3回
2017/01 訪問
寒い夜は塩ちゃんこ
歌舞伎座がリニューアルされてから、ライトアップされているのを見るのは初めて。
リニューアルに際してはいろいろと取り沙汰されたが、なかなかいい。
ひさびさの東京ということで気心に知れた仲間と一杯やることにした。
15年来の知己でもある元玉海力関の店で集まることに。
基本的に友人知人の飲食店はレビしないことにしているがこちらは例外。
時期が時期だけに満員御礼のようで、店は活気づいている。
三原橋交差点を見下ろせる窓際の特等席を用意してくれて、なかなかのロケーション。
いましがたしみじみと見上げていた歌舞伎座が眼下にある。
一昨年の2月以来だから、約2年ぶりの玉海力銀座店。
エレベーターを降りると小型の土俵が出迎えてくれる。
まずは生ビール。
こちらの生ビールはエビスビールなので安心。
やや遅れてやってきたオーナーである玉ちゃんこと元玉海力関にオーダーは任せる。
口取りは牛モツ煮込み。
グランドメニューにもあるが、ファンが多い一品。
旬の刺身盛り合わせは三人前。
烏賊、真鯛、中トロ、鮪赤身、かんぱちに平目。
平目には縁側も。
焼人のお任せ盛りは焼き鳥が8本。
ここで玉海力 純米大吟醸。
冷えた竹筒の徳利に、竹の猪口が定番。
北海道産白子 天ぷら、焼き鯖串、[b:]
酒肴とともに酒量も上がる。
ちゃんこ鍋は塩味で二人前。
かなりボリュームがあるので、中高年とはいえ、野郎6人で二人前でちょうどいい。
国技館周辺をはじめ、ちゃんこも結構食べ歩いたが、ここの塩ちゃんこに一等賞の称号を授与している。
そうなると、"原則として友人知人の店は対象外"とはいえ、アップしないわけにはいかない。
胡麻も入っているのだが、テーブルに用意されたすりゴマをたっぷり入れると何ともいえない。
油っぽくなく、あっさりとした出汁が具材を引き立てる。
最後にちゃんぽん麺を入れてしめる。
しっかりとした生麺で、いい感じに茹で上がるまで4~5分を要するが、これが美味い。
唐灰汁麺ではないが、かなりいいちゃんぽん。
これに石蓴を入れると、これまたいい。
今回も満足。
2017/01/23 更新
2012/05 訪問
堂々の"玉海力 銀座店"
三原橋交差点南角、デュープレックス銀座タワーの8階。
晴美通りと昭和通りがクロスする交差点には、ご存知新生なった歌舞伎座がドーンと。
ロケーションはいいのだけれど…ビルの入口が交差点の西側にあって、ややわかりにくいのが残念とは玉海力談。
エレベーターを降りると、ミニチュアの土俵が迎えてくれて、雰囲気を盛り上げる。
フロアにはむさ苦しい男共が…まあ、ちゃんこだからねえ。
客あしらいもそつなくこなす美形の仲居よりは雰囲気だろう。
現役時代に巡業で日本各地の美味を堪能し、その経験を活かして引退後、"どすこい酒場 玉海力 広尾本店"を開業。
夏場は客足が激減するのでどうしたらいいか等々、試行錯誤の末、都内に三店舗を展開するまでに成長。
さて、夏場の冷製ちゃんこ等、ユニークなアイディアでちょくちょくメディアに取り上げられたりもするけれど、基本的に料理に対する姿勢は真面目だと思う。
いや、飲食店なんだから真面目は当然…というかも知れないが、伝わってこない店も少なくない。
ビールはエビス、日本酒は純米…大吟醸なんていらないのだ、普通の純米か純米吟醸でOK。
通しの牛すじも楽しみの一つ…まずは胃袋を刺激しつつ、ビールを一杯。
キンキンに冷やされた青竹で供される日本酒は風情があっていい。
お薦めの向付からはじまり、名物の力士味噌で日本酒をじっくり。
自慢の塩ちゃんこは、あっさりスープに胡麻の風味がフィットして、女性でも箸が進む。
ちゃんこ鍋のCPというのは比較が難しい気もするけれど、誰を連れていっても喜ばれる塩ちゃんこは、家庭で再現というわけにいかない。
いろいろとちゃんこ鍋店も訪れているが、クオリティーはかなり高い方だと評価している。
そもそも、ちゃんこ鍋そのものに定義があるわけでもなく、力士が食べればちゃんこ鍋。
それを料理として評価できるレベルまで昇華しているのだから。
個人的には、ちゃんこを堪能した後で投入されるちゃんぽんが気に入っている。
2016/12/29 更新
三原橋交差点を見下ろす角地のビル8階。
銀座四丁目方面には和光の時計台。
昭和通りは京橋方面、そして眼下には歌舞伎座。
いつも特等席を用意してもらえるが、あらためてロケーションの良さを感じる。
超高層建設が増え、高ければいいという風潮もあるけれど、こういう高さもいい。
まずはヱビスビール(生)で乾杯。
キンキンに冷えたジョッキではビールの本当のおいしさが云々という説もあるが、いかにも冷えていますという感じがするのも事実。
・谷中生姜とエシャロット~辛口力士味噌~
・長崎産アオリイカの刺身
・ししゃも稚魚炙り
・鯖串炭焼き
・本鮪のジャーキー
ししゃも稚魚炙りは、本柳葉魚の稚魚。
炙りとなっているが、煎ったか干したような仕上がり。
前回、立ち退きで閉店することになった広尾本店に出向いた時も出会った。
他の小魚よりあっさりとしているが酒肴に向いている。
本鮪のジャーキーも、食べたことのない味わい。
食感は柔らかめのエイヒレといった感じで、味わいもエイヒレやさきいかに似ている。
だが最後に鮪の風味が鼻腔を抜ける。
これはおもしろい。
酒は玉海力 純米大吟醸。
前回は広尾本店のラストということもあって野郎三人で二升も飲んでしまい、さすがにベロベロ。
今回はセーブしつつ…というのは最初だけで、気がつけば何杯目かわからなくなっている。
梅雨の晴れ間。
時刻はとうに19時を過ぎているが、まだ空には明るさが残っている。
最早鍋の季節ではないなどということは、言われるまでもなくわかっている。
すると、一人が「そこで敢えての鍋でしょ?」と訳のわからないことを言いだし、よせばいいのに
「いきましょか?」と相槌を打ってしまう。
これだから酔っ払いは困る。
ちゃんこ鍋(キムチ)。
これにチャンポンを入れ、最後に雑炊まで。
平均年齢54歳の中高年三人組にしては頑張ったほうだ。