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mknpass (男性・神奈川県) 認証済
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1回
昼の点数：4.9
2015/08 訪問
極上！我が人生史上最高ランクの超淡麗塩ラーメンを大阪で体験
大阪生活が長い相棒は「大阪はうどん文化だから美味しいラーメンはないよ」と断言していた。迂闊にもそれを鵜呑みにしていたのだが、よくよく考えると「そもそもラーメンは積極的には食べない」相棒の発言だから信憑性は端からなかったようなものだ。日帰り大阪出張。本当に「大阪には美味しいラーメンはない」のか確認しようと思った。事前に関西在住のマイレビュアの皆さんのレビューを調べ最終的にゆうと（YUTO）さんのレビューが決め手となり選んだのがこちらだった。狭いビルの階段を2階まで上がり入った店内は厨房との距離が30cmほどのカウンター席が5名分とかろうじて2名が座れる小さなテーブルが一卓で、店内の照明は仄暗いから装いは完全にこじんまりとしたスナックだ。訪問は午前11時半過ぎで先客2名、行列はできないまでもサラリーマンがほぼひっきりなしに後客として訪れるからかなりの人気店のようだ。季節限定の「冷し坦々麺」なるものもあるけれど、当然、基本メニューの先頭に書かれている「塩」(800)を選択する。ランチ限定とのことでライスまたはおにぎりは無償で食べ放題、加えて生卵、（何故か）納豆、卓上のお新香も食べ放題。この食べ放題オプションが付かない夜の部ではラーメンのみで800円だと「ちょっと高いなぁ」とぼんやり考えていたら、数分後にはその考えがとんでもなく不謹慎であることを思い知る。美人女将が手際よく作ってくれた塩ラーメンは丁度良い待ち時間で到着。「ドンブリがちょっと小さいなぁ、それに具もちょっと貧弱だなぁ、これで800円はキツイなぁ、やはり来るなら昼だな」などとも思ったが、この考えもまた瞬時に覆されることになる。スープは限りなく透明でどこまでも淡麗であることを主張している。レンゲですくって口に運ぶ。その瞬間に電撃が脳天からつま先に突き抜ける。なんという美しさ！女将が天使に思えてきた。おそらく鶏ガラをベースとした昆布出汁だろう、後追いで微かに貝の出汁を感じる。私の鈍感な舌と知識では何の貝なのか判らないが、この極上スープは今まで食べてきた旨いと評判の淡麗塩ラーメン達を一瞬で凌駕してしまった。まるで箱根駅伝の注目ランナーが他校の先行ランナーをごぼう抜きにし一瞬で置き去りにするような痛快な出来事が自分の脳内で起きたのだ。このスープは極めてシンプルな材料で作られていると思うのだが、とんでもなく深く崇高な領域に達している。出汁のみならず塩ダレと油のバランスもまったく完璧でこのスープを飲み残すことは絶対に許されないことだと瞬時に理解した。店が狭いとか具が貧弱とか、値段が高いなどと不謹慎この上ないことを考えたのを心の中ですぐに謝罪した。このスープに併せる細麺がまた力強く歯ごたえと共に旨味もしっかりと主張しているが決して料理としてのバランスを崩していない。このスープにしてこの麺ありの絶妙の技が示されているとしか言いようがない。ホロホロにとろけるチャーシューは薄く小さ目のものが二枚。もしも厚いチャーシューだとこの一杯の完成度を低下させてしまうだろう。もやしやメンマなどの他の具については余りのスープの美しさに耽溺し夢心地になってしまったので良く覚えていない！この一杯はスープと麺だけで十分に800円の価値がある。卓上には胡椒が置いてあるけれど、この清廉で完璧な一杯を汚す行為など到底できない。関東の淡麗系ラーメンだったら一部の例外を除き、ほぼ漏れなく鰹かアゴ・煮干しなどの魚介出汁を使うが素材の良し悪しと出汁を取るタイミングや時間次第でエグ味が残る。醤油ラーメンだったらそのエグ味は個性として受け止められるが塩ラーメンの場合は大抵が嫌味と感じてしまうので本当に美味い淡麗系塩ラーメンは関東では意外に少ないと思う。塩ラーメンという料理に昆布が出す深くて強い旨味がここまで上品で美しいスープを提供するとは想像もしていなかったが、ではタレが強力な醤油ラーメンではどうなのだろう、次回は是非にも確認してみたい。過去のレビューを読むとこのお店のスープは開店当時からは変化しているのが判る。少なくとも今回自分が食べたものには獣類も魚類もまったく感じられなかった。さすが関西・大阪であった。相棒が言う「うどん文化」がとてつもなく美味い塩ラーメンを産み出していることをいきなり思い知った。この店にはミシュラン掲載店以上の凄みを感じる。大阪にも美味いラーメンはある。当然だよね。
2015/09/12 更新
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大阪生活が長い相棒は「大阪はうどん文化だから美味しいラーメンはないよ」と断言していた。迂闊にもそれを鵜呑みにしていたのだが、よくよく考えると「そもそもラーメンは積極的には食べない」相棒の発言だから信憑性は端からなかったようなものだ。
日帰り大阪出張。本当に「大阪には美味しいラーメンはない」のか確認しようと思った。事前に関西在住のマイレビュアの皆さんのレビューを調べ最終的にゆうと（YUTO）さんのレビューが決め手となり選んだのがこちらだった。
狭いビルの階段を2階まで上がり入った店内は厨房との距離が30cmほどのカウンター席が5名分とかろうじて2名が座れる小さなテーブルが一卓で、店内の照明は仄暗いから装いは完全にこじんまりとしたスナックだ。訪問は午前11時半過ぎで先客2名、行列はできないまでもサラリーマンがほぼひっきりなしに後客として訪れるからかなりの人気店のようだ。
季節限定の「冷し坦々麺」なるものもあるけれど、当然、基本メニューの先頭に書かれている「塩」(800)を選択する。ランチ限定とのことでライスまたはおにぎりは無償で食べ放題、加えて生卵、（何故か）納豆、卓上のお新香も食べ放題。
この食べ放題オプションが付かない夜の部ではラーメンのみで800円だと「ちょっと高いなぁ」とぼんやり考えていたら、数分後にはその考えがとんでもなく不謹慎であることを思い知る。美人女将が手際よく作ってくれた塩ラーメンは丁度良い待ち時間で到着。「ドンブリがちょっと小さいなぁ、それに具もちょっと貧弱だなぁ、これで800円はキツイなぁ、やはり来るなら昼だな」などとも思ったが、この考えもまた瞬時に覆されることになる。
スープは限りなく透明でどこまでも淡麗であることを主張している。レンゲですくって口に運ぶ。その瞬間に電撃が脳天からつま先に突き抜ける。なんという美しさ！女将が天使に思えてきた。おそらく鶏ガラをベースとした昆布出汁だろう、後追いで微かに貝の出汁を感じる。私の鈍感な舌と知識では何の貝なのか判らないが、この極上スープは今まで食べてきた旨いと評判の淡麗塩ラーメン達を一瞬で凌駕してしまった。まるで箱根駅伝の注目ランナーが他校の先行ランナーをごぼう抜きにし一瞬で置き去りにするような痛快な出来事が自分の脳内で起きたのだ。このスープは極めてシンプルな材料で作られていると思うのだが、とんでもなく深く崇高な領域に達している。出汁のみならず塩ダレと油のバランスもまったく完璧でこのスープを飲み残すことは絶対に許されないことだと瞬時に理解した。店が狭いとか具が貧弱とか、値段が高いなどと不謹慎この上ないことを考えたのを心の中ですぐに謝罪した。
このスープに併せる細麺がまた力強く歯ごたえと共に旨味もしっかりと主張しているが決して料理としてのバランスを崩していない。このスープにしてこの麺ありの絶妙の技が示されているとしか言いようがない。
ホロホロにとろけるチャーシューは薄く小さ目のものが二枚。もしも厚いチャーシューだとこの一杯の完成度を低下させてしまうだろう。もやしやメンマなどの他の具については余りのスープの美しさに耽溺し夢心地になってしまったので良く覚えていない！この一杯はスープと麺だけで十分に800円の価値がある。卓上には胡椒が置いてあるけれど、この清廉で完璧な一杯を汚す行為など到底できない。
関東の淡麗系ラーメンだったら一部の例外を除き、ほぼ漏れなく鰹かアゴ・煮干しなどの魚介出汁を使うが素材の良し悪しと出汁を取るタイミングや時間次第でエグ味が残る。醤油ラーメンだったらそのエグ味は個性として受け止められるが塩ラーメンの場合は大抵が嫌味と感じてしまうので本当に美味い淡麗系塩ラーメンは関東では意外に少ないと思う。塩ラーメンという料理に昆布が出す深くて強い旨味がここまで上品で美しいスープを提供するとは想像もしていなかったが、ではタレが強力な醤油ラーメンではどうなのだろう、次回は是非にも確認してみたい。
過去のレビューを読むとこのお店のスープは開店当時からは変化しているのが判る。少なくとも今回自分が食べたものには獣類も魚類もまったく感じられなかった。
さすが関西・大阪であった。相棒が言う「うどん文化」がとてつもなく美味い塩ラーメンを産み出していることをいきなり思い知った。この店にはミシュラン掲載店以上の凄みを感じる。大阪にも美味いラーメンはある。当然だよね。