レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2015/02訪問 2015/02/07
1933年完成のウィリアム・メレル・ヴォーリズ建築である大丸百貨店。
心斎橋筋側ファサード上部には、大丸のシンボルであるピーコック(孔雀)がお出迎え。
店内入るとすぐ、壮大な天井部の細密装飾に息を呑みます。
階段、手すり総て大理石~ライトの点く独自の造り。それを上った中2階にある喫茶室です。
店内は吹き抜け構造であった名残で、1階の売り場が見渡せるテラス席に案内されました。
こちらは英國屋系なので、季節の苺のシフォンケーキをブレンドコーヒーのセットでオーダーしました。
1,026円、コーヒーはお替りできます。
シフォンケーキのプレートが運ばれました。アイスクリームと苺添え。
コーヒーはいつものようにウエッジウッドのカップです。
苺のシフォンケーキを食べるのは初めてですが、クリームは苺の豊かな香りがします。
シフォン部はそれに比べれば、芳香弱いけどほんのり上品な甘み。
ヴォーリズ作品の写真集があったので、コーヒーをお替りしながら読みました。
大丸百貨店らしいラグジュワリーな雰囲気と、ヴォーリズ建築に思いを馳せられます。
2位
1回
2015/06訪問 2015/07/07
近代建築ダコタハウスのイタリアンランチは 味・価格ともに満足
土佐堀通り沿いに目を引く、近代建築ダコタハウス(大平ビル)。大正末期ごろの竣工です。
左右の棟の高さをアシンメトリーにしてあり、上方にアールのついた細長い窓のついたデザイン。
ファサードは重厚感のある石造り風で、その左手にある階段を上っていくと
2階に左右ふたつの扉があります。左の扉を開けた、カウンター席に着きました。
店内もそのレトロな空気感を残したような趣です。
ランチはひとつのみ~日替わり前菜・ソースも日替わりのパスタ・パン、1000円。
まず、前菜がサーブされます。大きなガラスプレートに、目を奪われる彩りの良さ。
鶏のカツ・玉子のフリッタータ・ラタトゥイユ・テリーヌ・スープ等の内容です。
まずもって、素材の味とスパイス共に豊かな風味が感じられ、少しの貧相さもありません。
ディップは相当チーズを入れないとこんな味にならないし、カツも熱々でハーブの爽快さがマッチする。
大きなイタリア産ハムの、しっとりした脂肪も癖が無く旨みがあり上質です。
パンは自家製フォカッチャで、ゴマと塩味が効きモチモチ。
メインのパスタは自家製手打ちです。弾力のある食感でパスタそのものに味がある。
ソースはトマト仕立てで、沢山の玉ねぎの甘みとベーコンの濃厚さ。
この内容でこの価格のランチは満足度も高く、人気店なのも納得至極です。
3位
1回
2015/10訪問 2015/10/08
中之島にあります。ブロックガラスと瀬戸物タイルの外観、2階建てでグリーンのテントです。
店内に入ると、その外観からは見ることのできない
息を呑むような美しい、大型のステンドグラスが飾ってあります。
孔雀やオウム、花々の意匠~ランプなどの照明もステンドグラスです。
お若い女性がいらしたので、アイスコーヒーをオーダーしました、350円。苦みも充分ある美味しさです。
ステンドグラスが素晴らしいことをお聞きすると、なんと!すべてがお父様の手造りとのこと。
隣のお住まいでどんどん制作され、お部屋に置ききれずに、お店に持ってきているそうです。
写真を撮影していると、昔は店舗で使っていた2階を、ご好意で見せていただけることに。
階段を上がると、そこにも葡萄や鳥のステンドグラスが。そして「これが一番の大作です」と仰る作品は
鴫が戯れるような意匠の、2m四方はある見事なものでした。
1960年代の創業時には、周りに13階建てオフィスビルや病院もあって
賑やかでしたと仰る娘さんは、少し寂しそうでした。
私もぜひこの歴史ある喫茶店を、知ってほしいと思いました。
4位
1回
2015/09訪問 2015/09/23
以前にこの前を通りがかり、暗闇に浮かぶ赤い灯りの点く幻想的な外観に心惹かれ
一度行ってみたいと思っていました。
私は、バー兼カフェ店の昼カフェには何度か行きましたが、完全なバーに行くのは初めて。
しかも夜に一人で、です。
緊張の面持ちでドアを開けると広いカウンターがあり、お若いバーテンダーの方が迎えて下さいました。
アルコールに弱いことを告げると、いろいろ考えて勧めて下さったのですが
メニューにあったNonアルコールの、シンデレラという名に惹かれてオーダーしました、700円。
それからこちらは、ビーフシチューが美味しいと聞いていて、好物なので味わってみます、1000円。
バーテンダーさんがシェイクしたカクテルを、グラスに注いでくれました。
鮮やかな黄色がかったオレンジ、チャームは落花生の茹でたもの。
カクテルを飲んでみます~思う通りオレンジの風味が大変濃厚。
でもアルコールは入っていないので、カッとはきません。
続いてビーフシチューが、小型の陶製容器に入れられて出されました。
オーナーが自宅で作ったものを、こちらに持ってきているそうです。バゲット付き。
スプーンで食べると、苦みよりも甘みのあるような優しいお味。
大振りのお肉とマッシュルーム、人参が入っていて食べごたえも充分です。
歴史を尋ねましたら、20年以上にはなるそうです。
この本格的な雰囲気でも、緊張がほどけるような接客で、ひとりバーを楽しめました。
5位
1回
2015/09訪問 2015/09/04
様々なメディアで取り上げられ、以前から行きたいと思っていて、やっと訪問叶いました。
福島の聖天通り商店街の、大きな自社ビルに店があります。
外観はショーケースのあるコーヒーショップのような感じですが
一歩中に入ると、その広さ+ゴージャスさに息を呑みます。
ママさんが迎えて下さって写真撮影を申し出ると、すぐに2階も案内されました。
2階は外からも見えるトロピカルな窓の絵画が明るい雰囲気です。
1階は何基ものシャンデリア、ステンドグラスの照明。ゴブラン織りのチェアに生花が活けられています。
お昼を食べようと思っていたので、アメリカントーストセットをHotコーヒーでオーダーしました、730円。
運ばれましたアメリカントーストとは、チーズ・ハム・胡瓜がマヨ味でサンドイッチされて
チーズが溶けるようにフライパンで焼いてある、オリジナリティのあるもの。ピザみたいで美味しい。
コーヒーはナルミのカップに入れられ、酸味が高いが苦みもあるレトロなお味。
ママさんにお話しを伺いました。
大正時代にお父様が玉造で創業されて、戦後すぐにこちらの福島に移転したそうです。
玉一はチェーン展開し、多いときには82店舗を数え、この店が総本店。
この建物は3回建て替えられて、42年前から現在の仕様だそうです。
福島に真に歴史ある老舗喫茶店、繁栄していた大阪の時代を物語るようでした。
6位
1回
2015/09訪問 2015/09/17
御堂筋沿いのビルに「ここは、北緯34度 東経135度です。」という面白い看板が出ています。
この地下にある、御堂筋ロッヂのもの。
その外観は木のしつらえと薪が積んであり、文字通りの山小屋風。
店内にもランタンを模したような照明が丸く点いており、落ち着いたムードがあります。
席に着いてランチのメニューから、こちらの一番人気という洋食弁当をオーダーしました、1500円。
ご飯をパンに変更できるかと尋ねると「大丈夫でございます」とにっこりとした対応。
運ばれました、洋食弁当は、ビーフシチュー・コールドビーフ・エビフライ・カニクリームコロッケ
サラダ・冷製コーンスープ・バゲットの内容です。ドリンク付きでりんごジュースにしました。
まずビーフシチューのお肉が、箸でちぎれるほどトロトロに煮込んであり
デミグラスソースは、苦みと香ばしさのある深みのある味。
こういうところが洋食屋たる所以であると思える。
コールドビーフはしっとり柔かい。エビフライは小ぶりだがプリッとした身。
カニクリームコロッケも小さいが、蟹の風味が良く感じられる。タルタルソースは玉子いっぱい。
サラダにはサツマイモ・茸入りで食べごたえあり、スープはコーンのまったりとした甘み。
案内時に「お待たせしてすみませんでした」との言葉や、受付の丁寧な対応でホスピタリィも高い。
山小屋風でもそのモダンで大人な雰囲気は、さすが人気洋食店だと思いました。
7位
1回
2015/05訪問 2015/05/21
芝川ビルを夜に通ると仄暗い灯りが点き、窓越しのバーカウンターにお客の姿が見えます。
その大人な雰囲気に憧れ、昼間にカフェ使いができるとのことなので足を運んでみました。
ドアは開いており中に入ると、手前にはカウンターのあるフロア。
奥には樽に赤いベロアを張ったチェアのある部屋、こちらは禁煙席です。
カウンター内の女性に、カフェ使いを確認してから禁煙席に着きました。
メニューを見てパインミックスジュースをオーダー、600円。
飾り棚には洋酒のボトルがずらりと並び、紛れも無くバーだと分かります。
運ばれたパインミックスジュースは、生ではありませんが濃厚さはあります。
カウンターのフロアには、オーナーのコレクションである
ウイスキーを始めとする、ビンテージのような洋酒ボトルが圧巻のラインナップ。
この女性スタッフも、ウイスキー造りの本場スコットランドに
2年間滞在なさっていたそうです。
昼間であっても、その芝川ビルの存在感によりムードも最高ですが
やはり一度は夜に来て、カクテルなどたしなんでみたいですね。
8位
1回
2015/01訪問 2015/01/15
みなさま新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
お正月は家族で新年会にやってきました。法善寺横丁にあるお気に入りの、力丸茶屋。
実はいちばん最初に利用して、魅了された力丸グループの店はここでした。
法善寺横丁の串の坊の隣にあり、細い間口から想像できる奥に伸びる店内。1階と2階には炉端席があります。
混雑するのは承知なので、開店直後の17時に来店し3階の個室に案内されました。
腰を落ち着けて、いつものように300円均一に安心してどんどん注文していきま~す(笑)
★いかの姿焼き・ほっけ開き・豚ペイ焼き・クリームコロッケ・あらびきソーセージ・鳥南蛮
かりかりじゃこと大根のサラダ・万願寺しし唐・さつまいもハニーバター・するめ天ぷら
じゃがいも明太チーズ・鮭茶漬け
★土佐鶴・純米大吟醸古都の雫・生ジョッキ大(600円)オレンジジュース
安心の価格、美味しさ・・法善寺横丁で飲むなら迷い無いお店です。
9位
1回
2015/07訪問 2015/07/05
新梅田食道街のエキゾチックなBarで昼coffee time
子供のころ見た新梅田食道街は、怪しさに満ちていましたが(笑)
今はこの、レトロ感満載な謎雰囲気は魅惑的。
お酒を飲むお店が多いようですが、このマルシンもバーです。
しかし昼間は喫茶使いができると聞きつけ、訪問してみました。
ステンドグラスも少し混ぜた、アールのついた窓ガラスを使った扉
唐草のような看板がエキゾチックなムード。
女性の手描き風なボードがコーヒータイムを告げます。
店内はカウンターのみ、二人のお若い女性が迎えてくださいました。
ボトルがずらりと並び、美しい生花が飾られています。ステンドグラスのランプも良いマッチ。
メニューボードを見て、ブレンドコーヒー380円とトースト150円をオーダーしました。
すると、ジャム、マーマレードの瓶とメイプルシロップを出してくださり
バターを塗ったトーストに、使ってくださいとのこと~うれしいサービスです。
コーヒーはハンドドリップで、酸味も苦みも充分の濃厚な飲み口。
帰り際にお店のお話を伺いました。
創業は50年前に、お祖父さまの代からコーヒー店を始めて
お父さまがバー、そして現在の娘さんがコーヒータイム
お兄さんがバータイムをされているそうです。
新梅田食道街らしい、長く続く歴史あるご家族のお店だと思いました。
10位
1回
2015/10訪問 2015/11/01
生きた建築ミュージアム参加①青山ビル・伏見ビル 青山ビルの珈琲店でビーフパストラミランチ
大阪の建築を巡る、生きた建築ミュージアム。事前申し込みの必要の無い、当日に手軽に見学できる建物に行ってきました。
北浜にある、蔦の絡まるムードのある青山ビルは、1921年建設で実業家の元邸宅でした。
ビル内にはギャラリー等があり、見学前に同じくビル内にある、桜屋珈琲館を利用してみました。
現在3代目で、以前より明るくカジュアルになった店内ですが、木製モチーフなどは無論保存されています。
ランチのメニューを見て、温サンドのビーフパストラミ300円にオリジナルブレンド珈琲450円を、オーダー。
運ばれました、ビーフパストラミはホットサンド。サラダとヨーグルト付きです。
オリジナルブレンド珈琲はカップに入ったものと、サイフォンのお替りが付いています。
ビーフパストラミのペッパーは控えめですが肉質は柔らか、サラダにパプリカが入ってます。ヨーグルトは苺ソース添え。
オリジナルブレンド珈琲は、苦み香ばしさが深く酸味も良いバランス、サイフォンから注いでたっぷり味わえます。
ランチ時間ぎりぎりでも気持ち良く対応していただき、生きた建築ミュージアムの質問にも答えていただきました。
お店を出て、さっそく階段を登りビル内を見学しました。手すりやステンドグラスが美しい。
そして隣にある、アールデコ風の可愛い伏見ビルも見学。伏見ビルは元ホテルとして、1923年の建設です。
そのためか1階には花が活けてあり、当時の照明もそのまま。解放された屋上まで上ることができました。
大正期の趣あるロマンを感じる、並び立つふたつのビルでした。
2015年は気になりながらも、土地勘の無かったお店にも
訪問することにしました。いずれも建物CP共、申し分なしの自信店です。
そんな中、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ建築である大丸百貨店が
2015年12月30日を以って、建て替えのため閉店となりました。
これを偲び、ヴォーリズの名を冠した喫茶室サロン・ド・テ・ヴォーリズを
1位に選びたいと思います。