2回
2016/11 訪問
全国からさがしぬいた素材で作った醤油ラーメン
2016年11月 生揚げ醤油ラーメン \650
「生揚げ(きあげ)醤油」は製品として流通せず、醸造元から直接仕入れなければならない。そもそも保存には知識と手間がかかり、簡単には手に入らないものらしい。生(なま)醤油というのは、熱処理していない醤油を指すが、生揚げ醤油とは、そもそもろ過さえしていないもののことらしい。不純物とされるその旨みを生かしたラーメンが「生揚げ醤油ラーメン」なのだ。愛知県武豊町にある創業250年の醸造所・伊藤商店の「傳右衛門」という銘柄醤油の「生揚げ醤油」をタレにしているらしいのだ。もうどんだけすごいんだか、自分でも説明していてクラクラする。
わくわくして駆け付けたが、いろいろあって週末の昼時にしか来れなかった。わー、店外に5人待ち。店内にも5~6人いる。当然だなあ。しかしラ馬鹿は嗅覚が鋭いねえ、この前までこんなに並んでなかった気がするよ。
「なおじ」創始者の店長が豪快に味噌ダレをバーナーであぶっている姿を見つつ、30ほど行列待機。後客も続々と来る。やがて店内に入る順番が来、券売機で「醤油ラーメン」のチケット購入。あぶった味噌ラーメン、濃厚つけ麺も捨てがたいが、今日はなんたってデンエモンのキアゲショウユと呪文のように繰り返してきた醤油ラーメン一本勝負じゃ!
着丼の際に店長と目が合い、ごあいさつ。こういうとっさの時ににっこりできずにスイマセン。緊張するタイプなのです。
スープを一口。むむ、おいしいが、何か特別だという感じはしない。しょうゆだからね、一口食べてわあびっくり、てな具合にはいきませんわな。
麺は20番細麺。多加水タイプのストレート。ツルツル箸から逃げる。多加水タイプなのに小麦の旨みがあってみっしり密度も濃い感じ。
透明な脂が多めにかかっていて、コクを出している。何の香味油かなと思って店長に聞いてみたら「チーユだけです」とのこと。家系で使う鶏油のようなクセがなく、なんだかピュアな感じ。
焦がしねぎの風味が少しアクセントになり、食べ進むごとに旨みが深まる。醤油味に塩分のとがりを一切感じない。どこまでもまろやかな旨みが持続し、舌が慣れてしまわない。やっぱりすごいぞ、生揚げ醤油。じわじわしみ込んでくる凄さ。
2016/11/28 更新
2017年11月 「純のどぐろラーメン」 920円
平日の11:02に一番乗り。平日一番乗りなら、さすがの人気店でも駐車場が空いてるだろうと狙っていた。そろそろ有給休暇を消化しないとね。スーダラ社員でスンマセン。
券売機で「のどぐろラーメン」920円のチケットを購入。ラーメンだと高く感じるかもしれないが、ノドグロだよ。ノドグロ料理と考えれば、一品に1000円でおつりが来るならお安いくらいだよ。なんでも、このメニューはいずれ姿を消す予定だとのこと。フーッ、間に合ってよかったゼ。
来ましたっ。おっ、シャシン撮ってる間にもノドグロの匂いがする。これは期待できそう!22番細麺。ちょっと浅黒い麺だから、薄皮もひいた粉かな。推定加水率35%の多加水タイプ。
スープは、なんと獣系不使用。生魚ノドグロを使ってだしを取った白湯スープだという。いや、ちょっと待ってよ。乾物じゃなく生魚からとったスープなのね。しかも白湯?和風にだしを引く感じじゃなく?なるほど、濁ってるねー。乳化してるねー。ブイヤベースみたいに旨みそのままが液体化したような感じ。ノドグロのクセもなくなっていない。ノドグロの煮つけの汁よりノドグロの旨みが多く溶け込んでいる。このスープは、全国を見渡してもここでしか味わえないスープだ。来てよかった。旨い。
ノドグロの塩焼きが一切れ載っていて、これがまた小さいけど脂たっぷりでトロトロ。あとは、しっとり鶏チャーシュー、豚チャーシュー。小口切りの青ネギが魚ダシのくどさを消してくれる。極細麺がスープに勝ちも負けもせず親和的になじんでいる。
最後にサッパリとかんきつ果汁を絞って飲み干す。いつもはスダチだそうだが、きょうは仕入れの関係からか、国産青レモン。
新潟県ゆかりの地魚を主原料に作ったラーメン、県の無形文化財に指定をお願いします。