i_girasoliさんが投稿したYsm(東京/外苑前)の口コミ詳細

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閉店Ysm外苑前、表参道、明治神宮前/フレンチ、イノベーティブ

1

  • 昼の点数:4.7

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2018/10 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

美しさと美味しさに哲学が寄り添うお店

平日の昼に伺いました。
とある隠れ家店に迷わず辿り着けた自信もあり、今回も迷わず見つけられると高を括っていました。Google Mapではお店に到着しているはずなのに入口が見当らない、と5分探しました。見立てが甘かった、隠れ家です。

地下への階段を下り、大きな扉を開けると、そこにスタッフの方が待機されていました。
黒を基調にしたモダンな内装です。BGMはボサノバでしょうか。広くないお店とは言え、客数は少なかったです。
私は当日一番目の訪問者であったため、写真撮影の可否を伺った所、店内もご自由にと快くお許し頂きました。開店から1年少し、訪問するなら今がチャンスです。

ランチコース税サ込シャンパン付5,940円です。

○アミューズ1 グジェール
小さな焼きシューの中にパンチェッタとチーズを使ったしっとりとした具。おろしたパルミジャーノと黒胡椒をふんだんに使い、塩味が効いてシャンパンのおつまみに最適です。エディブルフラワーを飾り魅せ方にも拘った一皿。

○アミューズ2 繭
秋の小枝の繭に見立てた綿菓子にキャラメル粉、中にはしっかりとしたフォアグラ。写真に収めずにはいられないビジュアルです。ふわりとした甘さの綿菓子と塩味のある濃厚なフォアグラの舌触りとの、不思議なマッチングが楽しめます。

○アミューズ3 小さな鉢植え
草花を小さな鉢植えにしたような可愛らしい一皿。トランペットズッキーニと根セロリを使ったきめ細かな弾力のあるエスプーマ。元の野菜たちはインパクトのある形と風味ですが、これらがムース状になると意外と主張控えめ。コンソメジュレに散らしたオリーブオイルや、キャビア状の粒に閉じ込めたオリーブオイル、オリーブオイル好きの私には好みの風味です。

○前菜 野菜のリゾット
緑の野菜のリゾットに牛肉のエキスのソース、その上に農業高校の学生が育てた自慢の卵黄、上にたっぷりのベビーリーフをトッピング。混ぜ合わせて複雑で奥深い味を楽しみます。

○メイン1 太刀魚のポワレ
柔らかい蓮根にふんわり仕上げた太刀魚のポワレ。リボン状に揚げた牛蒡のスライスを飾り、栗とカカオのパウダーを散らした一皿。太刀魚の火入れ具合が絶妙です。塩味が効いており淡泊な太刀魚を引き立てています。ここであらためてカトラリーの美しさに気付きます。

○メイン2 牛スネ肉の煮込み
ほろほろと崩れるような柔らかさの牛スネ肉。ナイフ要らずなのは勿論、スプーンで頂きたい程。新鮮なジャガイモのピューレがどこまでも滑らかで、王道でありながら丁寧な仕上がりです。勘違いでしたら申し訳ありません。若手の拘りと仰っていたような気がします。メインを敢えてシェフでなく若手が手掛けるとは、前菜の農業高校の学生が育てた有機卵といい、食の未来を育むという使命感を持ったお店です。

○アヴァンデセール ヨーグルトのソルベ
仕上げに目の前でカチカチに凍らせたイチジクをスライスして、散らしてくれます。チップスのようだったイチジクは舌の上でとろんと溶けてねっとりとした食感に変化します。楽しい体験型デザートです。

○デセール 洋梨のコンポート
洋梨のコンポートの上に、焼いた板状のメレンゲと透明な飴が刺してあり、目の前で仕上げにシャンパンのソースをかけます。何ていうか、甘過ぎに感じました。好みの問題とは思いますが、具もソースも甘い。

○茶菓子とコーヒー等
コーヒー、紅茶、番茶、ハーブティーの中から選択。ミントのハーブティーを頂きました。とてもさっぱりとして香り高いお茶でした。お茶菓子は固めのカヌレとマカロンです。

こちらのお店の自慢の乳酸菌飼料は、多分前菜の有機卵やメインの牛に使用されています。全体的に研究者のような創造性に溢れたお皿たちで、ソースは個性的ながら、シンプルに塩味が効いて、素材の美味しさにはっと気づく瞬間もありました。

お店のHPからは哲学や信念や使命感が伺われ、理屈っぽいお店だったらどうしよう、と訪問前は少し身構えていました。知識不足のせいで萎縮してしまうのではないかと。心配は全く無用でした。
哲学は、押し付けがましくない、お料理の彩りです。居心地良い的確なサービスで安心して楽しめました。懐の深い素敵なお店です。
こんなお店に出会えたことを誰かに自慢したいです。

2022/09/23 更新

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