『光のどけき春の日にPART① 『立本寺(りゅうほんじ)』』ガスコーニュ青年隊さんの日記

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日記詳細

先日、ある人から「二条城の桜が綺麗だった」と聞いたので、
この日は私も近所のお寺で桜見物をする事にしました。

お目当ての場所は平野神社だったんですが、歩いて行くには幾分遠い。
二条城は歩いて直ぐなんですが、拝観料がかかってしまう。

『どこか・・・無料で桜を堪能出来る場所が近くにないだろうか。。。』

考えてみると、桜なぞ、近所の公園や道端にいくらでも咲いているだろうと思い、
とりあえず外に出て町を散策する事にしました。

足の向くまま気の向くままに歩みを進めていると、
先ず最初に見えたのが幼い頃から何度となく訪れている『立本寺(りゅうほんじ)』

ここは無料で入れる上に児童公園が中にあり、
更には北野天満宮の方へ抜ける近道にもなっていますので、
地元民の私にとってはお寺というより『近道・抜け道』という印象の方が強いんです。

ですが、なかなかに由緒正しきお寺でして、
私も子供の頃に、何かの行事で着物を着せられてお堂をぐるぐる歩いたのを覚えています。
たしか芥川龍之介の小説にも出てきたような記憶があります。

少し長じて、この児童公園で友達と野球をしていて、
裏の家のガラスを割って叱られたというマンガばりの経験をしたのもここの公園です。
その後も飼っていた犬の散歩で通り抜けたりしていたんですが、
今では境内内での犬の散歩は禁止になっています。

とにもかくにも物心ついた時からそこにあった立本寺。
余談ですが、私の両親が新婚時代、
この立本寺のすぐそばの『とりゐマンション』に住んでいたりもしました(笑)

そんな馴染み深いお寺の中に、こんなに見事な桜があるなんて夢にも思いませんでした。
あまり知られていないのか、人も殆どおられません。
この満開の桜の景色を独り占めですよ♪

見事なしだれ桜の中へ入り、しだれのカーテンの中から覗く外界は、
まるで高天原から現し世を望む天津神が如き心持ち、
などと畏れ多いことを考えながら、しばし桜の森の満開の下を愉しみました。

その境内の広さからして、他の大きな寺社仏閣などより本数は圧倒的に少ないですが、
なんの、物事は押し並べて量より質であろうかとしみじみ思いました。

思いがけずこの様な素晴らしい桜に出会ったこの日でしたので、
『今日はもうこの桜を“見納めの桜”にしよう。』と思い、
それではと、その足で今度は北野天満宮の梅を見に行く事にしました。

梅を愛でるには少し時期が遅すぎるんですが、
地元民としての経験上、それでもまだいくらかは残っているのを知っていたんです。

梅もなかなか綺麗でしたよ♪

こうして自然を愛でることが出来る喜びを天に感謝しながら、
いつもの『誠養軒』で京都一おいしい餃子を食べて帰路につきました。

それにしても素晴らしきは立本寺の桜たちよ。。。
なぜ誰も居なかったんだろう。。。
まぁ私も近所に住んでいながらこの歳まで全く知りませんでしたけど。。。

 匂へども知る人もなき桜花 ただひとり見て哀れとぞ思ふ
※ 美しく咲き誇っているのにそれを知る人もいない桜花よ、
  私が一人で見て素晴らしい風情だと思う。(「慶政上人 風雅和歌集」より)

たいへん良いお花見が出来た一日でした。
感謝。



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