高知ラガーくすくすさんが投稿したくるますし(愛媛/勝山町)の口コミ詳細

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高知ラガーくすくす 『ゆる〜い感じのレストランガイド』

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高知ラガーくすくす (50代後半・男性・高知県) 認証済

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くるますし勝山町、大街道、警察署前/寿司

2

  • 夜の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク -
2回目

2024/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

地の食材を地元では食べられないレベルに昇華させている鮨屋


予約サイトOMAKASEでキャンセルが出たのを見つけ
土曜日の17時枠を押さえて松山へ車を走らせ久々の訪問。

先代の大将が軽妙な軽口を聞いて
寿司の始まりを待つ静寂の客を温めている。
落語で言うところのマクラ。
親父さんと2つ3つ軽口を交わすと
四国随一の寿司を食べようとする気負いから
無意識、肩にチカラが入っていたのが
柔らかく解きほぐされていく。

肩の力が解れたところに
串打ちされた鰻が一尾登場する。
ここから当代の舞台の幕が開く。

夏の一品目は酢の物だろうと踏んで居たのに意表を突く鰻。
追いかけるようにカウンターに人数分の器が用意されたので
中は見えてはいないが、鰻ざくと察する。

小ぶりなふた切れの鰻の産は岡山。
甲殻類を食べた汽水域の青鰻。
岡山の鮨屋では何度か口にした事のある鰻だ。

鰻ざくに浸からないよう
足早に一切れ目をいただく。
あ。
全然違う!
この時点でこの日の勝負は決した。

鰻が好きで毎月高知の鰻を食べているのに
高知の人気鰻屋が束になってかかっても
足元にも及ばない鰻がここにあった。
カリリと炭火で焼かれた表面に
しっかりと肉厚の身。
嫌な脂も香りもなく
ただ香ばしさと旨みだけが広がる鰻。
その小さな一切れが愛おしいほどに美味しい。

このファーストインプレッションだけで
この日幸せな気分で呑めるのは約束された。

もちろん後に続く
愛媛 二神島の赤雲丹の冷製茶碗蒸しも

骨ぎりでも
骨抜きでもない
包丁で骨を外した滑らかな食感の鱧も

鮑の力だけで炊いた煮鮑に
その肝と赤酢のシャリを合わせたひとくちごはんも

藁の薫りを纏ったマナガツオも

先代の地元愛南町であがった
クエの昆布出汁のしゃぶしゃぶ風な一品も
地の食材に考え尽くした仕事が施されており
驚きとともに口にする喜びがある。

夏の盛りなので冷たいものから始まり
寿司の前にクエしゃぶで
胃が温まり
美味しく食べる準備が整えられて
大将が握り始める。

こちらも選り抜きの地の食材を中心に構成されている。

踊るようにしなやかに握る大将の立ち姿。
創意工夫の舞台の筋
語りたい事は沢山あるが多く語りすぎてはいけないだろう。
寿司については
その場で五感で
体験していただきたい。
四国随一の寿司は驚きも大切な要素なのだ。

最後にトロ鉄火と干瓢巻きを追加してごちそうさま。
創意工夫の舞台に心酔の夜だった。

2024/08/18 更新

1回目

2020/12 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気4.5
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

若きストーリーテラー ☆ くるますし

『若きストーリーテラー』


旨味を反芻しながら自らを高めること6時間。
調味料を加えずに蒸された黒あわびは
柔の裏側にぷりんとした食感も残し
穏やかな甘味と滋味深い旨味を身につけていた。
その鮑に肝をつけていただく。

この時期の鮑は白子も持っているそうで
白子を肝と合わせて溶いているとの事こと。
いつもの苦味が堪らない肝の味よりもクリーミーでマイルド。
これはこれでソースのような美味しさがある。

「肝は食べきらず残しておいてください」
息子に主人を譲った先代が8席のカウンターに声掛けをしてまわる。
そこにキリリとした赤酢の酢めし。
そして「よく混ぜて召し上がりください」とくる。
これがツマミ4皿目のストーリー。

次のノドグロに西条産の
飛び切り香りのいい海苔を合わせ
底には酢めしを射込んだ茶碗蒸しが5皿目。

仕入れは山口県
赤身の酸味にさす脂が心地いいスマ鰹は6皿目。
白甘鯛で取った濃厚なお出汁が7皿目。

八幡浜が誇る魚の白甘鯛から握り始める。
続いて身は15°c.肝は0度で旨味と食感を引き出したカワハギ。
部位を切って重ねる事でつるんとした歯触りから始まるサヨリ。
大間の182キロのマグロは
赤身、中トロどちらも舌触りが滑らかで香りがいい。

圧巻は若き大将から手渡された
東予で獲れたワタリガニ。
蒸されたばかりのほぐし身、冷たい味噌、酢めしが渾然一体
旨味、香り、温度差、怒涛の波状攻撃。

ミシュランの星を最年少で取った大将の繰り出すネタは
ひとさら毎に美味しさを追求するストーリーがあり
その食べ終わりには
上質な短編集を読み終えた読後感にも似た心地よさがある。

2020/12/05 更新

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