2回
2014/10 訪問
ひさびさの広尾本店
外苑西通り(都道418号北品川四谷線)広尾橋信号交差点を北進(西麻布方面)すぐ左手、東京メトロ日比谷線広尾駅②出口を出て左に約50m進んだ左手。
お洒落な街というイメージが強い広尾…それも広尾橋の交差点スグ近くで、焼き鳥を焼いている店が、どすこい酒場玉海力広尾本店。
東京が久しぶりということもあるが、銀座店を利用する機会が多くて、広尾本店はご無沙汰。
いまは銀座店に移った店長が広尾本店の頃に「こちらにも来てくださいよー」とよく言っていたが、来てみたら当人がいなかった。
開店間もない18時前に入ったので、最初は貸切状態…内覧写真撮り放題だった。
最初に来たのは15年ほど前になるのか。
内装が大きく変わったとは思わないけれど、内容は常に変化しつづけているなあ~と思う。
そういう努力が、常連をはじめ、多くの人に愛される理由なんだろう。
まずはビールで乾杯。
口取りの"名物!牛もつの煮込み"は相変わらず美味しい。
この二口、三口というところが、まるで食前酒のように食欲を刺激してくれるのだから面白い。
"名物!どすこい力士味噌"は、通販用の製造が間に合わないという人気商品らしい。
今回はノーマルと辛口の二種類をもらって食べ比べ。
辛口といっても、そんなにハードな辛口ではなく、酒のあてに丁度いいといったところ。
おもしろいことに、こちらも食べ進めると段々箸…というか手が止まらなくなる。
福井名物の鯖の浜焼きを彷彿とさせる"鯖の串焼き"は、脂がしっかりのった鯖をじっくり備長炭で焼き上げてくる。
これを美味しいと思わない日本人はいないのではないかといった味だ。
以前は純米吟醸だったオリジナル酒"玉海力"が純米大吟醸になっていた。
これがクイクイ飲めてしまって、あてとの相性もいいのでちょっとヤバイ。
"本日の旬の刺身盛り合わせ"、"こだわり卵の出し巻き玉子焼き"…あてと楽しい会話があると酒が進む。
いよいよメインイベント、"ちゃんこ鍋(塩)"の登場。
ちゃんこ屋も少なくない程度には食べ歩いたと思うけど、ここの塩ちゃんこより美味しいちゃんこ鍋は遭遇していない。
丁寧に拵えられたスープは納得の一品だと思う。
ともすると、東京の塩味は強すぎる嫌いがあるけれど、こちらはバランス重視で調整されているので、食べ飽きさせない。
最後にチャンポンを入れて、〆もばっちりだ。
これはここでしか味わえないなあ。
今日の旬の刺身盛り合わせ
ちゃんこ鍋(塩)
ちゃんこ鍋(塩)
ちゃんこ鍋(塩)
名物!牛もつ煮込み
玉子焼き
鯖串焼き
名物!どすこい力士味噌
玉海力 純米大吟醸
店長の杉ちゃん
店の前では焼き鳥が
どすこい酒場玉海力 広尾本店
2017/09/25 更新
1996年に創業した玉海力の旗艦店である広尾本店。
広尾五丁目再開発のにより立ち退き、閉店ということになった。
広尾界隈といえば、出店予定を立てても物件探しに1年以上費やすことも珍しくない人気地区。
当初、立ち退きに提示された期間はわずか半年だったらしい。
到底移転先など見つかるわけもなく、立ち退き交渉は難航が予想されたが、結局9月末を持って閉店という決断に至ったようだ。
すでに武蔵小山、銀座、赤坂と都内に3店舗、海外に2店舗を展開していることもあり、広尾本店は移転ではなく閉店ということにしたそうだ。
初めて訪問したのは2001年頃。
ひょんなことから玉海力こと河邊社長と知己を得た。
初対面は名古屋だったが、早速広尾本店に出向いてみた。
塩ちゃんこが気に入って、当時、東京ベースで仕事をしていたこともあり、それから数回利用させてもらった。
2011年に銀座店が出来てからは、専ら銀座店を利用するようになったが、個人的には名物女将(玉海力の実母)がいる広尾本店がお気に入りだった。
名古屋ベースとなり、なかなか顔を出すことも難しくなったが、閉店すると聞いて出向かないわけにはいかない。
東京出張に合わせて立ち寄ってみることにした。
こちらはすっかりセンチな気分になっているのだが、玉海力も女将も元気なものだ。
まさに青天の霹靂、どうしようかと悩んだ時期もあるけれど、決断してしまったら感傷に浸っている場合じゃない。
目の前にある現実に立ち向かっていくしかないという玉海力の言葉は逞しい。
心配していた女将も銀座店に出るようで、
「これからは銀座の女」
とこちらも明るい。
定番の塩もつから、名物どすこい力士味噌を使ったどすこいもろきゅうと昔からの定番に加え、焼き鯖串、トウモロコシの天ぷら、シシャモの稚魚の唐揚げといった新しいメニューまで堪能。
計算外だったのは、こちらも玉海力も大いに盛り上がり、中高年3人組で2升ほど純米大吟醸玉海力をやってしまったことだ。
元とはいえ、相撲取り相手に飲み比べをしてはいけない。
個人的には塩ちゃんこ押しだが、玉海力の薦めで〆はキムチちゃんこ、最後は雑炊で。
いまさら料理に云々というまでのことはない。
これからは銀座で愉しませてもらおう。
最大の問題は、この日は日帰り出張。
最終電車に合わせ、店前でタクシーを拾い、JR品川経由で名古屋に戻ったのだが、新幹線の中では略略爆睡。
それなりに最後の思い出になった。