Merfolk Kingさんが投稿したカナ(沖縄/北中城村)の口コミ詳細

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全国各地の郷土料理・ご当地グルメを紹介したいので、東京の口コミは意図して控え目だす。

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Merfolk King (男性・神奈川県) 認証済

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カナ北中城村/沖縄料理

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク -
1回目

2016/10 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

海ヘビ料理、琉球料理

初回訪問は2016年。超本格的なイラブー<海ヘビ>料理と琉球料理を堪能しました。お奨めです。

水曜日の予約が偶然取れたので、イラブー定食とカナ定食を1つずつ予約して訪問しました。
店の場所は那覇市から遠く離れた沖縄市。便利とは言えない立地ですが、この店のイラブー料理は何にも増して優先されます。理由は後述。

さて料理の紹介です。
先ずは、イラブー定食です。画像からも判るようにイラブー汁には海ヘビの塊りが2つ入ってます。他に昆布と豚足が入った濃い茶色の汁ですが、味は見た目に反して鰹ダシ中心の雑味のない澄んだ旨みを感じます。

海ヘビそのものの味ではなく、汁に融けたエキスとコラーゲンを薬膳漢方として体に取り込む食べ方。ヌチグスイ<命の薬>との事。

店の娘さんに話を聞くと
 ・鰹/昆布/豚骨のコラーゲンで出汁を取って、海ヘビと豚足を煮込んでいる。
 ・正名はエラブウミヘビ。コブラ科で攻撃性は低いが、毒はキングコブラの15倍。
 ・生きてる海ヘビは縞々模様だが、燻製しているので見た目は真っ黒。

 ・海ヘビは燻製状態から戻すのに2日かかる。その間、アク取りなどで鍋に付きっきりになるので非常に手間が掛かる料理。イラブー汁は庶民の料理ではなく沖縄宮廷料理。
 ・燻製海ヘビは、石垣島産と久高島産をMixして使っている。昔は石垣産のみを使ってたが、燻製職人が引退してしまったので石垣産の在庫は9匹のみ。故に久高産をMixしている。

 ・他に宮古島産も試したがスグに煮崩れてしまってNG。宮古は燻製釜が小さく海ヘビを捕まえる度に燻してるが、石垣は捕まえた海ヘビを蓄えて大きな釜で一度に燻製してた。製法の差が味にも出る。
 ・久高産の海ヘビは、漁業権が祝女<ノロ>独占なので入手が安定的でない。
 ・燻製する海ヘビは殆んどメス。海ヘビ1匹から作れる料理は5人前。

とウンチクばかりで、1000ヘェ~級のトリビア。

念の為、翌日に牧志公設市場の"がんじゅう食堂"でイラブー汁を食べ比べましたが、がんじゅう食堂は燻製ではなく生の海ヘビを使ってるので、味に雑味が混じってました。

因みにイラブー汁以外の琉球料理も手が込んでいて全部美味しかったです。紹介すると、
 ・ウカライリチー:おからの炒め物なんだけど胡麻の甘みが特筆です。
 ・スヌイ    :もずくは他店より太く差別化充分。酢はキツ過ぎず優しめ。
 ・ジーマーミ豆腐:地豆豆腐は落花生の味が異常に濃いです<他店比>。作りたてのネットリ感も美味~♪

 ・フーチバージューシー:よもぎジューシー。これも絶品。香りが良くウェットで甘くて、これぞ本場のジューシー。
 ・大根の牛乳漬 :発酵乳の浅漬けかなぁ?旨かったのに製法聞き忘れた。涙

続いては、カナ定食です。カナ定食には"イラブー汁"の代わりに"イラブーシンジ"が付いてます。料理の違いを娘さんに問うと「イラブーシンジは海ヘビを煎じた汁という意味で、汁自体はイラブー汁と同じです。具の海ヘビの見た目がグロくて苦手なお客様はカナ定食を選びます」との事。

ふむふむ。そういう使い分けですか。という事でカナ定食は、イラブー定食と違う料理<差分>を中心に紹介します。
 ・イラブーシンジ:具なしイラブー汁
 ・豆腐よう:この少量だともっと食べたくなります。
 ・クーブイリチー:昆布の炒め煮。他店だと昆布だけなんだけど、この店は豚三枚肉がたくさん入ってて嬉しいです。伝統に忠実だと豚肉の旨みが昆布に移って美味しい訳ね。

 ・インジャナバーの白和え:苦菜の白和え。苦味の予想に反して優しい味でした。この甘みは島豆腐と落花生と白味噌を使ってるかも。
 ・ドゥル天:田芋の揚げ物<泥沸かしー天麩羅>。揚げ立てだもの。そりゃ旨いがな。
 ・イナムドゥチ:猪もどき汁。≒白味噌仕立ての豚汁。へぇ~。沖縄って白味噌文化あるんだ。新鮮です。豚肉の脂の旨み+白味噌の甘み=美味の方程式

 ・ラフテー:柔らか~く煮込まれてます。タレの甘さは控え目。付合わせのゴーヤは本場らしくマジ苦い。でも嬉しいよっ。東京のゴーヤは苦くないもんなぁ。
 ・ターンムの唐揚げ:田芋の揚げドーナッツ。2度目の田芋はデザートとして登場。砂糖の甘みはサンピン茶と相性良いです。

いやぁ。この店、琉球料理屋としても相当レベル高いっす。正確にいうと、沖縄の婆ちゃんが作ってくれる家庭料理という感じ。

私のお奨めはカナ定食です。ビジュアル的にはイラブー定食なんだけど、他店で食べられない琉球料理という要素がカナ定食は際立っています。

最後に、この店の留意点を3つ上げます。

1)カナは営業が金土曜のみで、火水曜は客5名以上の不定期営業なのでスケジュールが非常に組みづらいです。その理由は店主の我謝さんが80歳を超えるご高齢の為。前述のように仕込みに2日掛かるので、ご高齢では体力的に限界があります。

我謝さんが丁寧に準備するからこそ、この美味しい料理に出会えるのですから、客もスローフードを愉しみましょう。体力に合わせて細く永く営業して欲しいです。

2)燻製海ヘビの在庫が有限な点。石垣産の燻製海ヘビだけだと、残9匹x5人=45食で絶滅食になってしまいます。久高産に期待しましょう。値段は上がっても絶滅よりは良いです。

3)味の継承です。我謝さんがご高齢の為、娘さんへの継承は欠かせないです。2013年に我謝さんの体調不良で一度閉店したのも事実。娘さんが店を継ぐ覚悟で帰国して営業再開できたから良いものの「味の継承は道半ば」との娘さん談。時間は掛かると思いますが、娘の旦那さんと力を合わせて事業継続をお願いします。

ご馳走様でした。後継者がいるって素晴らしいですね>我謝さん
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イラブー定食(\3,500):イラブー汁,ウカライリチー,スヌイ,ジーマーミ豆腐,フーチバージューシー,大根の牛乳漬
カナ定食(\4,000):イラブーシンジ,豆腐よう,ウカライリチー,スヌイ,ジーマーミ豆腐,クーブイリチー,インジャナバーの白和え,ドゥル天,イナムドゥチ,ラフテー,フーチバージューシー,大根の牛乳漬,ターンムの唐揚げ

  • <イラブー定食>ウカライリチー,スヌイ,ジーマーミ豆腐,イラブー汁,大根の牛乳漬,フーチバージューシー

  • <イラブー定食>イラブー汁

  • <カナ定食>ウカライリチー,スヌイ,ジーマーミ豆腐,豆腐よう,イラブーシンジ

  • <カナ定食>クーブイリチー

  • <カナ定食>インジャナバーの白和え,ドゥル天

  • <カナ定食>フーチバージューシー,大根の牛乳漬,イナムドゥチ,ラフテー

  • <カナ定食>ターンムの唐揚げ

  • 燻製イラブー<105cm>

  • 燻製イラブー<エイリアン>

2018/12/28 更新

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