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quitamarcoのレストランガイド
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quitamarco (男性・海外) 認証済
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1回
夜の点数:4.5
2013/11 訪問
おそらく史上初の試み
他では味わえないオリジナルの季節のカクテルをおまかせスタイルのコース仕立てで提供するのは世界でもおそらく初めての試みだと思う。私がニューヨークでStefan Trummerというやはり素晴らしいミクソロジストと懇意になったときに、彼も「日本料理の割烹のように、omakaseスタイルのコースをカクテルでも出せたら面白い」という話をしていたのが8年前。その彼もメニューではなく、懇意になったからこそ行くたびにその供しかたをしてくれてとても幸せな体験をさせてもらったが、その彼がワシントンDCに移ってしまってから( http://www.starchefs.com/cook/chefs/rising_stars/2010/dc-area/mixologist-stefan-trummer )はついぞそんな体験もなくなってしまった。そして山本幻に出遭ったのが4年前だったか。当時の彼は「蕎麦とっと」というグランドセントラル近くの和食店の独立したバー・スペースにいて、同じ日本人のよしみで私たちにもそうした「おまかせ」の対応をしてくれた。ステファンやその兄のアルバート・トゥルマーという天才ミクソロジスト兄弟の作るものと山本幻の作るものは、リキュールなどの単なるブレンディングだけでなくそのカクテルの中に自然のもの(果物や野菜や花蜜など)を置くことで、お酒の中に自然の空気が通うことを赦している。飲んでいて風通しがよく、呼吸がとても楽なのだ。その計算の精密さにおいて3者はとても似ていた。その後、幻は「en」に移り、ニューヨークのカクテルシーンはフルーツがトレンドになった。幻は「en」でもさまざまな研究を積んで、一度は日本酒の燗の温度と味の変化についてとても興味深いデモを披露してくれたりした。そしてbrushstrokeでの開花である。幻はここで現在の店の原型を模索した。Trummer兄弟と山本幻のカクテルの共通点を書いたが、幻はより季節感を大切にした。懐石料理の精神である。幻はアメリカにあっても徹底して素材を選んだ。メディアとして使うトマトウォーターを作るにしても、納得いくトマトしか使わなかった。シトラス類もそう、ベリー類もそう。客は大喜びだったが、それはレストランの経営者には大変な原価負担だったと思う。なにせ倍以上する値段の果物や食材を惜し気もなく使うのだ。その辺の事情は知らずとも味のユニークさ独創性はわかった。オリジナリティの難しさは、新しい芸術の創造の困難と同じである。ニューヨークのメディアは彼を大きく賞賛した。昨年日本に帰国した山本幻がこの2月に自分の思いを形にした店を開いたと聞いて、ニューヨークの彼のファンは東京旅行の際には必ずこの麻布十番に立ち寄るようだ。一時帰国の私が訪問したのも今回で2回目だが、そのいずれでも、世界のミクソロジーの最先端の1つを行く彼のこの店には、欧米のホテルやレストランのマネジメントやカルナリーのプロたちがやってきていた。そして当然、彼は厳選された高価で珍しい素材を、自分の店であるが故に誰彼に遠慮する必要もなく使っていた。音楽も流れないこの店を、私の友人の1人は茶席に呼ばれたようだと表現していた。この店では、音楽はグラスの中にある。世界のトップレストランの使命の1つが、それまでの人生で客の知らなかった体験をそのパレットの上にさりげなく提供するものだとしたら、ここは世界のトップレストランの1つである。ベースとなる酒に合わせる、その同系色やら補色やらの素材のボキャブラリーの妙に陶然としているうちに、比喩と同時に物理的にも、いつのまにか私たちは酔ってしまっていた。この時代のミクソロジーの何たり得るかを知りたければ、GEN YAMAMOTOに一度は訪れるべきだと思う。この時代のアンティークがお好きなら、それはどこにでもある。
2013/11/18 更新
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知人・友人と
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日本酒あり
焼酎あり
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カップルシート
カウンター席
ソファー席
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他では味わえないオリジナルの季節のカクテルをおまかせスタイルのコース仕立てで提供するのは世界でもおそらく初めての試みだと思う。私がニューヨークでStefan Trummerというやはり素晴らしいミクソロジストと懇意になったときに、彼も「日本料理の割烹のように、omakaseスタイルのコースをカクテルでも出せたら面白い」という話をしていたのが8年前。その彼もメニューではなく、懇意になったからこそ行くたびにその供しかたをしてくれてとても幸せな体験をさせてもらったが、その彼がワシントンDCに移ってしまってから( http://www.starchefs.com/cook/chefs/rising_stars/2010/dc-area/mixologist-stefan-trummer )はついぞそんな体験もなくなってしまった。そして山本幻に出遭ったのが4年前だったか。
当時の彼は「蕎麦とっと」というグランドセントラル近くの和食店の独立したバー・スペースにいて、同じ日本人のよしみで私たちにもそうした「おまかせ」の対応をしてくれた。ステファンやその兄のアルバート・トゥルマーという天才ミクソロジスト兄弟の作るものと山本幻の作るものは、リキュールなどの単なるブレンディングだけでなくそのカクテルの中に自然のもの(果物や野菜や花蜜など)を置くことで、お酒の中に自然の空気が通うことを赦している。飲んでいて風通しがよく、呼吸がとても楽なのだ。その計算の精密さにおいて3者はとても似ていた。その後、幻は「en」に移り、ニューヨークのカクテルシーンはフルーツがトレンドになった。幻は「en」でもさまざまな研究を積んで、一度は日本酒の燗の温度と味の変化についてとても興味深いデモを披露してくれたりした。そしてbrushstrokeでの開花である。幻はここで現在の店の原型を模索した。
Trummer兄弟と山本幻のカクテルの共通点を書いたが、幻はより季節感を大切にした。懐石料理の精神である。幻はアメリカにあっても徹底して素材を選んだ。メディアとして使うトマトウォーターを作るにしても、納得いくトマトしか使わなかった。シトラス類もそう、ベリー類もそう。客は大喜びだったが、それはレストランの経営者には大変な原価負担だったと思う。なにせ倍以上する値段の果物や食材を惜し気もなく使うのだ。その辺の事情は知らずとも味のユニークさ独創性はわかった。オリジナリティの難しさは、新しい芸術の創造の困難と同じである。ニューヨークのメディアは彼を大きく賞賛した。
昨年日本に帰国した山本幻がこの2月に自分の思いを形にした店を開いたと聞いて、ニューヨークの彼のファンは東京旅行の際には必ずこの麻布十番に立ち寄るようだ。一時帰国の私が訪問したのも今回で2回目だが、そのいずれでも、世界のミクソロジーの最先端の1つを行く彼のこの店には、欧米のホテルやレストランのマネジメントやカルナリーのプロたちがやってきていた。そして当然、彼は厳選された高価で珍しい素材を、自分の店であるが故に誰彼に遠慮する必要もなく使っていた。音楽も流れないこの店を、私の友人の1人は茶席に呼ばれたようだと表現していた。この店では、音楽はグラスの中にある。
世界のトップレストランの使命の1つが、それまでの人生で客の知らなかった体験をそのパレットの上にさりげなく提供するものだとしたら、ここは世界のトップレストランの1つである。ベースとなる酒に合わせる、その同系色やら補色やらの素材のボキャブラリーの妙に陶然としているうちに、比喩と同時に物理的にも、いつのまにか私たちは酔ってしまっていた。
この時代のミクソロジーの何たり得るかを知りたければ、GEN YAMAMOTOに一度は訪れるべきだと思う。この時代のアンティークがお好きなら、それはどこにでもある。