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熊本城の天守閣は4月26日から入場再開 桜も咲いて美しい城が蘇りつつあります
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わかりにくい建物の階段の脇にメニューが出ているのでようやくわかります
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渋い看板です 美味しいものがいただける予感しかありません
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通されたテーブルには小さい花が活けてあります マダムに何の花か聞いたら花屋に任せているから知らないって(笑)
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猫の置物もテーブルに置いてありました 心和む雰囲気です
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さてこれだけメニューがあると悩む悩む・・・
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巨大なバターを薄く切り出してテーブルに置いてくれます
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パンは自家製かな?料理が出てくる前に我慢できずに食べちゃいました
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前菜は真鯛と野菜と果物のHors-d’œuvre
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トーストに大量に盛り付けられて出てきた雲丹 メニューにはうにめしと書かれていました
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魚料理?は椎茸の蟹ムース詰め これはもう激ウマです
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ステーキです 赤ワインと黒胡椒のソースが飛び切り旨い
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ミニサラダも改めて出てきます いい配慮ですね
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グツグツ煮えた鍋でビーフカレー登場
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レーズンの乗ったバターライスがお代わり自由とは嬉しすぎる!
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あまおうのシャーベットをデザートに選びました
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深い焙煎の珈琲でコース+α終了 よく食べました
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熊本3日め、午前中の仕事を終えました。
あとはランチ食べて肥後路に寄って辛子蓮根をピックアップして帰宅するだけ。
朝、ホテルをチェックアウトする際に、先日太平燕を進めてくれた女性がいたのでお礼を言って、ついでに今日のランチについて何を食べるべきか侃侃諤諤の議論を戦わせたところ(これを本当のランチミーティングという)、とてもクラシカルな洋食を食べさせる店があると教えてもらい、確かその店ってブリボンの平木さんがいた店じゃないの?と思ったらやっぱりそうでした。
帝国ホテルにその名を残す村上シェフの直弟子が橋本さんで、橋本さんに鍛え上げられたシェフは緒方さんや三牧さんが全国に散らばって正統派洋食のレシピと味を継承しています。
そうか、ご本家に行ってなかったんだと仕事を終えた足でいそいそと橋本へ。
一昨日伺った紅蘭亭の右手奥のビルにあるとのことですぐにわかりました。
でも店があるなんて、言われてもわからない場所ですここ。しかも2階だし。
ランチメニューが階段脇に貼っていなかったら誰も来ないでしょうね(笑)。
営業時間前に店のドアを開けるのはちょっと勇気が要りますが、ちょうどドアを開けたところに女将と思しき女性がいらしたので声を掛けると、予約帳を確認しながら12時半からならちょっと狭いけど席が用意できるとのこと、それはラッキーと即お願いしました。
熊本は飛び込み方式で席がゲットできるので、とても楽しいです。
空いた時間で鶴屋デパートに行き、地下の土産物売り場でくまモン付きの太平燕とか海苔が旨そうな風雅巻きなどを購入して、再び橋本へ。
名前を告げて、奥のテーブルに通してもらいました。
入口の左奥に案外広い空間が広がっていて、山吹色のクロスが掛けられて優雅な風情のテーブル席が並んでいます。
テーブルの間隔もゆったりしていて食事に集中できそうな落ち着いた雰囲気。
でも各テーブルは全て客で埋まっています。地元でも知られた人気店なんですね。
1人なのでカウンター席かなと思ったら、厨房前のカウンター席は常連の溜まり場(笑)だそうで、残念ながら橋本さん&お弟子さんが調理する様子を拝見することは叶いませんでした。
ということで丸テーブルに通されて、メニューを渡されます。
ランチメニューも全てコース仕立てになっていて、メインに本日の魚料理、牛カツレツ、ステーキ、チキンとエスカルゴの煮込みなど、どれも目移りするものが用意されているばかりか、ア・ラ・カルトで雲丹トースト、天草産鮑、スペシャルポークかつ、牡蠣フライなどがあり、さらにランチからフルコースのグルマン、シェフにお任せ、気まぐれコースなど何が出てくるかお楽しみというメニューがずらり。
そしてカレーもビーフ、海の幸、黒毛和牛ステーキ、牛かつまであるという超豪華なラインナップです。
綺羅星の如くとはこういうことを言うのだな。
うーん、これは迷う・・・
仕方がないので、マダムにどれが一番ボリュームがありますか?とワンパターンの質問を繰り出します(笑)。
すると、気まぐれですごいボリュームのもの出すこともあるけどそれは大人数だし・・・まあグルマンにしておけばお腹は膨れるんじゃないかしら、というラフなお答え。
了解しました。
ではグルマンコースにしてメインと一緒にビーフカレーお願いします、と言ったらあはははと笑われました。
グルマンはメインがお魚とステーキ両方だからカレーはビーフなしでもいいかもね、とアドバイスをいただきましたが男子に二言はありません、ビーフカレーで。
ということで、どんな料理がどれくらいのポーションで出てくるのかワクワクしながら待つことにします。
テーブルの上には、猫が寄り添って寝転ぶ置物とクロスの色に合わせたらしいきれいなオレンジ色の花が飾られています。
広いテーブルだとこういう調度品がゆとりや落ち着きを演出しますね。素敵だ。
かなりいい感じで冷えているミュスカデのシュール・リー(って大抵ミュスカデはシュール・リーだけど)をグラスでいただいてのんびり待っていると、テーブルにバターとパンが置かれ、お、そろそろ何か出てきそうだ。
お腹が減っていたので、ワインのアテにとパンにバターを塗って一口。
おお、このパンもバターも美味しいねぇ。
業務用の大きな塊のバターを5mm程に薄く切り出して出してくれるんですが、妙にミュスカデに合う。
これで十分飲めるな(笑)。
というところに前菜が登場。
直径50cmはあろうかという巨大な白い深皿にホワイトアスパラ、真鯛の切り身、完熟の苺とフルーツトマト、晩白柚、グリーンピースが盛り合わせてあります。
ホワイトアスパラは佐賀の契約農家のもの、他の素材は全て熊本のものだそうですよ。
早速いただいてみると、旬の食材&良いもの厳選して使ってますという食材の見本市です。
滋味豊かというのはこういうことを言うのだな。
この店の素材の良さを実感して、お次は・・・なんじゃこれ。
メニューにはうにめしと書いてありましたが、丸くカットしてこんがり焼いたトーストに雲丹がたっぷり乗っていますからうにトーストですね。
小葱をパラリと乗せているのも洋食っぽくないけど。
早速パクリ・・・あ・・・ヤヴァいこれ。
トーストに少し塗ってあるバターと雲丹の甘味が混ざってとんでもない美味さです。
これはあと3つ、いやあと5つ出してもらえないかな。
雲丹トーストでテンションが急に上がっているところに出てきたのは、椎茸の蟹ムース詰め。
これも形がきれいに丸くて巨大な椎茸に蟹のムースがたっぷり詰まっています。
雲丹トーストに続いてちょっと変化球的な皿ですが、これがもう抜群に旨い。
蟹と椎茸って和食の組み合わせですけど、洋食に仕立てても実に味がフィットします。
肉厚の椎茸が蟹の旨味をしっかりサポートしていて、食べる椀物みたい。
店内に若いというより幼い職人が出てきて、今日のデザートに僕がアップルパイを焼いたので良かったら召し上がって下さい、と各テーブルを巡回しています。
マダムによると3日前に店に来たばかりの子で、以前この店で修行して独立したシェフの息子さんだそうです。
橋本さんは面倒みてくれと言われると快く引き受ける親分肌の方のようですね。
それだけでいい人だとわかります。
雲丹と蟹のユニークな皿をいただいて、さてお次はステーキ。
これも大きい皿に乗せて出てきたのでそれほど大きくは見えませんが、まずまずのポーションです。
黒胡椒と赤ワインを煮詰めた香りの高いソースと細かく切って軽くソテーした人参が添えてあります。
早速一口。おお、柔らかい。
ホロホロっと解けるような口当たりです。
肉の味も濃いですね。しっかり熟成させてから使っています。
パリでもミラノでも牛肉のステーキは美味しいですが(しかも安いし)、こちらのステーキも同じ味と香りがします。
オリーブオイルと塩胡椒で味付けして低温で焼く最近のステーキとは明らかに違います。
こういうのをステーキって言うんだよね。
噛むごとにじわじわと肉の旨味が溢れ出してくる絶品のステーキでした。
さて、目の前にミニサラダが運ばれてきて、そのあとグツグツと音を立ててカレー鍋がやってきました。
これは目にも耳にも鼻にも美味しい料理ですね。何て美味しそうなんでしょう。
レーズンがちょこなんと乗ったバターライスにそのままカレーをかけても、小皿に取り分けても食べられるようになってます。
なんと、バターライスおかわりできるんですか!?それはありがたいです。
素晴らしい香りのするカレーをバターライスに一匙かけてパクリ。
素材が全部なくなるまでトロトロに煮込んであるカレーはほんのり甘く、旨味が強いです。
スパイシー感はほぼなく、カレールウに肉と野菜の旨味が全部溶け込んでいる優しいカレーです。
ほんの少し、後から辛味がやってきます。
バターライスとの相性もぴったり。
これはいくらでも食べられる味ですね。
あっという間にご飯がなくなりました。
すみません、バターライスお代わりください。最初と同じくらいお願いします。
牛肉は別にカレーで炊いてあって合わせてあり、カレールウの旨味が染み込んでいてとても上品な美味しさ。
適度に脂があるのもいいですね。
これは今まで食べた欧風カレーの中で一番美味しい、マイギネス更新です。
カレーを食べ終わって陶然としていると、橋本さんが店内の巡回に出てきました。
私のテーブルに来た途端、食べ過ぎですよ!どんな人が食べてるんだって中で話してたんですよ!と大きな声で笑いながら話しかけてくれます。
食事がとても美味しいのでどんどん入っちゃうんです、正統派のクラシック・フレンチの技法が随所に感じられてとても楽しかったとお伝えすると、弟子を育てて美味しい洋食を伝えていくのが自分の役割だと仰ってくれました。
厨房では厳しい方と聞きましたが、とても人好きのする気さくな方でした。
ファンが多いのもよくわかります。
デザートはいくつかのメニューの中からあまおうのシャーベットを選びました。
先ほど焼き立てのアップルパイを見せに来てくれた男の子には申し訳ないけど。
もなかの皮に包まれて、可愛らしい登場です。
甘酸っぱくて優しい味ですね。
深入りの珈琲をゆっくり楽しんで、本日のランチ終了。
素晴らしい時間を過ごすことができて感激しました。
フレンドリーで丁寧なサービスと手間暇惜しまず作られるプロの料理を堪能しました。
熊本は美味しいものだらけですね。
また是非仕事で呼ばれたいです(笑)。
ご馳走様でした!!!