sakura007さんが投稿した明寂(東京/六本木)の口コミ詳細

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美食コンシェルジュ道明寺さくら

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明寂六本木、乃木坂、麻布十番/日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 4.9
1回目

2025/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

二つ星から三つ星へ。最も勢いのある時の料理は震える美味しさ

まずは、ミシュラン三つ星おめでとうございます。

現在投稿しているのは、今年3月、アジアベスト50で45位にランクインした嬉しい日に
訪問したときのこと。
パリのRestaurant Kに2019年12月に訪問し、翌年1月にミシュラン三つ星を獲得
しましたがその時の勢って本当にすごかった。今回の明寂に訪問した時もそうでしたが
レストランは勢いって本当に大事なんですよね。今までの経験からしか言えませんが
二つ星から三つ星に昇格する時の勢いは、この上なく素晴らしい瞬間に訪問できたと
思うくらい、素晴らしい体験ができるもの。そんな素晴らしい時間が過ごせた時の訪問記です。


インスタグラムでもご紹介しています。音で感じてほしいので是非ご覧ください
https://www.instagram.com/sakura.007/reel/DID_d8uz9KW/


この日『明寂』で私が最も強く感じたのは、本当の意味で五感を愉しむ料理であるということでした。

最初に登場したのは、「椎茸の潮煮」でしたがここでまず感じるのは香りです。【嗅覚】を
感じさせててくれるお料理。目の前に蓋をした器を差し出し、素早く引く。ここか椎茸の
香りが溢れ出してきます。そしての椎茸には見事なまでに等間隔の細かな包丁の切れ込み
が入れられていますが、しなやか食感につながり、こんな椎茸は初めていただきました。

琵琶湖のもろこは焼いて、パリパリに揚げた骨の上にのせていきます。【聴覚】を愉しむお料理。
これは絹巻寿司といて、卵黄まで白い卵で焼いた薄焼き卵で、お米ともろこの骨そして一度
揚げて骨を抜き、さらに炭で炙った身を巻いていきます【触覚】。目の前ではあのじゅわぁ~、
サラサラという音がします。いわばクレープ包みなわけですが、食べている時も同様の音や
食感が楽しめるというわけ。

また希少な固有種の黒えごまをすり鉢で吸ってくれるんですが、ここでも食べる前から
【聴覚】と【嗅覚】が刺激されます。これに合わせるのは金柑と牛蒡。えっ?という
組み合わせでしたが、金柑の奥ゆかしい味わいと山椒がアクセントとなり面白い。

また現在の『明寂』の味を支える宮津の海水ですか、これはベネンシアドールのように柄杓を
高く上げて水の音を奏でながら注いでいきます。つまり【聴覚】が刺激されます。茶道の
世界でもそうなんですが、釜に水を注ぐ音、夏にはぬれ茶巾と言って茶巾から水をしたたる
水の音が涼しさ伝えるお点前があるのですが、そんな詫寂の世界の応用でしょうか。
この水を料理の核として印象付ける演出です。実はこの塩水は2.8%の塩分濃度がありかなり
しょっぱいんですが、この塩水で十割そばを食べるんです。これにより蕎麦の旨味はさらに
増します。まあ私はかえしで食べるのが好きですが、これで「塩水で蕎麦を食わすんだよ」
なんて驚きが語り継がれることが体験になるわけです。

海水は蛤の料理でも使われますが、しじみやあさりなどの出汁で作った胡麻豆腐はつるるん
とした食感で、4種の貝と共に貝寄椀にしています。またこれらの出汁でいただくという趣向。

もちろん皆さんが私のリールを見て楽しんでいただいたように【視覚】でも楽しませて
いただけています。【味覚】は言わずもがなですね。

塩水は野菜の出汁と合わせて菜の花の擦り流しを作り、炊いた海老芋と合わせて。
越冬した海老芋は旨みも強く、菜の花にも負けません。上には蒸しただけの菜の花で。
秋の味覚と春の味覚が融合したお椀でした。

造りは明石の鯛とアオリイカ。鯛を塩水で煮て醤油を加えた鯛醤油とイカを乾燥させて
パウダーにしたイカ塩が添えられていました。細かく包丁の入った刺身は、
口の中に入るととろけるよう。鯛は鯛で、烏賊は烏賊でいただくお造り。

白甘鯛は皮目をパリッと焼いて、木の芽大根と酢味噌でさっぱり。他には鍵蕨の添えられた
伝助穴子ののれそれなどもついていました。揚げたカラスミ餅は稲荷で包まれ絶品で。

そして、芹や筍、そしてしっかりした味わいのある鴨の治部煮に、ご飯のお供は鮎の稚魚と
ヒラメの漬け、穴子の梅煮。そして赤出汁。

最後の水菓子は、みかんのゼリー寄せ。少し陳皮を散らして。そして桜の薯蕷饅頭。
最後は桜の葉で包んでいただきました。

まるで魔法の水のような宮津の海水を使った料理は研ぎ澄まされた見事な味わいで、
上手く引き算された料理の数々。緻密な演出には小細工は一切なく、圧倒される。
五感が隅々まで満たされた素晴らしい時間でした。


この日のお料理は本当に素晴らしく、普段はおしゃべりな私がずっと唸っていました。
そして、一口食べるごとに、幸せの吐息で幸せを実感していました。


2025/10/07 更新

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