1回
2024/06 訪問
醒めない余韻
ピエモンテ Sergio Baraleのスパークリングワイン
アミューズ オリーブの豚肉詰めフリット
小さな前菜1 桜海老と白海老 チーズのサラダ
自家製パン トマトとバジルのグリッシーニ 胡麻のパン バゲット
小さな前菜2 ボイルと炙りの水蛸 オクラとインゲン
小さな前菜2 ボイルと炙りの水蛸 オクラとインゲン
パスタ 太目のパスタ 仔羊のラグー 羊のミルクのチーズ
デザート 三層のティラミス
カッフェ 自家製小菓子
カッフェ 自家製小菓子
2024/09/28 更新
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平日のランチに伺いました。
トリノの老舗リストランテ『ラ・バリック』から唯一暖簾分けを許されたのが、こちらのオーナーソムリエとのこと。イタリアンのお店なのに名前にフランス語が使われているのは、本店が由来のようです。
オーナーの生家の古い日本家屋をリノベーションしたリストランテです。私の好みが凝縮されている予感がしました。訪問したい熱は長らく持ち続けていましたが、HPなどから伺える風格や価格帯から、ハードルが高そうに思い踏み出せていませんでした。また、時々チャレンジしても、人気店らしく中々希望の日の空席もありませんでした。
その時がやっと来ました。
何故こんなことになってしまったのか、通り沿いの建物の裏に完全に収まり、表通りからは全く分からない、隠れた佇まいにまず心躍らされました。
そして私が愛してやまない、時を止めたような日本家屋。控えめに流れるシナトラの曲。オーナーが最も大切にする、もてなしの精神の行き届いたサービス。ここにも私の「好き」がいくつもありました。
平日限定お任せショートコース 税込4,400円、テーブルチャージ880円、サービス料10%でした。
○ピエモンテ Sergio Baraleのスパークリングワイン
ラベルに「PER RISTORANTE LA BARRIQUE TOKYO」と記された、こちらのお店の為に作られたワインです。
○アミューズ オリーブの豚肉詰めフリット
第一印象を担うアミューズ。ワインとの相性も良く、ひとつの料理として完成度の高いオリーブの肉詰めフリットでした。これから始まるコースへの期待は高まります。
○小さな前菜1 桜海老と白海老 チーズのサラダ
チーズで和えたサラダの上に、さくさくに揚げられた白海老と桜海老が層に重ねられています。香ばしさと滑らかさを混ぜて楽しい一皿。
○自家製パン トマトとバジルのグリッシーニ 胡麻のパン バゲット
テーブルチャージに含まれており、ショートコースには十分過ぎるほどの豊富なパン類です。グリッシーニは風味が良く、いくつもつい手が伸びてしまいますが、ひとりにはさすがに量が多く。持ち帰り用に包んでくれました。
○小さな前菜2 ボイルと炙りの水蛸 オクラとインゲン 唐辛子 オリーブオイル
夏らしく瑞々しい前菜。和の食材がイタリアンの風味を纏ったよう。
○パスタ 太目のパスタ 仔羊のラグー 羊のミルクのチーズ パプリカ バジル
くたくたに煮込まれたパプリカと仔羊のラグー。ショートコースのメインとなるだけあり、しっかりと旨味と厚みのあるソースでした。和の空間で頂く純度の高いイタリアン、という心地よい意外性を最も感じさせる、一皿でした。
○デザート 三層のティラミス マスカルポーネクリーム バニラ リキュールを染み込ませたスポンジ ホワイトチョコパウダー キャラメリゼしたヘーゼルナッツ
単体でも人気が出そうな、美味しさ多層構造の進化版ティラミス。手の掛けられたアミューズに始まり、丁寧に作り込まれたデザートで締め括るコースは、コンパクトでも満足感があります。
○カッフェ 自家製小菓子
打ち水がされた玉砂利洗い出しの玄関や、動植物を象った見事な欄間、緋毛氈の床にアンティークなテーブルセット。こちらも背筋が伸びるような、品格のあるサービス。
その中で頂くイタリアンは、店名のように熟成を感じさせる、トラディショナルなものでした。
全てにときめきました。余韻は長く続きました。
接待や親族顔合わせなどの、改まった席にもお勧めできます。
私は、いつ家族を招待しようかと、もう次の機会に思いを馳せています。
ごちそうさまでした。