『【桂ちゃん】桂ちゃんのおかん』blueboyさんの日記

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ブルーボーイの喰い物徒然草

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blueboy (60代前半・男性・愛知県) 認証済

日記詳細

大阪に所用があったついでに桂ちゃんへ出向くことにした。
しかし、長原まで出向いて臨時休業だったら目も当てられない。
 
大阪へ移動する車の中から電話を入れてみると、店主ではなく、店主のおかんが出た。
「あれ?おかあちゃん?大将は?」
「いてるよ。ちょっと待ってね」
しばらくすると、再びおかんが出て、
「いてると思ったら、どっかいったみたいやわ」
というので、
「名古屋の●●やけど、覚えてる?」
「名古屋の?………ごめん、わからへんわ」
「ええねん。今日、やってるよね?」
「やってるよ」
「ほな大将に、今日、行くわっちゅうて●●から電話があったっちゅうといて」
と伝えて電話を切る。
 
よく利用した頃は、必ずといっていいほど、"天かす"を買い求めた。
友人知人からも頼まれるようになり、一度に1kg入りを5袋とか持ち帰ったこともあった。
焼きそばやお好みに使うのはもちろん、特製の"天かすふりかけ"は嫁もこども達も大好物だ。
名古屋で手に入る天かすでは、どうにも物足りないので、多少の回り道をしてでも、美味しいうどんと嬉しいお土産のために立ち寄ったものだ。
 
店について、大将に挨拶をしていると、おかん登場。
 
「あー、もう、天かすっちゅうてくれたらすぐわかったのに」
「あー、電話でね、もしもし、天かすですっちゅうてね…いえるかいっ!」
 
おかんには、名古屋の●●…ではなく、天かすを買っていく客として認識されていたようだ。
 
席について注文を終え、懐かしいうどんを待つ間、
「折角やから、おかあちゃんがまだ生きてた証拠に写真撮って嫁とこどもらに見せるわ」
とカメラモードのiPad構えると、
「いや、そんなん恥ずかしいわ」
といいながら、
「ほな、これと一緒やったらええね」
出汁の入った徳利と一緒だったら大丈夫という理屈は全然わからないが、まあ、いい。
「もう、お子さん、覚えてへんのとちゃう?」
と聞くので、
「覚えてると思うで。おかあちゃんは覚えてくれてへんかったけどな」
「せやから、天かすっちゅうてくれたら思い出すのに」
「どんだけ天かすなイメージやねん」
 
嫁にLINEで
“桂ちゃんにきてる”
と送ると、すかさず
“天かすーーーーーっ!”
“買ってきてーーーーーっ!”
 
どんだけ、天かす、天かす言われる日やねん。
もちろん、今日も1kgの天かすを土産に買い求めた。
 
聞けば70になった桂ちゃんのおかん。
まだまだ元気で頑張ってほしいものだ。
次は、
「もしもし、天かすです」
って電話してやらないと。
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