので変化ではないです。
となると蕎麦の実の熟成具合なのでしょうか。語彙が乏しく上手に伝えられず悔しい。詳しくは2016年の過去口コミを見てね。とにかく蕎麦の甘みが強くて濃ゆいの。噛み心地も喉越しも完璧。
こーなると箸が止まらなくなるんだよね~♪
蕎麦の半分以上はツユなしで平らげちゃいました。常陸秋そばの味に直に触れたいので、ツユに浸けるのが勿体ない感じ。ほぼ"水そば"喰いという、福島県北西部の山都町宮古<合併で現在は喜多方市>の食べ方だけど、ここまでギアが上がることは滅多にないです。
あと、時間経過で蕎麦が乾くのも勿体ないので、嫁とも話さずに蕎麦に集中。岩間氏ってば更に腕を上げちゃったのね。師匠を越える日が近いんじゃないのかえ?
その分、蕎麦ツユがたくさん余ったけど、蕎麦湯の時に濃いめに使って綺麗に完食。店を出るとスグに嫁と顔を見合わせて「今日の蕎麦は凄かったねぇ」と二人同時にカミングアウト。なんだ。嫁も気付いてたんだ。
蕎麦の味が日単位でどれだけ変わるのか、蕎麦打ち経験のない私には分からないですが、過去イチの塩町館の味だったのは間違いないです。
この蕎麦がたった\1,100って有り得ない価値です。初回訪問の2016年から9年間で+\100しか値段が上がってないのも奇跡。敬意を払って評価4.6を付けます。ご馳走さま。
次回は慈久庵を訪問する番です。これも一つの道楽ですよね。うきゃっ。
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焼畑そばがき(¥1,500),せいろそば(\1,100x2),蕎麦湯