2回
2021/06 訪問
磨き上げられた技術と優しく寄り添ってくれる心に染みるフレンチ『Patous(パトゥ)』
昨年8月、神戸より静かに移転してきたレストラン『Patous(パトゥ)』。
飯倉という目指していかなければならない、決して便の良い立地ではないにもかかわらず、
すでにその美味しさと居心地の良さに魅了されている人たちも多いようです。
詳しくはブログをご覧ください⇨https://ameblo.jp/sakura-beautiful/entry-12683669315.html
お店は長いキャリアを持つ山口義照シェフとマダムの二人三脚。
店内に一歩足を踏み入れると、なんだか空気が温かい。
六本木の喧騒を離れ、心がもみほぐされていく感じです。
お料理は特に革新的なものではありませんが、自然に体に取り込まれていきます。
塩梅とはよく言いますが、食材の取り合わせや味付けなどバランスがとてもいい。
まさに、"絶妙"とはこのことです。
お料理は最初から最後まで抜かりのない美味しさ。
全て軽やかなリズムに乗って、お料理が最後まで自然に楽しめた時間でした。
スペシャリテの桃のスープは、セロリなどとの組み合わせで、爽やか。
桃の甘さや香りはふわっと残り、軽やかな味わいでした。
お料理は気をてらったものはありませんが、その磨き抜かれた技術は、
私たちに気負うことなく、優しいお料理を作ってくれました。
神戸で営業をして20年。いい時代の神戸の洒落た空気と共に東京に現れた癒しのレストランは、
料理を通じてそっと心に寄り添ってくれ、いい時間が持てる。
そんな温かな時間を作ってくれるお店でした。
記事URL:https://ameblo.jp/sakura-beautiful/entry-12683669315.html
2021/07/05 更新
大好きなフレンチです。オーナーシェフの山口義照氏は、神戸『コムシノワ』、
そして東京・札幌共に『コート ドール』のご出身ですのでコートドールの要素も
しっかりでている。今はなき『コート ドール』の流れをくむシェフのおひとりなので、
懐かしくなった方は訪問されるとよいかと思いますが、コートドールの料理に
その時代のエッセンスや山口氏の個性で作られた料理の数々が楽しめます。
インスタグラムのリールでもご紹介していますのでご覧ください→
https://www.instagram.com/sakura.007/reel/DR38I_Xkh7K/
山口シェフのお料理はいも「絶妙」という感覚を感じます。
お料理は本当にシンプルで余分な飾りはありませんが、
美しいと感じるから不思議です。
*野菜のエチュベ コリアンダーの香り
まずはコートドールをスペシャリテのひとつである野菜のエチュベ。
様々な野菜がどれもいい具合に蒸しあがっています。あくまでも
野菜の味わいをうまく引き出した一皿。
ちなみに友人はこれが目の前に来た時に「きれい~」と言ってます。
*山形産おばこさわらの燻製 もものすけかぶ カルダモン
ザ・素材といった見た目の料理が多いかも。
しかしながら、なぜかわからないんですが美味しくて。
恐らく、熟成の見極めや火入れ、そして塩やスパイスなどの使い方といった、
つまりは調理に対するセンスと技術だといつも分析しています
(←分析するな!!(笑))。
さわらにはそんな口どけとジューシーな蕪の味わいのアクセントが加わっていました。
*鹿児島産せみえびとトランペット茸のリゾット
必死に料理を作っている山口シェフですが、
「さくらさん、せみえびって食べたことありますよね?」というので「もちろんです」と言ってしまうがっかり女ですが、必死になる前のにこやかな山口シェフを。
普段はこんな優しい感じのシェフなんですよ♪
トップには海老の味噌。リゾットの相性も抜群です。
そしてセミ海老は半生に仕上げてあり、たっぷりのトランペット。
リゾット、トランペット茸、そして海老の旨みの共演でした。
*根室産鱈白子のムニエル秋トリュフ
富田林産海老芋のガレット
とろとろの白子の甘味のある海老芋のねっとりが加わった料理。
ここはトリュフがたっぷり。美味しくないはずがないですね。
*函館森町産みやこかぼちゃのスープ レモングラスミルクの泡
山口シェフのスペシャリテといえば、夏の桃とセロリのスープですが、
こちらは秋のスペシャリテです。カボチャとレモングラスの風味ってなんで?
と思いますが、甘さにふわっと香るレモングラスの香り。
心地よい音楽には揺らぎがあります。パトゥの料理は口の中で感じる
美味しさをそっと届けてくれる料理。私はそんな風に感じています。
シェフのスペシャリテにはまさに絶妙がありますね。
*走水産太刀魚とじゃがいものパイヤッソン
ホワイトバルサミコのソース
カリッと焼けたジャガイモの甘さととろっとした太刀魚の組み合わせです。
クリームソースに少し爽やかにバルサミコ酢が使われていました。
*旭川産サルセル(小鴨)のロースト サルミソース
メインはジビエです。ジビエには希少なものも多いですが、こちらもかなり希少。
熟成もかなり進んでいてお肉も滑らかで深みがあります。サル三ソースが絶妙で
きっとお肉だけで食べたらかなり強烈な香りもするんじゃないかと思うんですが、
お肉とソースの絶妙がここにもありました。内臓もしっかりいただきましたよ♪
*ジャスミンティーのブランマンジェ ココナッソース
上品にジャスミンティー香るブランマンジェ。サルセルかつてコムシノワの
ジャスミンティーのブランマンジェをお願いしたことがあり、
レシピも取り寄せてくださったのですが、どちらを食べるかとお話していたことが
あるのですが、今回は山口シェフの柔らかな味わいのバージョンで。
ひとつ夢をかなえていただきありがとうございました。
*スフレショコラ バナナアイス
そして焼き立てスフレ。滑らかなくちどけ。
*コーヒーエスプレッソ 紅茶ハーブティー
今回もたくさんの絶妙を堪能させていただきました。