2回
2022/04 訪問
超ハイレベルな「素朴」
2022/04/04 更新
2020/08 訪問
しみじみ甘い。しみじみ美味い。
近くに墓所がある為、数年前から店があるのは認識していましたが、今まで素通り(^_^;)
今回は「よし、何か買うぞ」と初訪問。
お店の中へ入ってみて、その匂いに「ガチ感」と「美味しい物を出しそうなお店」の気配を
感じ期待が膨らみます。
簡単に言えば、ポルトガルの各種スイーツ類が取り揃えてあり、ポルトガル風のランチも
頂けるお店という感じ。
カステラの原型であるパォン・デ・ロー。これが地方により微妙に異なっているらしく、
各種バリエーションを楽しめます。
一通り基本を食してみて分かった事は、殆どのケーキ類の主要素材となる小麦粉・玉子・砂糖。
これらの内、特に玉子をどう使いこなすかが肝の様です。
黄身のコクが強く出る物、シフォンケーキの様な物、半生の物、濃いカスタードクリーム等々、
共通素材を使いながら食感や味わいがそれぞれに異なり面白い。そしてどれもシンプルであり
ながら「美味しい」。
高飛車な感じのスイーツではないが、取っつきやすくも優しいお味でしみじみ甘い。
当日昼食をあてにしていたお店が営業しておらず、ついでにランチもこちらで頂きました。
現在のランチの定番は、ポルトガル風ポークサンドとスープ、サラダ、ひよこ豆のマリネ、
バカリャウ料理の一つ、干しだらのコロッケ、これらがワンプレートに供されます。
これにプチデザートも付きます。
どれも変に日本人好みに日和った味付けではないですが、故に面白く、そして美味い。
妻は日替わりランチをオーダーし、こちらはフェジョアーダがメイン。これもコクと上品な
味の落としどころに感服。
いやいや、どれも美味しいです。プチデサートは半生タイプのパォン・デ・ローに濃厚な
カスタードとシナモンが添えられた物でしたが、ガツンと濃厚な甘さがくるも、嫌になる類の
ものではなく、これも良い。味、ボリューム感と満足感を兼ね備え、これで¥1200円は正直
かなりお得かと。
店主(オーナーシェフ?)がパウロさんらしく、となりに見える厨房でカステラを焼いて
おりました。このカステラも美味い。そこらのカステラ屋が裸足で逃げ出すレベルです。
食事類もスイーツもどちらも美味しいのは、このパウロさんが良い腕とセンスをお持ちと
いう事なのでしょう。
ランチ2名分に各種パォン・デ・ロー、そしてお土産まで買ったので気付けば¥6000以上も
使っていましたが、普通は充分その半分以下で収まると思います。
このコロナ禍での人出の無さにも関わらず、ポツリポツリとお店に各種スイーツを買いに
来られる方の途切れる事はありませんでした。
墓参の際、立ち寄りたくなるお店がまた一つ増えました。
2020/09/20 更新
個人的にこちらのお店のお菓子、お食事類はどれも大好きで、高評価を受けるべき真っ当な物
であると思っています。
とは言いつつも、あまり混んでほしくもないので「今位で丁度いい。レビューも書いたし、
これ以上の高評価レビューも不要」と思っていました。
が、やはり言っておきたい気持ちを抑えられず。
以前にも書いたのですが、ケーキ・スイーツの原型とも言える各種のお菓子、ほぼ全ては
「玉子、小麦粉、砂糖」をどう扱っていくか、これで決まっていきます。
素朴と言えば素朴、家庭風と言えば家庭風とも言えるのですが、それは=インチキをしない、と
いう事でもあります。
そんな「真っ当な素朴さ」を、かなりの高レベルまで突き詰めていくとこちらのお菓子・お料理に
なるのだろう、と思います。
結構多くの種類の物、生菓子から焼き菓子、お食事系まで口にしましたが、何を頂いても上記の
印象が変わる事はありません。
チキンパイ、バカリャウ料理のタラのコロッケと言った物も、素朴だけどもしみじみ
「美ん味ぁい♪」という気分にさせてくれます。素材の味を存分に引き出しています。
小さい頃に初めてカステラやシュークリーム、クッキー等を口にして、美味しくてとても幸せな
気持ちになった記憶をお持ちの方も多いでしょう。
私には、そうした原体験の感覚を鮮明に蘇らせてくれるお店です。