以前の日記でも「釣魚が常に美味い訳ではない」といった内容を書いた事が
あるが、このGWの釣行でもまた非常に興味深い経験が出来た。
敦賀の湾内でに15:00~21:00の夜半釣りに出かけた。
時期もまだ少々早いが、若潮も響いているのか静かな砂浜の湾内はさざ波も
潮の動きも無く、全然釣れない。深さもせいぜい2M程度だろうか。
夕方にキスが1匹掛かってくれたのみで、殆どアタリも無い。
日が落ちてから、一発狙いでセイゴ仕掛けの針11号・ハリス3号に青虫房掛けで
ぶっこみ釣りをしていたが、そのままアタリも無く20:30頃。
帰ろうかなぁ、と言っていた矢先に竿に激しいアタリ。
「おおっ!」慎重に巻き上げると、何と41cmの真鯛であった。
この辺は養殖逃亡者の真鯛がいるのでしっかりチェックしてみたが、結果紛う事
なき天然真鯛。
夜になると大きい魚が回ってくる事があるとは聞いていたが、まさかこんな
浅場の砂浜でこのサイズの真鯛が掛かるとは思わない。その場で〆て家に
持ち帰り、次の日に刺身・アラ炊き・山椒焼きをこしらえて頂いてみた。
う~~ん??。。どうにもクセのある生臭さと脂臭さを感じる。
捌いている途中で、いつもの真鯛特有の清冽な鉄臭さがあまり感じられない
割には妙に脂が乗っていたのが気にはなっていた。実食してみて、果たしてその
疑問はそのまま食味に出てしまっていた。
恐らく湾内居着きの真鯛なのだろう。潮が緩い場所を回遊して釣り餌のおこぼれ
や養殖場の餌をついばんでいる為にこういう味わいになってしまうのだろうか。
妻が(悪い意味で)「黒鯛みたいな味」と言ったが、言わんとする事は自分にも
よく判った。
もしまたこの場所で真鯛が釣れる事があったら、洋風か中華風にガッツリ調味料
を使って調理した方がまだ何とか食えるかな、等と些か詮無き事を考えて
しまった。
いずれにせよ、毎秋に篠島周りの船で釣り上げる真鯛とは比ぶるべくもない。
普段自分が如何に美味い真鯛を口にしているのかを改めて認識すると同時に、
天然とは言っても、魚介類はその生活する場所・潮の流れ・餌によって随分
味わいが変わってくるものだ、と痛感出来た体験だった。
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