(2013.10.21 訪問)
今回の月1回の上京で動き始めたのが、10月8日高速バス予約、10月18日往路、同21日復路。
翌9日に参加者を募り、4名確定。店に9月に組んだメニューを基本に4名用のアレンジを提示。
翌10日深夜に店から、シーズナルメニューが夏から秋冬に変更となる見込みで、同じメニューは組めないとの回答と、秋冬で予定しているシーズナルメニューの概要を、メールで入手。
翌11日、最も参加希望の強かった方にメニューの意向を訊くと、骨付きラム脛肉のタンドール(ラーン:RAAN)は是非ともとの要望。通常のラーンは、14,000円で8人~12人前なので、早速、参加者を6名まで増やすべく順番に声をかけて、14日に6名確定。同日店に、ラーンと秋冬シーズナルの定番メニューを中心に、6名分のメニューを提示。
10月18日に店から、秋冬シーズナルメニューの確定が遅れ、当日は夏メニューが適応されるとの連絡を受ける。但し、先に提示した秋冬シーズナルのうち定番メニューは手配も確認できているので、前年料金で提供するとのこと。で、折り返し確定したのが、以下のメニュー。
①---------------------------------17,600
鴨のタンドール焼 1,800×2=3,600 (秋・冬シーズナル予定、前年料金)
ラーン 14,000
②----------------(大盛対応、①のコーンロティ含む)5,750+4,150=9,900
バイガン(茄子)カ・バルタ 1,400
牡蠣のカレー 1,800 (秋・冬シーズナル予定、前年料金)
鱧のスープカレー、ケララ風 2,000 (夏シーズナル)
バスマティライス 550
③----------------------------------8,500
赤ワイン2.5本 8,500
-------------------------------------
合計 36,000
コースとしてのバランスは度外視し、フルサイズで頂けるチャンスも少ないラーンを組み込んで、今夏シーズナルメニューの最高傑作の鱧カレーと、当店の秋冬シーズナルの一番人気の定番メニューの鴨と牡蠣を良いとこ取りした物となりました。
定刻に全員揃って加藤ソムリエ兼店長のワインのサーブから始まります。仕入れの安い物から高い物まで氏の眼鏡に適った物が取り揃えられているので、産地やグレードを気にしなければ、上記のような値段で美味しいワインが十分な量で頂けます。「全員飲まれるということで、量を多めにして、カジュアルにしてみました」。深みもソコソコあって、フルーティで、料理との相性抜群で楽しめました。ココでは、インドワインに拘る必要は全く無です。
ここで、当店名物のパパド+4種のチャトニが登場。これは、夜のサービス品です。ミント&パクチー、タマリンド、スウィートマンゴー、マンゴーアチャール。どれも美味しいので、料理の途中で無くなると、1回お代わりして頂き、最後にはそれも無くなりました。最初にパパドで味見して、後は料理に付けて味の変化を楽しめます。
鴨のタンドール焼が1オーダー3個で出てきます。鴨も安くは無い食材なので、メニュー構成時に6名で2オーダーで足りなければ3オーダーにすると提案したのですが、加藤店長から十分ですとのことで、2オーダーにしたもの。1個が想像以上に大きく女性の拳~150グラム位はあります。胸肉をスパイスでマリネしてパクチーとニゲラを乗せてミディアムまで焼かれており、旨いです。今回は、後に大物が控えているので大きめに切り分けてガッツリ頂きましたが、薄く切り分けて、切り面に前出の4種のチャトニを付けながら、じっくりと味わうのも一興です。1個六百円は安いと思われる一品。
ラーンは、骨付きラムすね肉1本をじっくり味つけし焼き上げた北インドを代表する宮廷料理とのこと。出てきたものは、すねというより股から下1本という巨大な物で、訊けば骨を含めて3~4キロ。切り分けを待つ間に作り方を尋ねると、切れ目を入れて果物やスパイスでマリネして1日2日寝かした後、入手できた肉の硬さなども考慮してオーブンで3、4時間~6時間蒸して、出す直前にタンドール窯で焼き上げるとのこと。蒸しで出てきた肉汁は、タップリかけられたグレービーに使います。このグレービーが濃い味なので、注文したコーンロティか普通のロティは必須です。切り分けた肉だけでも6人だと一人四百グラム超。すねとはいえ、ジューシーで柔らかくて旨いです。弱火で長時間の賜物です。本品を強く要望された方が、取り分けた肉と一緒に出して頂いた大きな太い骨を見て、「これもしゃぶって良いですか」と言って、関節部を折りながら完食されたのは、お見事の一言。
当店の湯取り法で茹で上げた絶品のバスマティライスと共に、3種のカレーが出て参りました。シッカリ大盛対応です。
鱧のスープカレー、ケララ風は、時間の都合上、6つに取り分けた姿で登場。海老ベースのケララ風のスープは前回同様の絶品でしたが、9月は鱧のシャキシャキ感が残っており、今回は秋が深まり脂がのってきたのが楽しめ、どちらも美味しく楽しめました。当店の女性人気No.1のゴア・プローン・カレーは、甘くて女性には良いのですがスパイシー好きにはボヤケタ風味でもあるのです。甘い中にもシャキット締まった感じのケララ風スープは、色んな素材と合わせて、季節ごとに楽しませて頂けると、幸です。
バイガン・カ・バルタは、夜の最初の訪問でノンヴェジ派の私をヴェジに目覚めさせてくれた一品で、今回も「肉とか使わなくてこれは凄い」とインド料理を食べ慣れた面々にも大好評でした。
牡蠣のカレーは、前2回頂いたサフェドラジャスタンマーンズ(白いラムカレー)系統の濃厚なスープ。ともすればシチューになってしまうこの種のカレーに、スパイスで深みを与え、牡蠣の旨みをスープに引出しているのも優秀。白いラムカレーでは白くする為にフライドオニオンを浮かせているのに対し、本品のスープの違いは、キッチリと炒められた玉葱が使われていることと、生姜の千切り等が加えられているとこかな。季節に一度と言わず頂きたい一品です。
今回は食べ慣れた6名ということで、極端なメニュー構成としましたが、ラーンを中心に、こんな楽しみ方もできますので、注文の方法など、参考にして頂ければ、幸です。なお、人数や予算や希望を店側に伝えれば、加藤店長が丁寧にメニューを組んでくれますので、私のように自分で組む必要もありません。
この場合、飲む人が多いので安くて美味しいワインを沢山とか、私のレヴューなど参考に、ムルギチャンプと鴨のタンドール焼と○○カレーは食べたいとか、人数分で大盛でシェアし易いように品数を選んで!とか、具体的に伝えるのが、良いと思います。
(2013.9.28 訪問)
2ヶ月連続でのオフ会。今回の6名でのディナーのメニューの選定においては、先月末の5名のディナーの下記の所感を踏まえました。
●これは凄いと感動したのは、カチュンバルサラダとムルギチャンプとバイガン・カ・バルタの3品。当店限定ということで良かった物は、サフェド・ラジャスタン・マーンズ。
●ラム肉の焼物は、悪くないけど、ダバやアーンドラのレアーに慣れていると、感動はしません。
●ビリヤニは、見た目は面白いですが、ダバやアーンドラの本物とは、比較になりません。
●肉系カレーは、ナーガルジュナやダバと比較してしまうと、スパイシーや辛さを求める私は一歩譲ってしまいます。高級インド料理店出身の殻を破ることは出来ないのでしょう。
ということで、昼でもスペシャルで食べられる肉系の定番カレーは外して、優秀さを感じたヴェジカレーの中からダール・タルカを一品追加とシーズナルメニューのカレーに入れ替え、焼物もムルギチャンプだけ残して入れ替えることとしました。特に骨付きラムすね肉のタンドール炭火焼は、ホームページメニューのケバブの一番下にあるラーン(Raan)と呼ばれる6~12人でシェアする定番メニュー(一万四千円)を、期間限定で2~3人前で出すので、絶好の機会ということで選んでみました。加藤ソムリエ兼店長とのメールのやり取りで決定した六人分のメニューなどは、以下の通りです。
・①ブロックのサラダはホームページメニューに無いので6名分で特注。
・予算を1人六千円として、差額の5,200円で③ブロックの各単品が6名でシェアし易いよう料金の範囲内で大盛に。
・メニュー表の順番で、冷めることの無いよう、一品ずつ適時に出して頂く。一度にカレーが5種類出ると味が分らなくなるので、ヴェジカレーとノンベジカレーは2回に分けて給仕して頂く。
①------------------計2,400
・サラダ六皿(2,400)【特注】
②------------------計13,000
・ムルギチャンプ六ピース(2,000X6/3=4,000)
・ベジタブル・シーク・カバブ六ピース(1,200X6/3=2,400)
・骨付きラムすね肉のタンドール炭火焼き、コーンローティ添え(2200X3=6,600)
③------------------計8,550+5,200=13,750
・バスマティライス(550)
・ダール・タルカ(挽き割り豆のカレー)(1,100)
・バイガン・カ・バルタ(1,400)
--------------------(ヴェジカレーとノンベジカレーは、2回に分けて給仕)
・サフェド・ラジャスタン・マーンズ(1,800)
・鱧のスープカレー、ケララ風(2,000)
・豚肉のグリーンハーブカレー(1,700)
④------------------計6,850
・加藤ソムリエ兼店長お見立て赤ワイン1本+ハーフ(6,000)
・サンペレグリーノ(炭酸水/イタリア)(850)
--------------------
合計 36,000 1人六千円
土曜夜の19時半の定刻に全員集合し、無事開始です。最初にワインが注がれます。加藤ソムリエ兼店長のチョイスは、チリの赤ワインのCantera(四千円)で、タンドールにもカレーにも良く合います。なお、インドワインは四千四百円からですが、高いのも安いのも、事前に相談すれば豊富なストックからチョイスして頂けます。
程なく当店名物のパパドと4種のチャトニが供されます。ミントは前回同様ですが、他は変えていってます。私は前回のトマトから変わったタマリンドのチャト二がお気に入りで、これとミントをタンドール焼き中心に合わせて頂きました。これも当店ならではの楽しみで、全品お代わりしました。
・サラダ【特注】
前回同様にカチュンバルですが、梨が柿に変わり、季節感を出されているのは、流石です。
・ムルギチャンプ【コリアンダーやミントで香り豊かに味つけしたスパイシーな骨付きチキン】
これは前回同様に、しっとり感とパクチー&ミントの相性が抜群で、幾らでも食べたくなります。
・ベジタブル・シーク・カバブ【野菜だけでつくったヘルシーなシーク・カバブ】
豆やポテトを主に、見事にシーク・カバブに仕上げられており、4種のチャトニを付けて、様々な味わいが楽しめます。
・骨付きラムすね肉のタンドール炭火焼き、コーンローティ添え【骨付きラムすね肉を秘伝のマサラに漬け込み炭火で香ばしく焼き上げたインドの伝統的な調理法でつくるムガル宮廷料理、コーンミールのローティーを添えて】
写真をお見せできないのが残念です(笑)が、チューリップ状のでっかい脛にタップリのマサラがかけられ、ロティが添えられてます。二人で一つなので写真撮影後に切り分けて頂きました。脛は筋肉で硬い部位のため、一晩マリネして漬け込んだ後、温度の低い所で長時間焼いて、出てきた肉汁も合わせてマサラを作り、最後に仕上げと、大変手の込んだ一品です。脛は、プリップリで柔らかく程よい噛み応え。マサラは酸味も入った濃厚なものなので、主にロティと一緒に頂きました。この皿をメインにするならお一人で存分に、コースメニューに組み込むなら二人でシェアしても十分な量で楽しめます。超お勧めです。
・ダール・タルカ(挽き割り豆のカレー) 【皮をとって挽き割りにしたムング・ダール(緑豆)の爽やかな酸味のある煮込み】
緑豆とトマトとパウダースパイスを煮込む一方で、クミンシードと鷹の爪をテンパリングして玉葱を黄金色まで炒め、これを合わせた後に更に煮詰めていく北インドの代表的な一品。前回当店のヴェジカレーのレベルの高さに感動してチョイスしましたが、湯取り法のバスマティに、下のバイガン・カ・バルタと左右にかけて交互に食べ比べる旨さは、最高ですね。恐れ入りました。
・バイガン・カ・バルタ【香ばしくタンドゥールでローストしたナスの香味野菜とスパイスの炒め煮】
・サフェド・ラジャスタン・マーンズ【皇帝のカレーと称されるラジャスタンの白いラムカレー】
・鱧のスープカレー、ケララ風【湯引きした旬の鱧を、フレッシュカレーリーフやココナツミルクを使った爽やかですっきりした南インド、ケララの海老カレーに浮かべた夏のカレー】
当店の超人気メニューのゴア・プローン・カレー(ゴア風エビカレー)よりも甘みを抑えてシャキッとさせたケララのエビカレーに、骨切された鱧を浮かべた一品。何とか鱧を活かせないかと苦労して作られたレシピです。ゴア・プローンよりも断然旨く、鱧が美味しく食べられますねー。
・豚肉のグリーンハーブカレー【香ばしく炭火焼きした豚肉をミントやコリアンダーと煮込んだ心も体もリフレッシュするカレー】
正に説明書通り。ダバインディアのラムコリアンダーマサラを煮詰めた感じの濃厚さに、一手間かけて焼いた豚肉の香ばしさが加わり、新鮮な美味しさです。定番化しても人気メニューになると思います。
・バスマティライス【上記5種のカレーには湯取り法で茹で上げたこれを合わせて】
今回は6名の参加を得て、興味のあった夏のシーズナルメニューを中心に頂きましたが、期待以上のコースになったと思います。
秋のシーズナルメニューの試作などが遅れている模様ですので、暫くは頂けると思います。悔いの無いよう、今夏のシーズナルにお急ぎ下さい。
(2013.8.24 訪問)
夜の当店は、ダルマサーガラとアジャンタと並んで高級/高額店で有名。他の2店は、ランチでの実食と食べログレヴューを読んで、大金をつぎ込む価値は無いと判断。が、当店に関しては、ランチでのスペシャルカレーと湯取り法で茹で上げたバスマティの素晴しさ、有名レヴュアー様方の夜の単品の絶賛を目にして、機会があれば、と考えておりました。私が昨年10月にランチで初訪したレヴュー後、マイレヴュアー様方もランチに続々と訪問されてその数は10名を超え、中には夜にも是非行きたいと仰る方も増えてきましたので、最大5名の範囲で声をかけて、8月下旬に5名のディナーを催すことに。
当店のホームページを見ると五千円/人のコースは有るのですが、他の店のコースと同様にラム・マトンは選択のカレー1品しか選べない物でしたので、グランドメニューの単品で組んでいくことに。当店のホームページからメッセージを送り、シタール青山の加藤店長に取り繋いで頂き、以下の4点をお願いした上で、メニューを最終決定。価格設定は飲み物込みで、ダバインディアやアーンドラダイニングの五千円に千円プラスの、六千円としました。この間、2、3のメール交信をしましたが、素晴しい店の店長様は流石の対応でございました。
・①ブロックのサラダはホームページメニューに無いので5名分で特注。③のポークヴィンダルーも同じく特注
・②ブロックのケバブは標準メニューが3ピースなので、1人1ピースあての5ピースに換算
・予算を1人六千円として、差額の3,170円で③ブロックの各単品が5名でシェアし易いよう料金の範囲内で大盛に
・メニュー表の順番で、冷めることの無いよう、一品ずつ適時に出していただく
①---------------------------------------------------計2,000
生野菜サラダ(2,000)/(特注、5名分)
②---------------------------------------------------計9,830
ムルギチャンプ(2,000)/5ピース 2,000×5/3=(3,330)
シーク・カバブ(1,500)/5ピース 1,500×5/3=(2,500)
タンドゥーリ・ラム・チョップ(2,400)/5ピース 2,400×5/3=(4,000)
③---------------------------------------------------計9,150+3,170=12,320
ゴーシュト・ダム・ビリヤニ(2,200)
バイガン・カ・バルタ(1,400)
サフェド・ラジャスタン・マーンズ(1,800)
ローガン・ジョッシュ(1,600)
ポークヴィンダルー(特注)(1,600)
バスマティライス(550)
--------------------------------------
料理合計\24,150
サンペレグリーノ(炭酸水/イタリア)(850)
カベルネソーヴィニヨン(4,400)
ラッシー(マサラ)(600)
--------------------------------------
ドリンクその他\5,850
合計\30,000(1人\6,000)
土曜夜の19時半の定刻に全員集合し、無事開始です。なお、加藤店長には事前の最終確認メールで「今回の参加者は、タンドール焼物はレアー寄りが好みです。また、普通の方よりは辛くスパイシーへの耐性はありますので、辛くして美味しくなる料理だけ、辛くスパイシーを考慮して下さい。なお、当店の流儀があると思いますので、加藤店長の御判断で、シタ-ラ青山として自信を持って出せるものを供して頂ければ幸です」と、申し添えておきました。
最初にワインが注がれます。流石にソムリエ兼店長と名乗られるだけあり、ベストな温度。これは他では敵いませんね。直ぐに当店名物のパパドと4種のチャトニが供されます。ミント、トマト、スウィートマンゴ、マンゴアチャールの4種。パパドを小片に割って一種ずつ乗せて味わっていくと、これだけでも当店に来た楽しみがあります。特に、パクチーが濃いミント、辛いマンゴアチャールが、好みでした。
・生野菜サラダ 【特注】
北インドのノンオイルでヘルシーな生野菜だけのサラダのカチュンバル。トマト、キュウリ、玉葱などの野菜に加えて梨も小さなダイス状にカットされ、グリーンチリとマンゴードレッシングで味付けられてます。これに、グリーントマトチャツネ、ザクロ、パパイヤも添えられてます。加藤店長に訊くと、コースに普段つけているサラダとは全く異なるオリジナル。今回、私の注文を受けてから、インドのThe Oberoiグループから招聘しているシェフとアイデアを出し合い、カチュンバルを基軸に彩りも豪華にした一品。これだけのために、通常仕入れとは別に、材料を買いに行かれたとのこと。私の稚拙な文章では表現しきれませんので、参加された方々のお写真を拝見して下さい。写っている物は一人分で、とても一皿四百円のサラダではありません。
・ムルギチャンプ 【コリアンダーやミントで香り豊かに味つけしたスパイシーな骨付きチキン】
当店のチキンのタンドール焼はとにかく旨いとの評判から、昨年あたりから定常メニューになったこちらをチョイス。タンドール窯で一度焼いた後でホイルを巻いてオーブンにかけて最後にタンドール窯で仕上げた一品。外がパリで中がジューシーの絶妙の焼き具合にコリアンダーとミントが良く合います。
・シーク・カバブ 【秘伝のスパイスで調味したジューシーなラム挽き肉の串焼きロースト】
ソーセージのように超細かく挽かれたラムに玉葱は加えずグリーンチリとパクチーとパウダースパイスを練りこんで焼き上げた一品。シルクのように滑らかな食感でジューシーです。
・タンドゥーリ・ラム・チョップ 【スパイシーなスペシャルマサラで丹念にマリネしたラム・チョップの炭火焼き】
こちらは背骨に1本の枝骨でL字型となった骨に囲まれたラムチョップ。枝骨2本で1ピースのアーンドラに比べると全体的に焼き上げられた部分が多くなります。アーンドラとは全く異なるスパイシーな味付けで、焦げ始めた辺りの香ばしさが美味しく、全く違う料理になってます。
・ゴーシュト・ダム・ビリヤニ 【軟らかなラムと香り高いバスマティライスの融合が素晴らしいインド料理の最高峰】
陶製の容器の中で湯取り法で茹で上げたバスマティとホールスパイスとラム肉のマサラを混ぜ合わせて、ナンの生地で蓋をして弱火で20分ほど加熱した簡易調理法のビリヤ二。さすがにパラパラ感は有りませんが、炒めた物ではないので油分も無く、柔らかいラムの炊き込みご飯という感じで、美味しく頂けます。見た目の面白さが華を添えますので一品注文は有りですが、本格的を求める人には勧めません。
・バイガン・カ・バルタ 【香ばしくタンドゥールでローストしたナスの香味野菜とスパイスの炒め煮】
説明通りの茄子のカレーで、ローストした香ばしさと特性のガラムマサラの織り成す風味が抜群で、こんなに美味しい北のヴェジカレーを食べたのは初めて。本日の4種のカレーの中で一番かも。
・サフェド・ラジャスタン・マーンズ 【皇帝のカレーと称されるラジャスタンの白いラムカレー】
クリームシチューのようですが、チャンと濃厚な北インドのカレーです。加藤店長を入れて皆で話してたところ、スパイスのテンパリングでも色が付くし、玉葱の炒めでも色が付くので、白くすることって結構難しいんだなということになりました。柔らかいラムとの相性は頗る良好。
・ローガン・ジョッシュ 【じっくり時間をかけて仕上げたカシミール風のラム煮込み】
昨年10月にランチで食べたのと味は同系でしたが、よりスパイシーには、仕上がってました。
・ポークヴィンダルー 【特注】
昨年10月にランチで食べた物に、ポテトが加わっていました。ワインビネガーの酸味は前回同様にやや控えめに感じますが、このようなのが本物なのでしょうね。大振りのポークの角切りは、火通し的に一番硬い状態でしたので、フォークで薄く切って、美味しく頂きました。
・バスマティライス【上記四種のカレーには湯取り法で茹で上げたこれを合わせて】
湯取り法のフワッフワ感は、私は好きです。香りは消えますが、当店のように繊細で穏やかなカレーには、こちらの方が合うと思います。五名で大きな器一杯を、お代わりで同量頂いて、カレーも全て平らげました。腹八分目を常とする私が、久しぶりに一杯食べてしまいました。
料理の評価については、最高レベルであることは認めるものの、ダバやアーンドラなど南インド料理店の活きたスパイスとの比較と閉店したナーガルジュナとの比較で★4.5、接客については申し分なしの★5、総合は★4.6とさせて頂きます。
今回は初めての夜のシタ-ラ青山ということで、面識のあるマイレヴュアー様の中で、当店レヴューへのコメント等で夜に行きたいと明言された方から御誘いしました。が、是非とも行きたいけど都合の悪い方も居られましたので、その次の上京の際に、2回目を行うことを考えています。
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(2012.10.27 訪問)
夜は単品カレーが千八百円もする、夜はテーブルに2重にクロスが掛けられると、場所柄もあり高級感が売りの当店ですが、昼は平日・休日でシステムが変わらずリーゾナブルとの情報を得て、土曜日の正午過ぎに訪問しました。
表参道駅のB1出口を直進して20メートルで左に有る狭い道を入って数百メートル進むと当店が入っている小原流会館に突き当たります。地下1階に降りて、当店のレジの前で止まっていると3、4名いる接客の男性が案内してくれます。
メニューを差し出され、Wカレーセット(千三百円)で、追加料金のスペシャルカレーを2品選ぶことに。辛さマークを見ると、ゴアプローンカレーが3つ、(マトン)ローガンジョシュが1つなので、この2つかなと思って尋ねると「この2つは辛さマークが逆になってます」「そうだと思いましたよ。じゃあゴアのエビカレーを選ぶ利点もないので、ポークカレーはどんな味付け?」「夏夜に出しているポークビンダルーほど本格的ではないですが、ビンダルー風です」「じゃあ、ローガンジョシュ(+四百二十円)と、ポークビンダルー(+三百八十円)。バスマティライス。食後の飲み物は要りません」。厨房の中から声が僅かに聞こえてきて「ポークビンダルーはなるべく本格に近いように」。アルコールのリストを見せてもらうと、インドビールも赤ワインも八百円から千円と良い値段してます。で、ランチメニューにあるハウスワイン五百円を注文。
ワインが運ばれてきて大きなワイングラスにタップリ。カベルネ系の重厚な良い味してます。これなら、高いワインは要りません。待つこと15分でワンプレートに、中程度の陶器に入ったカレー2つと、バスマティ、レタスなどのサラダ、ポテトに豆粉の衣を付けて揚げた一品。
バスマティは湯取り法で調理されたフワフワ。グリーンカルダモンがホールで2つ乗せられてます。
マトンローガンジョシュは、一口大のマトンが4つ入っており、火の通し加減はミディアムを少し超えたぐらいで、噛みごたえジューシーさ共に、合格です。各肉片に脂身が適量付いているところも私にはプラスのポイント。スープはマトンの臭が十分で、ホールのスパイスは見えないものの数種のスパイスは香り、グリーンチリやパクチー、生姜と、絶妙な味の一体感を醸し出してます。
ポークビンダルーは、強いて言えばもう少しワインビネガーの酸味が強くてもいいかな?ぐらいで、これは絶品です。パクチーや生姜も一体になってます。肉は、これが凄いです。マトンより一回り大きな適量脂身の付いた塊が6つも入っています。スープの量より多いです。これはヒットです。
バスマティは少し残して、他は完食です。二千百円のランチにしては、十二分なレベルと量でした。大満足で夜に備えることとしました。
高級店ですが、豪華なランチをということでは、決して高くないし、ハウス赤ワインもグッドなので、興味のある方は一度お試し下さい。だだし、ダバ関連の店に比べると、刺激的スパイスを志向しておりませんので、それだけは御承知おきください。