『GW食紀行・備忘録①』Sanurai Jさんの日記

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大味必淡(そうでないのも亦楽しからずや)

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Sanurai J (50代後半・男性・岐阜県)

日記詳細

まだまだ復興進まぬ能登輪島、そんな中輪島のお宿たなかさんが通常営業に
戻られたので、支援がてら一泊旅行に向かった。
詳細はレビューにも書いたが「変わらぬお宿の春の美味」だった事は大変
嬉しかったし、むしろ又GWの時期に来てみたいと思わせてくれた。

そのお宿の真ん前にある、JAのと輪島支店。訪れる度によく利用する。
こじんまりしたJAの支店だが、色々な地物の面白い物、美味い物があったり
するので侮れない。
(そもそも各地旅行の際はこうしたJAを訪れる事が多いのだが)
状況的に品数はどうかと思っていたが、結構多くの物が並んでいて安心した。
その中で、一袋160円前後の安価で売られているワカメ(太い茎付)を
見つけた。一見めかぶと見紛う茶色のそれは、地元の方が採ってきた物に
見える。朝9:00過ぎ、開店したてに入った時には既に現地のおばちゃんが
争うように買っていたので自分も最後の2袋を購入。
帰宅後頂こうと熱湯で湯掻く。サッと緑色に変わる。
吸い物によし、しゃぶしゃぶでも刺身わかめで食しても良し。
香りも良く、中々に美味い物だ。CP的にもトップレベルの食材だろう。

能登当目の熟れ寿司は小鯵のなれ寿司で、こちらのJAでもよく見かける。
現地のスローフードで昔からこうした熟れ寿司は作られてきたようだ。
口にするとかなり強い酸味と発酵臭がするが、慣れるとやみつきになる。
以前お宿たなかさんでも地元発酵系食材として”小鯵のひね寿司”が少量出された
事がある。そちらは程良い酸味で、輪島塗の食器にちょこんと盛られているのが
良く似合う、大変味わい深い物だった。

翌日はいつもの西山PAへ。「ゆめ工房すず」さんの日本ミツバチの百花蜜が
売られていたのを見つけ2瓶購入。良かった、まだ販売されていたのだ。
(尚、道の駅のと千里浜でも販売されていた)
日本ミツバチのハチミツ自体は地元岐阜含め他でも売られていない訳ではない
が、今の所上記のハチミツを超える物には出会っていない。

帰りは金沢のマキノンチさんにて夕食。2025.5.1現在食べログ金沢フレンチで
1位となっているお店だが、実際にはイノベーティブ・フュージョン系のお料理
と感じる。石川の春の高級食材をあの手この手で調理をされ、品数も多く手間も
掛かったお料理は確かに美しく楽しく、又概ね美味い(正直物によっては過剰
演出と感じた事も無いではなかったが)。
事実ミシュラン2つ星も獲得されており、価格帯に釣り合う食事体験を提供
している、とは言えるだろう。
若干奥歯に物が挟まった言い方になるのは、庶民であるが故にどうしても
「費用対効果(CP)」を考えてしまうからだ。
ドリンク(ソフトドリンク3杯)、サービス料等々合わせ¥32,000/人程。

例えば、和の技法に振った懐石料理ならば京都の乃り英さん。
フレンチで言えば京都のステファンパンテルさん、もっと言えば地元のフレンチ
のお店パルファンさん(こちらもミシュラン一つ星を獲られたようだが)。
いずれも15,000円~20,000円未満/人程度で頂く事が出来るが、
(料理の質x食後の満足度xホスピタリティ)÷品数で考えてみると、もう一度
マキノンチさんへ訪れるのと上記いずれかのお店を2軒(或いは2回)行くのと
どちらを選ぶか?という事である。
正直個人的には後者を選ぶ。妻とも話していたが、同意見だった。
しかしまあ、こうした劇場型レストラン(今回は良い意味で)へ伺う事は
そうなかったので、良い機会ではあった。

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