『時代屋の女房(渡瀬恒彦頌歌)』コッキンポンコさんの日記

レビュアーのカバー画像

長文レビューで嫌がらせ(爆)

メッセージを送る

コッキンポンコ (50代前半・男性・東京都) 認証済

日記詳細

日常に変化があるわけじゃない
後ろ向きではないけれど
たしかに時代に迎合しない

君がのぞいた
古いカメラのファインダーには
時代に置き去られたものたちが蠢いていて

その粘着質の澱のような腐敗物質を君は
文句も言わずにこそげとっている

そりゃ
淡々としていないと
やっていけないサ

二・二六事件 当日の切符は
今井さんの昔の焦げついた話をまざまざと蘇らせる
お茶飲み話程度の?
いやいや、違うよね?

煙草を燻らせて
歩道橋を渡る一筋の虹
メロウな時間が
床板をきしらせて
記憶を手繰り螺子(ねじ)を巻く

傘は廻るか唐傘の
背中にゃデカい牡丹獅子
柔な男じゃ喰われっちまう
風を渡る 一筋 の 虹

やっぱり
いい男を失ってしまった

全部を言わない男の苦い苦い
胸の内を 
あー わかっていたんだよな


ページの先頭へ