ramjetさんが投稿したレストラン アルティザン（restaurant Artisan）（神奈川/日本大通り）の口コミ詳細

２０２１年１月３日（日）１７：３０にお邪魔しました。
年末から和食系が続いていたので新年早々に。
１月２日から営業されていました。

入店した時には既に３組程のお客さんが。
早い時間帯では、まずまずの盛況でしょう。

例によって、カッシーナバラリンのリゼルヴァを持ち込み。
パテやシャトーブリアンとのマリアージュが楽しみです。

まずは、シャンパンで前菜２品と。

●ウニとカニのコンソメジュレ　ビーツのエスプーマ
定番のコンソメジュレですが、季節ごとに変わるエスプーマ
が今回はビーツ。
ビーツと言えば、あのボルシチに使われる紫色のあれ。
カブのような形状に毒々しい色。
ロシアでよく勧められました。

若干引いてしまいましたが、ウニとカニのコンソメジュレは
捨て難い。
結局、ジュレが勝ってオーダーすることに。
「こころのなかの決定は５１対４９で決まることが多い」と
河合隼雄先生がおっしゃっていました。
正に至言です。

出されてみると、実にきれいなピンク色。
言われないと、とてもビーツとは思えません。
香りもボルシチのような激しさはなく、抑制されています。
ウニとの相性も悪くありません。
いつも通りのコンソメジュレとエスプーマが楽しめました。

●イチゴとフルーツトマトのサラダ。
デフォルトの野菜が、今回は人参、大根、ターツァイ。
野菜不足とならないようオーダーしました。
これはオーディナリーなサラダ。
可もなく不可もなしでした。

さて、ここからバラリンの登場。

●パテ
最近、定番化しています。
新春のサービスなのか、巨大です。
味はいつも通り申し分ありません。
バラリンとの相性も抜群。
しかし、あまりのボリュームに腹一杯。
途中で止めて、持ち帰るべきでした。
反省。

●アワビのステーキ　肝のソース
小振りではありますが、身に厚みがあります。
したがって、食べた時の食感がいい。

アワビは新鮮なうち（できれば生きている間）に塩で
揉んで一晩寝かせた後に、さっと洗って食べるのが一番。

生のアワビをステーキにするのは反対ですが、
冷凍物ならステーキは正解。

肝のソースもバターで上手く調合され、濃厚で香りも豊か。
２枚で２,８００円は素晴らしいコストパフォーマンスです。

●黒毛和牛シャトーブリアンのロッシーニ
（フォアグラとトリュフのせ）
ハーフサイズで。
前回のレポートに同じです。

前回はこのメニューの前で、ワインを飲み切っていました。
今回はしっかりコントロール。
素晴らしいマリアージュとなりました。
満足です。

●デザート：季節のフルーツのババ・オ・ラム
甘いのをさけるため、ババ・オ・ラムだけに注目。
季節のフルーツが何かをチェックせずにオーダー。
フルーツは何と苦手な柿でした。
この時期ならイチゴかセイヨウナシかリンゴかと思い込み。
柿は全て同行者に。
今後は注意しなければいけません。

新年３日目のフレンチは大正解。
来年以降もカスタマイズしたいと思います。

以下は前回までのレポートです。
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８月２４日（月）４名での訪問です。

１８時にお邪魔しました。
既に、３組のお客さんたちが。
私たちの後からも２組。
月曜日から盛況です。

カーテンで仕切られたエリアに。
隣は男性３人組。
男性だけでフレンチは粋です。
気取った風もなく、自然体。
アルティザンは客質も上級です。

バローロ　カッシーナバラリンを持ち込みました。
畑はブリッコ・ロッカ。
ヴィンテージは当たり年の２０１０年。
長期熟成のリゼルヴァです。

まずは、シャンパンとグレープフルーツジュースで乾杯。
メンバーのひとりはノンアルコール。

プリフィックスの手もありましたが、アラカルトで。
４人のリクエストメニューをシェアします。
いろいろ話し合いながらメニューを決めるプロセスも楽しい。

●ウニとカニとコンソメジュレ　トウモロコシのエスプーマ

これは４人分。
ウニとカニとコンソメジュレは通年固定。
エスプーマが季節ごとに変わります。
アルティザンでは外せないメニュー。

エスプーマにウニがトッピング。
大粒のキタムラサキウニです。
今が旬。
高級寿司屋で出されるレベルです。

まずは上層のウニとエスプーマから。
エスプーマの消え入るような食感とウニのしっとり感。
艶めかしい。
どちらも繊細な香りが混ざり合い口腔内から鼻腔を漂います。
食べた後の余韻が長い。

二口目は中に侵入。
ズワイガニとジュレ、さらにまたウニが。
この惜しげもないウニの使い方は感動です。
一口目のソフトな食感に
ズワイのしっかりした食感が加わります。
複数の食感と香りのアンサンブル。
これはシャンドワゾーのソーテルヌに通じます。

魚介のメニューですが、バローロとの相性もいいです。

●パテ（前回のレポートと同じ）

鴨やフォアグラ入り。
ロティスリーのようにペースト状ではありません。
明宝ハムのような見栄え。
ところどころに肉塊が散見されます。

食べてみるとハムとは異なる食感と香り。
やはりパテの香りです。
食感はハムとパテの中間。
噛んで食べます。
深い味わいと長い余韻があります。
マスタードはごくごく少量の方がパテ本来の
味わいが感じられます。

バローロと素晴らしいマリアージュになりました。

●イワシのマリネ　ジャガイモとイクラのサラダ

今月のお薦めから。
ゲストメンバーのリクエスト。

旬のイワシは立派な型。
イクラがたっぷりとかけられています。
その下にジャガイモが。

いったいどんな味だろう。
初めて食べます。

まず、イワシの〆加減が抜群です。
きつ過ぎず、それでいて臭みがしっかり取れています。
脂の乗ったイワシでしょうか。
〆られても旨味がじんわりと感じられます。

面白いのがイクラ。
このプチプチ感としょっぱさが素晴らしいアクセント
になっています。
これは新しい発見。

ゲストからのリクエストがなければ
４５度で１時間焼いたサーモンになっていました。
何事も挑戦する姿勢が必要です。

●アメリケーヌの旨味がたまらない！
　大人の贅沢マカロニグラタン（前回のレポートと同じ）

海の幸のてんこ盛り。
魚介類なかでも甲殻類好きにはたまらない一品。
つぶ貝も入っています。
旨味がぎっしりと凝縮され、食べ応え充分。

まさにネーミングのとおり。
最高に贅沢なグラタンです。

魚介類の濃厚さをやわらげる効果として、
ディルとセルフィーユが。
香草類は苦手ですが、この組み合わせなら大丈夫。
むしろウェルカムでした。

ゲストに大好評でした。
これもイクラのしょっぱさがポイントになっています。
もはや調味料代わりでしょうか。

●黒毛和牛シャトーブリアンのロッシーニ
　（フォアグラとトリュフのせ）

メインの肉料理。
ショトーブリアンのロッシーニにサマートリュフ。
グルメのロッシーニもびっくりの
豪華さのテンコ盛り。

シャトーブリアンは驚くほどやわらか。
さすがヒレ肉のなかのヒレ。
脂分を感じないのに旨みはしっかり。
それも上品な旨味。

これにフォアグラの濃厚さが加わります。
ロッシーニはサーロインでは成立しません。
ヒレの上品さがマスト。

トリュフは香りの相乗効果発揮に大貢献。
シャトーブリアンにトリュフだけでも
充分な気がしましたが、若いゲストには
フォアグラの濃厚さが良かったようです。

しくじったのはこのメニューまでに
バローロを飲み切ってしまったこと。
同行の２人はしっかり確保していました。
素晴らしいマリアージュだと喜んでいました。
残念。

●デザート
アルティザンの魅力のひとつはバラエティに富んで
手抜きのないデザートたち。

しかもボリュームがあるので、デザート用の余地を
残しておかないと苦しい思いをすることに。
この日は充分にお腹のスペースを確保しておきました。

魅力的なデザートメニュー。
いつもどれを選ぶか迷ってしまいます。
４人でかぶらないように事前調整。

私は甘みの少ないスコッチウィスキーのアイス。
甘みが少ないどころか、超ドライ。
これは子供はもちろんのこと、大人の男性でもハード。
スイーツからほど遠い
ウィスキーの塊のようなアイスでした。

おもしろかったのが「焼きたて！マドレーヌ」
６個も出されます。
ゲストのリクエストです。
あったかなマドレーヌはバターがたっぷりで濃厚。
しかもしっとり。
乾いて冷めてしまっては魅力が半減します。
アシェットデセールならではの一品。
供する個数でマスターとマダムでもめるそうです。
２人ならともかく、４人で行ってデザートを分け合う
なら６個は妥当かと思います。
今回はマスターに軍配。

前菜、メイン、デザートまでいつも満足感で満たされます。
いつまでも続いて欲しいレストランです。

以下は前回のレポートです。
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今年の２月１９日オープンのようです。
６ヶ月以上も訪問しないでいたのは大きな機会損失。
悔やまれます。

空間、味覚、運営スタイルの全てが好みにドンピシャ。
姉妹店のロティスリーを凌いで、
マイベストなレストランに成りました。

平日の夜に３人で訪問。
中区役所の裏。
選挙や住民票取得のため時々うろうろするエリアです。
全く気が付きませんでした。

綺麗なビル。
エントランスは２階。
広々とした空間。
ゆったり感と高級感があります。
カーテンで仕切るＭＡＸ１０名の個室エリアも。
ファミリアーなロティスリーとは一線を画します。

窓際、個室エリア横の４人掛けテーブルに案内されました。

落ち着けます。
座ってみて、天井の高さ、窓ガラスによる開放感、
間接照明の効果、これらが快適な空間創りに貢献していると
わかりました。

遠くにはオープンキッチンが。
２、３名のシェフとスタッフ。

フロアは気の利いた女性がひとりで対応。
料理への知識も豊富。
堅苦しくないホスピタリティも抜群でした。

メニューは、弾力的な選択肢が得られる
プリフィックスコースもありましたが、
初回でいろいろ試してみたかったので
アラカルトにしました。

３人でシェアするなら６品くらいがいいと
適切なアドバイスが。
実際、食べてみてドンピシャでした。
感謝と敬服。

メニューにサラダがありません。
こちらでは最初、オートマチックに、
キャロットラペ、キノコのマリネ、
ロメインレタス３種のサラダが
出されます。

キャロットラペはビネガーが
よく効いています。
さっぱりと食べられます。
キノコはシメジ、舞茸、エノキなどが
ガーリックとうまく調理され食欲をそそります。

３人で直ぐ空けてしまいました。
サラダが無くなると、パンとバターが。

イタリアンですとまずはオリーブオイル。
オリーブオイルとパンの組み合わせは苦手です。
ですので、バターは物凄くうれしい。
しかも発酵バター。
さらに、ごくわずかですが有塩。
もう涙が出そうです。

パンは若干硬め。
バターをたっぷりと付けていただきました。

いよいよ前菜です。

●ウニとカニのコンソメゼリー　
　冷たいクラムチャウダーのエスプーマと：４.８点

フォレストの「生ウニと蟹のムース　コンソメジュレ寄せ」
を想起。
ウニは塩水生ウニで磯の香りがたっぷり。
寿司屋のレベルと同等。
ズワイガニの身もたっぷり。

それぞれの食材の良質な香りと食感が
複雑に混ざり合います。

まずはウニとエスプーマ。
ひと際、ウニの香りが立ちます。
エスプーマの消えゆくような食感は
ウニの香りに名残り惜しさを感じさせます。

ウニの余韻が残っているところにズワイガニ。
蟹身の食感と共に香りがコラボ。
蟹身は噛み応えがあります。

さらにジュレ。
食感のアクセント。

見た目は軽そうですが、
なかなかどうして。
かなりのボリュームです。

でも、飽きません。
いきなりのエース級の登場に
これからの展開への期待が高まります。

●パテ：４.５点

鴨やフォアグラ入り。
ロティスリーのようにペースト状ではありません。
明宝ハムのような見栄え。
ところどころに肉塊が散見されます。

食べてみるとハムとは異なる食感と香り。
やはりパテの香りです。
食感はハムとパテの中間。
噛んで食べます。
深い味わいと長い余韻があります。
マスタードはごくごく少量の方がパテ本来の
味わいが感じられます。

●４５度で１時間焼いたサーモン：５.０点

サーモンは北海道、モスクワで良質のものが食べられます。
敢えてチョイスすることもないかと思いましたが、
低温で１時間かけて焼いたものがどんなものなのか
好奇心を掻き立てられました。

見た目からしてびっくり。
パイ生地の間にサーモンとポーチドエッグがサンド。
まるでスイーツのようです。

パイ生地は薄く繊細で、すぐに崩れます。

サーモンは限りなく生に近い。
でも生ではない。
これまでに経験したことのない食感。
感嘆を伴う衝撃的な食感と魅惑的な味覚です。

マイナス１００度のオーブンで焼いたと言われたら
なるほどとうなずいてしまいそうです。

その味覚には、生に近いからなのか、はかなささえ感じます。
そのはかなさはパイ生地のもろさとも相乗しています。
感受性が豊かで繊細な女性のイメージが重なる一品でした。

●黒毛和牛と牡蠣のタルタルステーキ：３.５点

黒毛和牛の生肉に牡蠣のタルタルソース。
なんとも美味しそうです。
ユッケのような味覚を想起してオーダーしました。

実際は、ビネガーが強く生肉の旨味が抑えられ
酸味が前面に出過ぎる感がありました。
牡蠣のタルタルもやや生臭みがありました。

クルトンに載せて食べましが、クルトンが硬くて
食感の点でも生肉との相性はイマイチでした。

●アメリケーヌの旨味がたまらない！
　大人の贅沢マカロニグラタン
（海老、カニ、ホタテ、いくら）：４.９点

海の幸のてんこ盛り。
魚介類なかでも甲殻類好きにはたまらない一品。
つぶ貝も入っています。

旨味がぎっしりと凝縮され、食べ応え充分。
まさにネーミングのとおり。
最高に贅沢なグラタンです。
黒毛和牛で盛り下がった後なので、うれしさ爆発。

魚介類の濃厚さをやわらげる効果として、
ディルとセルフィーユが。
香草類は苦手ですが、この組み合わせなら大丈夫。
むしろウェルカムでした。

●アイルランド　プレミアムドライエイジングビーフ
　サーロイン　コニャックのソースと
　ニンニクのコンフィー：４.９点

肉は焼くのに４０分程度要します。
なので、早めにオーダーするようにアドバイスされました。
ですが、初めてなので５品まで食べて判断することに。
５品目がグーンと評価アップしたこともあって、
肉をお願いすることに。
何種類かありますが、オーソドックスなものを。

本メニューを勧められました。
赤身が食べたかったので、サーロインがひっかかりましたが
ほとんど赤身に近いとのことでしたのでアクセプト。

肉を焼いていただいている間にユニークなアトラクションが。

ジュラルミンケースを携えて席に来られて、
ケースをオープン。
中にはたくさんのナイフが。
ステーキ用ナイフを選んで、選んだナイフで
性格占いが成されます。

なんて粋な計らいでしょう！
こんな遊び心のあるフレンチは初めてです。

私が選んだのは、フランス「オピネル社製」。
ニューヨークＭＯＭＡの収蔵品にも加えられている
名品でした。
性格占いの内容は伏せておきます。

低温でじっくりと焼かれた肉はミディアムレア。
ナイフの切れ味は抜群です。
アドバイスいただいたとおり、呼称はサーロインですが
ヒレと言われてもわからないくらいの肉でした。

食べてみてびっくり。
エイジングによるのか、肉の深い旨味を感じます。
サーロインと知らされているせいか、
かすかな脂の甘みも感じ取れます。

さらに添えられたポテトのピューレが秀逸。
良質の生クリームとバターで調理され、
滑らかな食感、口腔内への香りの広がりと長い
余韻が楽しめました。

●ドリンク

断酒中なので、ノンアルコールワイン「カベルネ・ロゼ」
スパークリングワイン割りをいただきました。
当然、甘めですが素晴らしい香りでした。
その後は、ガス入りのミネラルウォーター。

断酒してから８ヶ月。
暑い夏でもビールは欲しくありませんでした。
これまで一度もワインを飲みたいと思いませんでした。
しかしながら、これだけ美味しい料理をいただくと、
赤のフルボディが欲しくなります。
今回はなんとか抑えられましたが危険信号点灯です。
注意しないといけません。

●デザート/ブランデーのブラマンジェ
　黒糖とエスプレッソのソース：４.８点

デザートはパテシエ自らワゴンを引いて席に来られます。
全品の紹介が丁寧になされます。

オーダーは来店前から決めていました。
そして期待とおりの一品でした。

ブランデーのかすかな芳香。
ブラマンジェ自体の甘味とブランデーの苦味。
甘味と苦味のコラボは旨味の必須条件。
苦味こそ味覚に深みを添えます。
子供には分からない大人の一段上の味わいです。

さらにこのスイーツにはソースでも同じ効果を
狙っています。
黒糖の甘味にエスプレッソの苦味。
パテシエはよく計算されています。

これはテイクアウトのプティガトーでは味わえません。
アシェットデセールならではの体験です。

●まとめ

調理技巧のレベルは高いとわかっていても、
フレンチは堅苦しくて敬遠してしまいます。
ついついイタリアンへ。

こちらはフレンチの技巧でありながら
フランクな雰囲気のなかで食事を楽しめます。
メニューのチョイスも弾力的です。

丁寧な料理とデザートへの説明。
ステーキナイフ占い。
遊び心あるホスピタリティは素晴らしい。

今後、間違いなく通い続ける名店です。