2回
2025/08 訪問
天然鼈（スッポン）、奥久慈軍鶏、鯉と夏茸でテロワールを演出16500税別
献立
冷やし薄蒸し（茶碗蒸し）白魚（小沼水産霞ヶ浦産白魚）餡 トマト 胡瓜 モロヘイヤ
前菜、奥の左側から瓜ゼリー酢、.ゴーヤ肉味噌、冬瓜、.ビーツ、新蓮根、パプリカ、.オクラ、とうもろこしかき揚、.オクラの花
小吸物、霞ヶ浦産天然スッポン
小吸物、スッポン、左身、右エンペラー
小吸物、スッポン、左身、右エンペラー
鯉錦和え、鱗揚げがかけられ、良い味
奥久慈軍鶏、手前から砂肝、ハツ、ササミ
奥久慈軍鶏、左腿右胸
奥久慈軍鶏、奥から手羽先とボン尻
奥久慈軍鶏、あしらい（杏子蜜煮、赤玉葱土佐酢漬け）
霞ヶ浦産天然スッポン首の唐揚げ
霞ヶ浦産天然スッポン首の唐揚げ
八寸、奥左から、秘密の茸、ずんだ和え（どんこ、あわ麩、赤蒟蒻）、キクラゲとツルムラサキお浸し、ムラサキヤマドリタケ
鯉香味ソース
鯉香味ソース
茸ご飯（アカヤマドリタケ、ヤマドリタケ、ショウゲンジ、フウセンタケ、アンズタケ）
茸ご飯、奥久慈軍鶏白湯スープ、香の物（キャベツ）
茸ご飯、少な目
梅ゼリー（土浦産南高梅）
使用された朝採れ茸
使用された朝採れ茸
2025/09/02 更新
2024/05 訪問
茨城テロワール春を満喫！
当店の超常連で15年来の知り合い（以下、氏）の御誘いを機に訪問。氏の御誘いを受けて、ザっと氏の当店レヴューと評点を全て拝見して、氏の当店繁栄に対する貢献が、規模は小さいながらも10年ほど前の私の「シターラ青山」に対するものを想い起させてくれました。客が店を育てるというのは、言い得て妙です。
私は小食なので南アジア料理は基本シェアなので無問題ですが、一人一皿の会席は東京時代から、残すと店に悪いので積極的な参加は控えていました。美味しいものは腹八分目に止めるのが余韻を含めて良なので、「さいとう」でも握りの後半は間引いてもらった数少ない者（笑）。昨年4月、5月の氏レヴューを参照すると、美味の物を少量多種に適っていましたので、参加を決断。事前の懸念は近くの蕎麦屋の山菜天麩羅が４月中旬で〆と早目だったので大丈夫か？山菜以外での期待は、小魚（豆鯵、のれそれ、稚鮎、目光一夜干など）と店主が重用される豚でした。
蓋を開ければ献立表の通りで、時期の早まった山菜の調達には茨城以外からも含めて苦労されたようですが、良い方向へのずれで期待を上回りました。献立表から産地の変更も有りましたので、推測するに予約すれば誰でも頂けるコースがこの値段で可能なのは、奇跡。
以下、（20年ぶり帰還の新参者ですが）茨城県民目線の贔屓目もありで、感想など述べます。
白魚唐揚：生も良いのですが衣が絶妙で嬉しい一品目となります
前菜：一品ごとに語ると尽きませんので省略しますが、山菜、うど、筍など一品毎の仕事に惚れ惚れ
お椀：塩水で砂を出し切った蛤は何も加えず極上のスープとなりますが、利尻昆布も加わり更に昇華
鯉洗い：鮎以外の淡水魚の造りは20年以上食してなく警戒していました。これは臭みもなく部位により甘く部位によりサッパリで感動。酢味噌と行者大蒜醤油が用意されましたが私の好みは試してみて醤油の方でした。加えて皮も美味ですが、素揚げした鱗が香ばしく
のれそれ：穴子は実家の瀬戸内が本場と思っていましたが、こんなの食べたことが無いです。甘酢醤油との絡みも絶妙。大きいものは10㎝近くありタップリ頂いていいのかと思う逸品、穴子が不漁にならないかと心配
穴子：私の祖父母世代の瀬戸内では生き血が好みの人もいたとか。私は刺身は初めてですが、絶妙の火入れの皮も含めて旨味が詰まっており、美味しく頂きました。のれそれと合わせて親子を味わわせる日本の美学ですね
目光一夜干し：未だ旬が外れてない様で我が家でも丸唐揚を食しました。一風変わった美味
天然鰻蒲焼：地焼きで天然鰻の歯応えと風味を凝縮した絶品。60年程前の幼少期に実家の前の川に魚籠を仕掛け早朝に回収し祖母が七輪で焼いてくれた記憶が蘇ります。清流ではなく霞ヶ浦ということで尋ねると「魚籠の仕掛けですが漁場の環境に大きく左右されるので一人の漁師だけから仕入れ。旬は水温によるのでここは4月から9月まで、外すとパサパサになります」
山菜天麩羅：天麩羅は素人なのでと店主が仰っていましたが、合格です（笑）。これだけの素材を調達されたご苦労が伺えます
止肴：豚生産王国茨城の二大純血豚であるメイシャントンとデュロックを夫々素材の特長を活かした味噌漬と塩で出すとは流石で御座います。既に全国のミシュラン店への素材の提供やハムの出荷は進んでいる様ですが、是非とも当店の名物料理に成長させて、魅力が無いと評される茨城県に一石を投じて頂きたい
山菜御飯：写真で御覧の通り、何も言うことのない美味。お替りを進められましたがお断り、絶妙な質と量の皐月コースでした
猪味噌汁：猪の滋養が溢れ出てこの世のものと思えない味噌汁、贅沢すぎます
当店を発掘・昇華されお声がけ頂いた超常連さま、少量多種の旬で素晴らしい献立を組まれて丁寧な仕事をなされた店主さま、当店の実力に見合った心温まる持て成しをして頂いた女性スタッフの皆さま、話題豊富で雰囲気を和ませ盛上げて頂いた御同席の皆さまに、感謝。お陰様で約３時間の至福の一時を過ごさせて頂きました。今度は茸の旬に御誘い頂ければ幸です。
献立表
白魚唐揚
前菜
お椀
鯉洗い
鯉洗いアップ
のれそれ造り
穴子造り
目光一夜干し
口直し
天然鰻蒲焼
こしあぶら、こごみ天麩羅
たらの芽天麩羅
二大純血豚
山菜御飯
御飯、猪味噌汁、香の物
葛切り
2024/05/25 更新
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最近マイレヴィになって頂いた方に緊急告知！日本食ブロンズ店で天然スッポン、奥久慈軍鶏入りコース16500税別が9月中なら頂けますので、琴線に触れる方は是非とも電話予約でお運びを。行って後悔無は、私が保証します。JR土浦駅西口からタクシー700円。
当店への初訪問は、昨年2月の水戸自宅へ帰還後に食べログ再開し、2010頃出会い親友のマイレヴィ様で当店の超常連様が貢献して食べログ評価の爆上がりを認知。自宅水戸から比較的近いので程なく超常連様春にお願いし訪問しレヴュー、秋も訪問ながら多忙にて未レヴュー。
超常連様との出会いは、当時レヴュー数は持ちながらインド料理は素人で、お声がけ頂いてのインド指南から始まり。福井在住の私が東京のインド料理界を牽引する手法は、店のデフォルトでメニューを構成し、5、.6人の参加者を募り感じた儘をレヴューして貰うこと。後で聞くと、あのメニューでお願いしますとの声が広がり、繁盛に繋がったとの店経営側の反応。この参加者集めに協力して頂きました。2010‐2015で、東京の南アジア料理店の格付けはこうして定まり、十年経過の今も健在。緒常連様は良く似た手法で、また今回の奥久慈軍鶏の様な新たな食材を要望し、千葉のプレゼンテスギ（初訪2018..5、食べログゴールド2024.4）、茨城のレストランオオツ（初訪2019.4、当時評点3.65、現4.36ブロンズ）、よし町（初訪2022.4、当時評点3.13、現4.10ブロンズ）を引き上げられました。私のインド料理などは東京で反応が早いので半年位で食べログ上位にランクインは達成できましたが、東京都外で数年費やして達成された超常連様には頭が下がる思いです。
この席は、昨年10月の秋キノコの会に遡ります。天然鼈（スッポン）の汁が出たので、是非とも鼈三昧を食べたいと超常連様にお願いするも、シーズン終了、来年とのこと。霞ヶ浦の鼈は目覚めが4月で、餌を食べて捕獲は7月以降。その時点で予約が叶ったのが当日。同席は、超常連様と、馴染みの食通のカップルの、計4名、ベストの会食です。メニュー構成にも私の考察があり、先ずはそちらに言及。
天然鼈だけでは構成が無理とのことで、他は店主と超常連様にお任せ。メニューを示され、嬉しかったのが奥久慈軍鶏三昧。実は同じメンバーでのレストランオオツの会食が昨年夏に在り、その頃にホロホロ鳥のモツが話題に上がり、私は奥久慈軍鶏のモツを要望。期待したのに、当日は真逆のホロホロ鳥正肉がドーンと。普通なら席を立ちましたが、超常連様の顔を潰すわけにもいかず、せめてもの抵抗で、一口食べて食べ残し。他は鮑のすり流しやペアリングのワインが美味・超絶コスパでレヴューしたかったのですが、ネガティブは好まないのでレヴュー却下。そんなことも超常連様の記憶にあるやなしや。同席ペアも奥久慈軍鶏三昧を絶賛。
鯉はメジャーではなく、しかし店主が拘っておられる魚です。今回も刺身と煮で2品用意。いずれ当店の看板に育てて欲しいです。
茸は、わかば屋さんが1時間前に届けたもの。店主曰く「超常連様が来られるのですね」と確認の上で、採って来て頂きました。よし町の食べログ高評価は、地元の食材供給者の方々の誇りにもなっており、その気概が嬉しいことです。
葉月 テロワールコース 御献立 の順に頂きました。
冷やし薄蒸し（茶碗蒸し）白魚（小沼水産霞ヶ浦産白魚）餡 トマト 胡瓜 モロヘイヤ：7月21日に解禁された霞ヶ浦の白魚と説明した接客女性を評価、店の高評価と共に成長されていることが将来性を期待させられます。冷製茶碗蒸しは見事。モロヘイヤの粘りをあわせるとは流石。
前菜：.夏野菜9種類の盛り合わせです。奥の左側から紹介。
瓜ゼリー酢
.ゴーヤ肉味噌：夏の定番食材。他店とは競合しない
冬瓜：生で酢。感性の一品
.ビーツ：薄切りでサラダが定番ですが角で美味。尋ねると蒸し焼き
新蓮根：一番の産地なのに初めて頂くかも。絶品
パプリカ：酢がサッパリ感を
.オクラ
とうもろこしかき揚：熱いうちにと接客女性。甘みが程よくほっこり
.オクラの花：玉葱煮のような不思議
小吸物；本日の真打登場。10か月待ちわびた霞ヶ浦産天然鼈（スッポン）。エンペラーの名称も同席者に教わる素人ですが、天然鼈の味覚を刻むことができ、冥途の土産になりました。接客女性から小骨に注意との助言があるも、後の唐揚を含めて当日は同席者を含めて皆無
鯉錦和え；山野水産霞ヶ浦産鯉に細切りの黄韮、胡瓜、ビーツ、長葱と大葉を添えた逸品。これに鱗揚げがかけられ、良い味出していました
奥久慈しゃも炭火焼き；圧巻です。私への超常連様の回答と受け取りました。こんなの都内で出したら価格破壊で、万を取る店は総崩れですよ。予約から今回の訪問まで時間がありましたので、食材を寝かせる期間も風あても見極められての提供。レバーは域に達せず却下。高級店と比較できない私はともかく、食通の皆さま絶賛なので、よし町の看板に！
一皿目手前から……
砂肝：絶賛一位、店主も仰る絶品で全員納得。旨味が深く噛み応えが絶妙
ハツ
ササミ：ミディアムレアー。塩加減が絶妙
二皿目左腿右胸……皮の香ばしさを極限まで。腿より美味い胸は初めてかも
三皿目……手羽先とボン尻。最後に脂っぽい絶妙な配置
添えられた.あしらい（杏子蜜煮、赤玉葱土佐酢漬け）はかすみました
霞ヶ浦産天然鼈唐揚げ：まず激旨で最初は声が出ず。徐々に、中が筋肉質で回りがエンペラー様のゼラチンなので、再構築だろうで意見が一致していました。食事後に店主に伺うと「数が揃ったので首を一人一尾」首を抜く仕草がオチャメで面白く
八寸：奥左から、秘密の茸、ずんだ和え（どんこ、あわ麩、赤蒟蒻）、キクラゲとツルムラサキお浸し、ムラサキヤマドリタケ；ムラサキヤマドリタケが超絶に美味で、食通の皆様はこれが秘密の茸で接客女性の説明が間違いだろうと。店主曰く「これが希少で美味なのです。超常連様に是非にと、開始1時間前に届いたので、メニュー表修正し、接客に指示もあたふたと」
鯉香味ソース：南蛮風に煮た鯉に大振りなズッキーニ、細切れのパプリカ、長葱とオクラが添えられ、ディルがかけられます。煮た鯉も優秀ですがディルも良い風味を添えています。
お食事
茸ご飯（アカヤマドリタケ、ヤマドリタケ、ショウゲンジ、フウセンタケ、アンズタケ）：小食の私には珍しく、同席者もビックリのここまでを完食。なので少な目で。
奥久慈しゃも白湯スープ：素人ながら凄みを感じました
香の物（キャベツ）
梅ゼリー（土浦産南高梅）：冷たく冷され最後はサッパリと
10か月も待った念願の当店での天然スッポンの席を、一番ふさわしい方々と、楽しむことができ、大満足です。嬉しかったのが、前回より10ヵ月で接客レヴェルが上がったこと。方向性は正しいので、更なる研鑽を！