レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2018/08訪問 2018/09/02
行きたいウォッチリストに開店当時から入れっぱなしにしていたお店にようやく行ってきた。今年の二月末に行ったら臨時休業を踏んでしまい、半年ぶりのリベンジに向かったが結果は評点通りで2018年の新規訪問店ではNo.1の有力候補に違いない。
お好みまでをも指定するタッチパネル式の券売機が置かれていて、これの存在にはさすがに慣れたものの操作はやはりイマイチ苦手。購入したのは醤油ラーメン(700)と海苔(5枚100)でお好みは硬めと初めての店では自分には珍しく多めも指定。
着席すると細麺と太麺が選べるとの案内があったので、迷わず太麺を選択した。厨房には大寸胴が2本と一製麺の木箱。「一製麺」はおそらく「にのまえせいめん」と読むのだろう。麺の茹ではテボで行われている。卓上の味変のポッドにはニンニクと豆板醤に加えておろしショウガも置かれていた。他にお客さんは居なかったが待ちはやや長め、その理由が麺にあるのは弘明寺店で経験済なので楽しみに待つことができた。
果たして三年以上前に食べた弘明寺店を上回る感動で、出汁フェチ&旨味フリークの私は大満足。重厚なトンコツが強固な基礎を支える上には、しつこいとすら思えるまでの旨味が深遠な層を築き、まろやかな醤油ダレと多め指定でも全然くどくない鶏油が舞うこのスープ、文句なしに旨い!そして美味い!食べている時には気付かなかったが、後味には魚介系かと思われる旨味が口内にしっかりと残る。自分にとっては最も良い時の「ありがた家」に匹敵する魅力的な味わいだ。余りの旨みの深さに夢中になり過ぎて、好きなおろしショウガを投入するのも忘れて気付いたらスープは完飲してしまった。もっともこのスープにショウガを投入したら台無しになると思うが・・・。
弘明寺店と同じわずかにウェーブを感じるかなりの太麺は、ワシワシ感はあるものの強いコシと弾力が魅力的で、同じ太麺でも資本・産業系の麺にありがちなゴワゴワ感やネットリとしたいやらしい粘りは皆無だ。茹で時間が硬め注文の割に長いのは、この個性的すぎる麺ならではというところだろう。
やや肉臭さを残すもののスープとの同化具合に優れたチャーシューは薄めながら強めの食感を残すため、量的には少ないと感じるが充分に満足した。
ほうれん草だけが量・味共に物足りないのが残念。冷凍品かも知れない。これが改善されたらもっと高得点をつけてしまうだろう。ネギは小ネギだろうか?適量で時々スープの中で薬味として主張してきた。
海苔が良い。スープに負けない強度で味も風味も強く主張してくる。この季節ゆえパリパリ感こそないもののグレードはかなり高い。増しの5枚100円はこれなら納得できる。
食べ終えて、少しだけご店主と会話させてもらった。特徴的な麺についてお尋ねしたら、やはりお奨めは太麺だが食べにくいとの声もあるとの事で、細麺も使うようになったとの事だった。それと二月の臨時休業はなんと骨折されてしまわれたとの事で、丁寧に謝罪していただきかえってこちらが恐縮してしまった。
実は店に到着したのは午前11時5分過ぎ頃だったのだが、シャッターは閉じられたままだった。また臨休を踏んでしまったのかと不安に思ったが店の中から音が聞こえてきたので、外のベンチに座って一服していたらやがて店が開いた。食べ終わって席を立った時にも謝罪してくれて再度恐縮。過日の高評価にあぐらをかいた弘明寺のT家とは大違い(←しつこい?)の気さくで丁寧な接客に好感を持った。
もうずっと行っていない弘明寺店にもう一度行こうと思ったし、ここと同じく濃いトンコツと間をつなぐ隠れ魚介出汁が秀逸なありがた家にも久々に行ってみたくなった。このスタイル、かなり好きみたいです。
2位
1回
2018/03訪問 2018/03/13
中川家さんを出て、せっかくここまで来たからにはもう一軒とスマホで検索したところ、自分にとってはかなり難易度が高く、評判の良いこちらを発見。多分人生で二度とないであろう相模川に掛かる橋を徒歩で渡るという経験をした。この湘南銀河大橋はかなりの高さなので、今日は穏やかだったけれど風が強いと徒歩で渡るのはかなり怖いと思う。渡っている途中に振り向いたら薄っすらと富士山が見えた。
お店は、口頭注文・後払い方式でラーメン(650)と海苔(7枚100)を硬めで注文し厨房を窺うが、時折かなりハッキリしたトンコツ臭が漂ってくる。麺箱はダンボールで製麺所は不明だが、麺の茹で上げは平ザルで期待が高まる。味変用のポッドにはおろしショウガも置かれている。
配膳待ちの先客も居られたが、ご主人の調理は手際良く全くストレスを感じない待ち時間でドンブリが置かれた。マイレビュアの皆様も恐らくそうだと思いますが、殆どの場合に置かれたラーメンを見た瞬間に美味いかどうか判るのではないでしょうか?
このラーメンが眼の前に置かれたときに、コレは美味いに違いないと思ったし、そして実際にそれは無茶苦茶に美味かった。際立つものは無いけれどスープを構成する三大要素、醤油・鶏油・出汁(底辺と中盤)の総てが絶妙に絡み合いお互いを引き立てあっている。スープはサラサラ、温度は熱々で量もしっかり入っているのも好感が持てた。自分が経験したお店の中では、東京葛西の「巓」さん、横浜市旭区西谷の「丸一」さんなどに匹敵する高バランスのクラシカル型スープだと思った。
スープが極上すぎて個人的には後はどうでも良い(暴言?)のだけれど、麺は弾力とコシのある平打ち麺で、スープとの相性は悪いとまでは言えないが、もう少し小麦感が感じられれば尚良いと感じた。
チャーシューはバラ肉だろうか、赤身が多くかなり柔らかになるまで煮込まれていてスープとの同化具合に優れて丁寧に作られたのが伝わってきたが、大きさ・厚さは物足りなくて残念。もう少し味わいたかった。ほうれん草はやや少なめでくたびれ気味に感じたが味はしっかりして、ネギは適量で上品なスープの上で薬味として働いていた。
海苔は風味・味・厚み共に優れ、このグレードでの増しが7枚100円というのは嬉しい。麺をこの海苔で巻いて食べるのが最高に気持ちよかった。
再訪する事はまずかなわないロケーションだが、味にもコスパにも優れた品を頂くことが出来て、今日はとても嬉しい気分になれた。
3位
4回
2019/11訪問 2019/11/24
訪問したのはレビュー済の江戸川区小岩の作田家の前日だし、何回目の訪問なのかも覚えていないからレビューするまでもないと思っていたけれど、せっかく写真を撮影したし思えば初めて夜の部に訪問したので、備忘録的に残しておくことにした。
自分の経験ではラーメン店は朝一の出汁が一番美味いと思っているのだが、お気に入りのひとつのこちらの夜の部はどうだろうか興味があった。
結論は、昼の部と変わらずほとんどブレていなかったが、この日は気持ち塩分が強めだった。そのため、いつも増量するほうれん草は標準のままで、ライスを付けたのが丁度良かった。
人に飲食店を紹介するにあたって、いつでも同じ味で提供してくれるかどうかはとても重要。正直、今自分が、いつ行っても安心できる家系ラーメン店として六角橋の末廣家とこちらは双璧となっている。行列ができるほどの人気店ではないけれど、今の横浜家系ラーメンを代表するお店の一つであるのは間違いないと思う。
今日は少し涼しくなったので相棒さんとふらふらと散歩。そして「久しぶりに家系ラーメンが食べたい」と言うので、勝鬨家、寿々喜家(曙町)、せんだい、黄金家と列挙しこちらを選択。徒歩圏に美味い店があり過ぎちゃって困りますねえ~(← イヤミですみません)
ラーメン本体は710円に値上げしていたが、美味さは抜群に安定していて黄金色に輝くスープは健在、そして圧倒的な存在の生ほうれん草も。
ここのところ期待して出向いた店でガッカリすることが続いたので、留飲を下げる思いだった。
我が家の定例イベント土曜の昼呑み後に相棒さんが「ラーメン食べたい」と言うので、厭々付きあいました。厭々ですよ。一週間は7日しかないのに、ついに8杯目ですからね。
注文は硬め・多めに海苔増し、ほうれん草増し。開店当初にもらったサービス券が有効期間内なのでほうれん増しが無料なのが有り難い。
前回の訪問時を遥かに上回る粘度も強めに出ている濃厚なスープに、生ほうれん草の圧倒的な存在感。前回はサラダほうれん草だったが今日は通常のほうれん草だから渋みもエグミも強かったけれど、それを受け止めるスープは確実に変貌を遂げていた。
前回はロース肉だったチャーシューもスモークなモモ肉2枚に変更されていた。この店のスープにスモークは合わないと永楽家時代から言い続けてきたけれど、今日のスープの濃さなら全く文句なし。永楽家時代も通して今日は最も濃厚なスープだったと思う。驚愕の一杯をいただきました。厭々だったけど、美味かったなぁ。
先週、ラーメンばかり食べ過ぎたので今週は食べないと誓ったばかりなのに、某ラーメンサイトで紹介されていた新店が気になって、家から徒歩圏という事もあり結果嘘をついてしまいました。
先週オープンしたばかりの新店ということで、味やサービスの安定まで時間が掛かるのでは、との不安もあったがとにかく行ってみた。結果を先に書いてしまうと、全く予想もしていなかった驚愕の事実を知ってしまった。
店に入って右側に券売機があるが、最近ありがちな塩味とか味噌味とか、そもそも本来的には家系ラーメンとは呼べない余計なメニューが一切ない。なので券売機の左上の並ラーメン(680)と海苔(5枚80)を押せば済む潔い設定が気持ち良い。
カウンター席に座り、いつもの硬めオーダーを伝えると開店サービス期間中のトッピングサービスが付くとの事で、入店直前にいただいたビラ(写真参照方)に従ってほうれん草(100相当)を付けてもらった。
続いて厨房内を窺うが、麺箱は長多屋製麺。特大・大・中の寸胴がそれぞれ1本ずつ見える。そして麺茹では何と平手ザルで行う本格派で、卓上には緑色の行者ニンニクとおろしショウガのポッドが置かれている。店構えやビラに印刷されたラーメンのスープの色からは想像もできない本格派の光景が次々と見えてきて、この店一体どんな店なんだ?と大いに好奇心が刺激された。
そして目の前に置かれたドンブリを見てまたびっくり。写真でも判ると思うが、何と生ほうれん草が載っているのだ。ここまで書けば、横浜市内の家系好きの方ならこのお店の正体がうっすらと浮かんでくるのではないだろうか?
スープにはトンコツと鶏の確かな旨みが存分に感じられ、微かな甘みと強すぎない醤油としっかりした鶏油の風味が舌と鼻腔を刺激してくる。僅かに粘度も感じるこのスープを飲んで「これって惜しまれつつ閉店してしまった伊勢佐木長者町の永楽家と同じ味じゃないか!?」と瞬時に記憶が呼び起こされた。
話は前後するが食べ終わって店外の灰皿で一服していると、たまたまお店のフロア担当と思われる女性が外から帰ってきたので、率直に質問してみた。
「もしかして、このお店って永楽家さんと関係ありますか?」
「あ!判ります?実は作っているの同じ人なんです」
「やっぱり!行者ニンニクや生ほうれん草も使っていますしね、判りましたよ」
との会話をして、自分の味覚と記憶が意外にも信用できることが判って嬉しくなってしまった。
話を戻すと、麺は食感がプリプリ、表面はツルツルしたもので硬め注文で正に自分の好み通りの仕上がりとなっていた。最後に食べた永楽家時代の麺と同じだとは思うが、仕上がり具合は今日の方が魅力的に感じた。
かつて永楽家時代にはスモークチャーシューが載っていたこともあったが、この日のものは比較的ありきたりのロース肉でパサパサ感が生じる少し手前で留まる食感だった。かねてからこのスープにスモークチャーシューは合わないと思っていたので、この選択は個人的には賛同出来るが、サイズが小さ目なのとスープとの同化加減はもう一歩というところだった。
さて、驚きの生ほうれん草だが、何しろ生だからとにかくしゃきしゃきの食感が魅力的で、特有の渋みやエグミも感じられるが、それをトンコツと鶏が効いたスープで流し込むのが大変気持ち良い。ありがちな、くたびれた冷凍戻しのほうれん草では味わえない醍醐味である。一方、ネギは少量の為、たまに存在を感じられる程度の役割に留まっていた。
海苔はやや小ぶりなサイズでパリパリ感はないものの強度・風味・味共にしっかりしていて満足度は高かった。
今年の1月に食べに行ったら既に永楽家のシャッターは閉じられ、A4サイズにも満たない小さな貼り紙が閉店した旨を伝えていて、とても残念に思った事を思い出した。今度のお店は駅から近いし、黄金町~阪東橋界隈の飲み屋街にも近い恵まれたロケーションだと思う。家系ラーメン店だけでも相当数のライバルが存在しているが、この味なら十分にやっていけるのではないかな。
なお、採点は好きだったお店の復活を記念してちょい甘くつけてしまいました。
4位
1回
2018/11訪問 2018/11/14
今日、我が家の相棒殿は仕事帰りに同僚と食事に行くとの事で、夕食の支度をしなくて良いから自分には少しだけ難易度の高いこちらのお店に行ってきた。奇しくもほぼ一年前の11月12日にはこの屋号の鴨宮店を経験している。行きは相鉄線で湘南台駅まで行き、そこからバス利用した。開店10分前位に着いたので店の前の自販機で缶コーヒーを買い、店外に作られている喫煙スペースで待たせていただいた。店の裏には大橋製麺多摩の麺木箱が積まれていた。
醤油とんこつラーメン(680)と海苔(5枚80)を購入し硬めで注文。ラーメンの価格は一年前から10円値上げしたようだ。大寸胴は2本、茹ではテボで卓上には行者ニンニクやおろしショウガもラインナップされている。
最初にスープを必ず2口は飲む自分にとって、このお店のラーメンはレンゲでスープを掬うのに苦労する。それはスープが少ないからと言えなくもないが、実は麺が多いのだ。実際に海苔で麺を巻いて、いつものペースで食べ進んだら海苔が先になくなってしまった。もしライスを付けたならダブル増しも有りだと思う。
苦労して掬った最初の一口が直系店ばりに芳醇な醤油がガツンときてびっくり。出汁もしっかりと下支えしているし、鶏油の風味も良くてすぐに夢中になってしまった。重たさという視点では、あともう一歩というところだが醤油も出汁も鶏油も家系好きなら納得の濃厚ぶりだと思う。スープ温が最後まで熱々を維持したのも素晴らしかった。ちなみに油は”脂”の文字が使われており、次に来ることがあれば「脂多め」といきたい。
中太平打ちの大橋多摩の麺は勝鬨家で使われている品によく似ていて、弾力は酒井製麺の直系麺には劣るものの硬めオーダーでしっかりしたコシがありスープとの絡み具合も相性も極めて良好。そして最初にも書いたように麺量が圧巻!の一言。
パサパサ感が出る直前のロース肉のチャーシューは厚み・面積共に申し分ない。強い歯応えで若干の肉臭さが残っているので並みの家系ラーメンだとこのチャーシューは浮いてしまうところだが、強力なスープが背後に控えているから全く気にならない。スモークされたモモ肉だったらどうだろう?と、どうしても想像してしまうがこのロースでも充分に存在感がある。そして美味い。
ほうれん草もネギも多めに載って共に役割りを存分に果たしている。ほうれん草は食感が良いだけでなく適度のエグ味でさえもがこのスープの中にあっては丁度良い箸休め的な位置づけになってしまう。一見すると青みが強くて薄そうに見える海苔は実はスープに殆ど縮まず磯の風味が感じられて、芳醇なスープに併せても全く埋没せず遜色もない優れものだった。
せっかく、行者ニンニクやおろしショウガが置かれているのに、興奮し過ぎて気付いたら味変するのも忘れて完食・完飲してしまっていた。一年前に鴨宮店には3.8を付けたけれども、こちらに4点台を付けるのに迷いはなかった。
ある意味このお店の前身にあたる「まつり家」にはついに行けなかったけれど、その跡を引き継いだだけの事はあるんじゃないかと思う。マイレビュアさんの間では評価が割れているけれど、おそらく開店当初の味からはだいぶ変わったんだろう。量にも質にもコスパにも大満足した。
5位
1回
2018/12訪問 2018/12/28
本日はマイレビュアさんの情報を得て金沢八景の店に行こうかとも思ったけれど、先日食べた西村家がドロドロのデロンデロン系だったから二杯続けるのはしんどくて、新規開店当時に家系ファンの間で評判になったこちらのお店を訪ねることにした。
朝型の生活をしている自分にとっては午前10時から営業しているのは大変有り難いことで、NHKの朝ドラを見終って即出発。到着までほぼ1時間半は、ちょっとした遠征という感じだ。
開店直後の一番客で、券売機でラーメン(680)を購入し海苔のボタンを見たら5枚で50円とあるので思わず2回押してしまった。という訳でダブル海苔増しの硬めでお願いする。さすがに朝10時からラーメンを食べる人は少ないと思いきや交通量の多い幹線道路が近く、物流拠点も多そうな場所だけあって直後にお客さんが次々に来店してきた。
大寸胴は3本で内2本に火が点いている。麺木箱は長多屋製麺で茹ではテボ。広い厨房でご店主とサポートの女性がのびのび、てきぱきと働いているさまは見ていて気持ちが良い。この日の一番ドンブリなので待ちは短かった。
スープの第一印象はトンコツ感が太いことだ。「濃い」のではなく「太い」という表現が自分では最も納得できる。その太い出汁の上で、若干しょっぱめの醤油と、風味が良く甘みもある鶏油がしっかりと主張してくる。美味いよ、コレ!
硬め注文で気持ちもっそり感があるも程よいコシと弾力の麺はスープとの相性が抜群に良い。
ロースのチャーシューは歯に挟まるクラシカルなぼそぼそスタイル、味はしっかり染みていてスープとの同化具合はほどほどだが、相性は到って良好。苦手な人も多いスタイルかも知れないが自分はかなり好きだ。
ほうれん草は少しくたびれ気味ながら味は濃く食感が良い。だが醤油が強いのでもう少しエグミが出ていればもっと嬉しかった。ネギは多めで薬味以上、具未満の絶妙の役割りだった。ウズラは味がしっかり、味付けもよくスープとのバランスが良くて同じ壱六家を出自とするセントラルキッチンの店舗の品とは明確な違いが感じられた。
海苔は風味・味ともに良いがパリッと感がなかったのが少し残念。でもスープには余り縮まなかったしこのグレードで増しの5枚50円はコスパ抜群と言えそう。さすがにダブル増しの13枚は、最後は余ってしまったのでスープに浸して食べた。今年最後の連食にチャレンジするつもりなのでライスは付けなかったが、このスープにはライスが似合うだろう。
味変用品にショウガ類がなかったので、胡麻を投入することで香ばしさを加えたが、この太いトンコツ感と濃い醤油感には是非にもショウガが欲しかった。
壱六家の屋号の各店舗には結構なバラつきがある印象だが、こちらのお店は磯子の壱六家本店にも匹敵する美味さだった。醤油感の強さはむしろ上回っているかも。
6位
1回
2018/02訪問 2018/02/08
このお店に行くという目的以外では絶対降りないであろう駅に、もちろん初めて下車。過去にクルマを持っていた頃でもこのエリアを走ったことはないけれど、地図で見るほどには歩いてみて遠くは感じませんでした。
ラーメン(700)と海苔(7枚100)を購入し硬めで注文。麺箱は酒井製麺、茹で上げは平ザル、大寸胴で出汁と鶏油をばっちり摂っている。真面目にきちんと作っているのがビシビシと伝わってくるが、かつて(20年位前)の本店のようなトンコツ臭は殆ど感じない。待ちは短くて5分程度。
トンコツ感は控えめで、むしろ鶏感が全体を支配していて醤油がバランス良く乗っかっている。醤油が前面に出るタイプや重量感のあるトンコツが支えるタイプとは異なってインパクトはないけれど文句なく美味い。全体を引き締めているのがバッチリ黄色い鶏油で、風味が鼻腔と口中に拡がってくる。鶏油は普通注文の割には多めなのだが、全くしつこくもくどくもなくて、きちんと作っている店は結局きちんと美味いのだ。
麺は酒井製麺らしさが発揮されて、弾力が強く食べごたえがしっかりある。このスープと麺なら具はなくても構わないとすら思う。こういう感想を持ったのは家系ラーメン店では初めてだと思う。
肩ロースと思われるチャーシューは食感がしっかりして、味付けはやや薄味。この系列では伝統的なチャーシューで、これはこれで美味しいとは思うけれど、スープとの一体感は余り感じなかったので、一つの料理としてのバランスを崩しているとまでは言えないもののベストマッチングとは言い得ないように感じた。
ほうれん草は、まだまだ葉もの野菜が高額なせいか少なめだが、味は濃い品を使っていたので品質にはこだわっている事が理解できた。黒くてしっかりした海苔は濃い味で、麺やほうれん草を巻いて食べるのが嬉しくなる良品だった。増しの7枚100円は、時勢を考慮すれば十分に価値がある。ネギは薬味として機能していた。おろしショウガを中盤に投入し爽やかさが加わったスープもまた美味しかった。
ここの本店は自分にとって思い入れのある店なのだが、良く言えば現代的に洗練され、代わりにかつての荒々しさが消えたと思うのだが、本店に最後に行ってからは既に3年も経ってしまったので、そろそろ再訪してみたくなった。
7位
1回
2018/04訪問 2018/04/06
三週間ぶりのレビューですが、多くを語っても仕方有りませんので、人生色々あるという事で…
開店の20分以上も前に着いたにも関わらず既に先客が一名居られるし、自分の後ろには(女子高生風ならぬ)女子大生風美女のお一人様客までもが並んでいて、かなり人気が高いようだ。店外には、醤油の焦げる芳ばしい香りが漂ってきた。
券売機でラーメン(700)と海苔(5枚50)を購入し、いつものように硬めでお願いした。麺箱には朱色の酒井製麺の文字が見える。この麺どうやって仕入れているのか?物流はどうなっているのか?製麺所から遠く離れた店に行くといつも疑問に思う。メインのご担当が丁寧に麺をほぐして寸胴に投入している。麺の茹で上げは平ザルで行う本格派だ。
結果的に開店と同時に6割の入りとなったが、最初の製造ロットで硬め注文のため、この日の一番丼にありつく事が出来た。
極端に強くはないもののしっかりとしたトンコツ感が底辺を支え濃い醤油ダレが乗る。鶏油は気持ち多めで風味はほどほど。なかなかしっかりした家系スープだと思う。濃厚スタイルのバランス型というところだろうか。
麺は縮れが強めで、あまり酒井製麺らしいモッチリ感は強くはない。それは、麺が短めで一度に口内へ運べる量が少ないから、そう感じるのかも知れない。
チャーシューは分厚く、面積も広いかなりのボリュームで、普通の店なら3枚分、ショボい店なら5枚分以上に相当しそうな量。トロける食感と濃いめの醤油味はスープとの相性と同化具合に優れているが、ややチャーシュー側の味付けが勝っている印象。それにしてもこの価格でこのチャーシューは凄い!
ほうれん草の量は気持ち多めで鮮度が高く、食感は良いし味も濃い。
海苔がまた良い。厚み・色・味・風味の全てにおいて申し分がなく、醤油がしっかりしているスープに全く負けない品だった。増しの5枚50円はお得感があると言えそう。
なるほど、評価の高さにもうなずけるクオリティーに感心した。家系の本場、横浜でも通用しそうに思えた。なお、醤油が強めなので、おろしショウガがカウンターにあればなお嬉しかった。
ちなみに、金閣寺って世界遺産だけれども国宝には指定されていないって、今日、初めて知りました。
8位
1回
2018/02訪問 2018/02/01
750円でも高いとは思わなかった、こだわりの手作り感がある家系ラーメン
横浜駅西口の金融機関等で様々な用事を済ませたら11時前。なので今日は11時半開店のこちらのお店に狙いを絞った。ラーメン(750)と海苔(5枚100)を硬めで口頭注文した。カウンター席に加えて掘り炬燵風のテーブルが2卓あって、ちょっと飲んで〆にラーメンをというお客さんも迎えられるようにとドリンク類も豊富に置かれている。また、ラーメンの材料については様々とこだわっているようで、スープは無化調であること、奥久慈産の卵・イタリア産ホエー豚・広島産牡蠣などの使用についてメニューに書かれている。麺は三河屋製麺で茹ではかなり深いテボが使われている。大寸胴は2本なので出汁と鶏油用か。卓上に私の好きなショウガ類は置かれていない。
先ずはガツンとまでではないが濃い醤油がしっかり主張してきて、次いで粘度がやや強めの出汁が旨味を伴ってしっかりと支えているのが判る。トンコツは濃いとは感じさせないが重みがあり、鶏感は余り強くない独特のバランスを感じる味わいで、油は適量で風味は強くないが、なかなかインパクトのあるオリジナリティを感じさせるスープだ。湯温は高く量は多めだし醤油が強いのでライス欲求度が高く、ラーメン+海苔だと同じ価格でラーメンセットが頼めるので、ライス無料サービスの案内を頂けたが連食予定なので残念ながらお断りしたがライスとの相性は良いと思う。
三河屋の麺はやや細いように思うが、硬めで程よいコシと弾力が感じられる。この麺とスープの相性はとても良いので、熟考された上での選択なのだろう。スープ同様にこの麺にもご店主のこだわりが感じられた。
自慢のホエー豚のチャーシューは食感は良いが、やや肉臭さが残る品で、個人的にはもう少しスープに同化する濃いめの味付けでも良いように思った。ほうれん草の量は平均よりやや多めながら少々くたびれ気味かつ味は弱めだったが、ネギは表面に見えている以上に量があり薬味以上の役割をしっかり果たしていた。海苔は厚みがあって味・風味とも優れている良い品を使用していた。
チャーシューの肉臭さとスープとの同化加減だけは物足りなさを感じたけれど、店の様々なこだわりがしっかりと味に現れていて一杯750円でも決して高いとは感じさせないラーメンだった。オリジナリティを感じさせるスープではあっても自ら家系を標榜している潔さも好感が持てる良い店だった。
9位
1回
2018/01訪問 2018/01/19
さて「相南家」さんを出て東林間駅に着くまでに自問自答・・・
白の自分「病み上がりなんだし今日は連食しないで素直に帰るべきだろ?相南家さんは美味しかったんだしさ」
黒の自分「いや、このエリアに来るにはそれなりの交通費を掛けてるんだからもう一軒行くべきだって」
白「ま、確かにそれも考えてライス付けなかったというのはあるが・・・」
黒「ほらみろ、最初からその気だったんだからもう一軒行こうぜ!大野で最近評判のあそこで決まりだ!」
別の自分「おい、お前ら、ちょっと待て。町田でチェックしておいた方が良い件があるの忘れてないか?」
白と黒「あ、そうだ、町田のDISK UNIONに行かなくちゃ」
という事で、町田のレコード/CD屋にやってきた。もう少々下手な芝居にお付き合いください・・・
別「えーと、スウェーデンのPeterからオーダーが来てるレコードは。何だよ、在庫あるじゃん。
メールでは行方不明とか言ってきたくせに。ダメだなここの店は!げ、9800円もする。」
白「Peterは$120出すって言ってるんだから買うか。」
黒「待て、ここのところ円高進んでるしネットでの決済手数料引いたら殆ど儲けがないからダメだ。」
白「今後の付き合いもあるし・・・」
黒「いや、12月から既にアイツは$1000近く買っているからカネが続かない可能性もある。
それに今保留にしている$130だっていつ払うか判らない状況なんだから下手すりゃ不良在庫化するぞ。」
白「Peterにもうちょい出せないか聞いてみてからにしようか?」
・・・・
一同「悩んでいたら、なんだか急に・・・ 腹が....減った」(井之頭五郎風)
ということでミュージックショップを出たら何と道を挟んだ反対側に家系ラーメン店を発見!しかもウォッチ済の町田家本店なので迷わず入店してしまった。この屋号は新宿南口店に次いで二軒目だが、かなり美味かった記憶が残っている。購入したのはラーメン(720)と海苔(7枚100)で、何と吉村家とその直系店のようなプラ券だった。このプラスチック製の食券を久しぶりに見た。町田家といえば確か「たかさご家」出身だったと記憶しているが、たかさご家もプラ券だったかまでは定かに覚えていない。それにしても家系で720円はなかなか強気なので、ハズレると失望度合いが大きい。かと言ってランチタイムに小ライスサービスが付くが安易に飛びつくのも連食なので、いつものように我慢することにした。
町田家もたかさご家もご無沙汰なのですっかり詳細を忘れてしまっているが、厨房に置かれた麺箱は酒井製麺で、麺の茹で上げは平ザルで行われていた。一昔前の家系ラーメン店では当たり前のように見られた光景が、今ではすっかり貴重なものになってしまっているが、これはこれで感動的だし期待感も高まるというものだ。
しっかりしたトンコツと鶏が底辺から中盤までを支え、しょっぱいと感じさせる手前で留まる濃すぎずマイルド過ぎない醤油ダレが載り、さらにその上で多めの鶏油が香っている。今日の一軒目の相南家と同系統のスープだが、こちらの方が総合力では上のように感じた。半分ほど食べ進んだ後に好物のおろしショウガを追加投入してみたが、とても良い変化を楽しませてもらえた。
久しぶりの酒井の中太麺はしっかりした弾力があって美味しいけれど、自分が余り麺についてうるさくないというのもあるかもしれないが、最近は他の良くある製麺所との差というか違いが明白とまでには感じられなくなってきているように思う。無論、それで酒井製麺の価値やブランド力が低下しているとまでは思わないけれど、要はスープと麺の相性さえ良ければ自分は余りこだわりは強くはない。
具で特に嬉しかったのが、この冬は調達するのが大変だろうと思われるほうれん草がかなり多めに載っていることで、味も食感もしっかりしている。多めで香る鶏油といい、巷に氾濫する怪しげな自称家系ラーメンとは明らか且つしっかりと差別化ができている。この2点だけで720円というやや高めな設定は許す気になろうというものだ。
チャーシューはクラシックスタイルの肩ロースなので、味付け・厚み・食感共に食べていて驚きは少ないけれど、その反面安心感が得られる。このタイプのチャーシューが一番好きだと改めて思う。
海苔は増して10枚。厚みはやや薄めだが縮み具合は極端ではなく味は強くはないものの風味はそこそこ感じられる品で、連食でなければライスを付けたくなる欲求度合が高まる海苔とスープの組み合わせだった。
日ノ出町と関内のたかさご家には随分とご無沙汰しているので比較できる立場ではないけれど、自分にとっては町田家の方がだいぶ好みに合うようだ。
食後にはミュージックショップに戻るという考えは既に霧散しておりJRの町田駅に向かった。メールでの価格交渉に成功したらまた直ぐに町田まで来ることになりそう。
10位
1回
2018/12訪問 2018/12/25
自分が子供の頃、関東エリアの東海道線と中央線を結ぶ鉄道の中で最後まで電化されなかったのが相模線で、自分が日々利用していた横浜線も相当にボロかったが、相模線よりはマシと気持ちを慰めていたものだ-相模線沿線にお住いの方々には、ごめんなさい-。今では電化もされているので気動車(ディーゼル車)時代を懐かしく思う一方で、沿線の住宅も増えているのに未だに単線のままでは不便だろうなぁ、などと考えながら車窓に見える丹沢山地を眺めつつ海老名駅から上溝駅まで乗車した。
そういえば、こちらのお店にはつい数週間前に、某有名家系レビュアさんも訪問されていた。相変わらずお金は無いし株価下落で資産も減ってるけど、今日は天気も良いので気分転換にちょいと遠出してみたくなった。
11時前に到着したにも関わらず既に営業中で、先客まで居られてびっくり。店内にはかなりハッキリとしたトンコツの匂いが漂っている。入り口直ぐに設置された券売機で濃厚豚骨ラーメン(700)と海苔(5枚150)を購入するが、海苔の価格にはちょっと動揺してしまった。
券売機近くの厨房の様子が見えやすい席に着席し、いつもの硬めで注文した。麺箱は長多屋製麺で、茹ではテボ。木べらが差し込まれた大寸胴は1本で、そこで採った出汁を小さな鍋に移して温めているようだ。厨房にはキッチンタイマーも在るけれど、麺の茹で具合を指でつまんで確かめる丁寧なオペレーションも嬉しくて期待が高まる。
写真では判りにくいがスープはドロドロ、デロデロの餡かけペースト状で、まるでカレーうどんのよう。券売機に書かれている濃厚の文字は、ただのキャッチコピーでは無かったのだ。味の大半を占めているのはトンコツで、鶏は旨味を僅かに補う程度にしか感じない。濃厚の文字に偽り無しだ。醤油とのバランスは良いけれど、塩分が強くて少々しょっぱいのと、鶏油はスープの粘度が強過ぎて完全に混ざって埋没してしまっている印象なので多めオーダーは有りだと思った。
中盤に味変ポッドの刻みショウガの蓋を開けたら、普通のおろしショウガみたいなのでよく見たら、おろしショウガと刻みショウガの中間の粒ショウガとでも呼べそうなユニークな形状のものだった。ドロスープとの相性は極めて上々で、多めに投入して爽やかな変化を楽しめた。
スープがこのような状態だから麺との絡みなどという言葉は何の意味もなく、硬め注文で絶妙な弾力が気持ちの良い食感だが、敢えて言うならさらに太い麺でもこのスープなら負ける事は無さそうだ。
噛み応えがしっかりした厚みのあるバラ肉のチャーシューが素晴らしい。バラ肉特有のクドさは抑えられ、味わいはスープとしっかり同化し、軽く炙ることで表面の脂は落としてある。丁寧な仕事ぶりが伝わる逸品だと思う。
ほうれん草は多めで緑色が濃く味はハッキリして食感も良かった。後乗せのネギも多めで薬味以上の働きをしていた。半味玉はスープの醤油が強めのため控えめな味付けで、黄身の甘味が心地よかった。
ややスープに縮んだものの風味も味も強めの海苔はスープのトンコツ感を和らげる働きをしてくれたが、それでも増しの5枚150円には抵抗がある。
スープが濃厚なため、麺や具が負けている場面、もしくはスープに尽力する余り具がおろそかになっている場面に遭遇することもあるが、この店は一切の手抜きがないように感じた。
せっかく遠方まで来たからにはもう一軒と思ったが、デロデロのスープとやや多めの麺のお陰でかなりの満腹感が得られたので、相模線沿線にはまだ未訪店が有るから未練を感じつつも、いずれまた来る事を誓い帰宅することにした。
2017年よりも食べた数は減ったものの充実した家系ラーメンライフを過ごしました。横浜市内の家系ラーメン店は殆ど食べ終えたので、市外に出向く回数が増えた結果、今年のベスト10は「黄金家」さん以外は総て横浜市外となりました。家系ラーメンブームと言われて久しいですが、一方で粗製濫造の店が増えている事実があるので、ここに選んだお店はいつまでも自らの味を守り続けて欲しいです。なお、順位はインパクトが大きかったお店を並べたので一部、点数順にはなっていない箇所があります。
泣く泣く10選に入れられなったお店には海老名の「源泉」、祐天寺の「醤丸」、仙台の「横横家」、宇都宮の「たつ家」、三田の「藤参」、それに武蔵家系列店のいくつかや家系とは謳っていないけれど吉野町の「マンザイ」や三ツ境の「ラーメンショップ 二ツ橋店」などがあり、いずれもかなり印象に残っています。
なんだかんだ言って評判の良いお店にどうしても先に行ってしまいたくなるので、果たして2019年のベスト10を選べるかどうか、今から心配ですね。