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アルカサル穴川、上之郷、志摩磯部/フレンチ、ヨーロッパ料理
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夜の点数:3.4
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料理・味 3.2
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|サービス 3.8
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|雰囲気 3.4
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|CP 3.4
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|酒・ドリンク 3.4
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[ 料理・味3.2
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| サービス3.8
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| 雰囲気3.4
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| CP3.4
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| 酒・ドリンク3.4 ]
おとなの空間
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2017/08/28 更新
海の向こうに磯部の町と近鉄電車が見えます。
そんな案内に糸のような列車の連なりを探してしまうのはアメイジングだと思います。
・アミューズ① 一口 パテドカンパーニュ
キャベツに包んだパテを輪切りにした形態でした。本当に一口なので、この料理の本質を受け留められる客であるかをここで試されているように感じました。筋肉繊維は感じられませんでしたし、香りが穏やかな豚料理でした。とはいえレバーの風味があるのでダメな人にはダメな品だったと思います。
・アミューズ② 赤ピーマンのムース トマトのジュレ
トマトのジュレがピュレではなく正しくジュレなのです。トマトに含まれる液体だけを抽出してジュレに仕立てたその技法によってトマトの赤ではなく限りなく透明のジュレでした。なのにトマトが香るのはマジックのようでした。赤ピーマンと名乗るからにはパプリカではなく赤ピーマンなのでしょう、そのことを肯定的に実直と捉えたいと思います。キャビアを模した烏賊墨で染めた数の子が、ねっとりとしたキャビアとは明らかに異なる食感でした。ねっとりではなくぷちっとしています。
・前菜 フォアグラのソテー
フォアグラですからね、少量で十分なのです。軽いソテーなのに脂が溶けず形を保っていたのはトリミングの妙なのでしょうか。まるで脂が水のように感じられるのに重厚感のある、筋が感じられない素晴らしい一品でした。
・鮑のスープ
韓国に鮑をすりおろしたスープを滋養強壮に飲む習慣があったと記憶していますが、そのあたりにヒントを得た品だったのでしょうか。鮑の肝がすり流されて若干苦い大人のスープでした。スープがもったりとしていたのは鮑のピュレが均一になるようとろみを施していたかと思います。ほんのりと鮑が香るものの、昆布や鰹節と較べると印象が薄いものでした。いえ、それはそれで素材の風味を優先しないフレンチの古典を感じられるようで面白い意欲作でした。
・魚
はたと鮑の品でした。鮑は焦げ色を帯びて柔らかに仕上がった大きなダイス状でした。鮑のニュアンスは感じられません。蒸したものを焼いた形態でした。オイルが柔らかなことに日本人の造るフレンチを垣間見た思いがしました。はたの筋繊維がほどける食感は官能的でしたが、クリームのソースが無理に盛り上げているようにも感じました。かと言って添えられた浅蜊やムール貝の風味では浜のものになってしまって陳腐に感じられてしまうのでやはりクリームのソースが全体をまとめていたのだと思います。日本の長葱を千切りにして揚げた添え物は試行錯誤の産物だそうです。油は切れていましたし、玉葱ほど甘くないところが、和食に慣れた自分には違和なく受容れられました。
・牛ロースのグリル
グリルの焼き目が薄かったと思います。迷いを感じました。焼けてかりっとしているのもまたおいしさだと思いますよ?自分のような齢になると脂を湛えたものを持て余すので赤身に赤ワインソースという定石のレシピは歓迎します。脂を感じさせない肉は硬さも感じさせません。とても感心しました。ガルニチュールの豊富さも良いものでした。
・デセール
カットフルーツを散りばめているのは水菓子のようでもあり、自然な甘味を求める、和食を好む者には、有難い提供でした。フルーツやムース・アイスクリームなど柔らかな品の中に、ぱりっとしたチョコレートの硬さは対になって楽しいものでした。
総合☆3.0
無難な料理ももちろん美味しかったですし、無難な料理の説明を受けるのもまた楽しいものでした。時には食事に浸ってしまいたく料理の説明を疎ましく感じることもありますが、こちら様のスタッフの緩急織り交ぜた接客には踏み込み過ぎないながらも志摩の風土を解説してもらえたりととても良いスタンスでした。心地良いひとときをありがとうございました。