2回
2018/03 訪問
名古屋名物「あんかけスパゲティ」の老舗のひとつ 私が最も好きな店
私は今回の名古屋出張に際して、前日の夕方から前のリで名古屋に入った。
もちろん、朝イチからの仕事に備えた部分もあるが、名古屋に行くなら久しぶりに行きたい店があったからだ。
その店は決して不便ではないものの、郊外にあるカジュアルな食堂で、でも仲間と一杯飲みながらというタイプの店でもないため出張中にはなかなか行けず、私がここを訪れるのも6年ぶりだった。
私がはじめてこの店に出会ったのは、私が名古屋に転勤を命じられた20年ちょっと前の事。
住居探しのために訪れた本山という街で、昼食のために、大通りから一本裏手に入ったところにひっそりと建っていた一軒のスパゲティ屋に飛び込んだ。
「ソール本山」という名のその店は「あんかけスパゲティ」という聞いたこともないスパゲティの専門店だった。
昼食時間を外していたからか、他に客もいない店内で、店主によって大量の油で熱せられた茹で置きの麺に、およそスパゲティソースとは思えない赤茶色の中華餡のようなソースをかけた料理が出てきた。
ひと口食べると、強烈な香味野菜の風味とともにトマトの酸味とスパイスの辛味が飛び込んでくる。
正直言ってその時はそんなに旨いものとは思わなかった。
セロリなどの香味野菜の風味かスパイスの辛さのどちらかでこの料理を嫌う人は多いだろうなという印象だった。
ただ、私は辛いものが好きな上に、私が2度ほど行ったギリシャで食べたパスタで、茹で置きを温めなおした麺にトマトで味をつけたフォンドボーをコーンスターチでとろみをつけたソースがかかっているものを食べたことがあったので、嫌うまでには至らない免疫はあった。
後日、名古屋駅近くの別の店で何気なく2度目の「あんかけスパゲティ」を食べた。
その時も「こんなものだろう」程度にしか思はなかったが、その週末、無性に「あんかけスパゲティ」が食べたくなってまた「ソール本山」を訪れた。
私はこの時、完全に「あんかけスパゲティ」にハマってしまった自分が居る事を知った。
その後、私は名古屋にいる間、最低でも週に1度は「あんかけスパゲティ」を食べていた。
「ソール本山」はその中でも最も気に入っていて、週末に食べる時は決まってこの店を訪れた。
「ソール本山」のソースは、他の店に比べてトマトの風味がまろやかで酸味よりも香ばしさの方が強い。
それがスパイシーな味とマッチして他店にはない奥深いソースに仕上がっている。
麺の火通しにもムラが無く、かといって決して油っぽくもない。
実に美味しい「あんかけスパゲティ」だった。
私が名古屋に居た末期の頃、「ソール本山」で研修をしていた女性が居た。
その女性はその後現在この店の本店がある一社に支店を出した。
その後名古屋を離れた私は、「ソール本山」が支店のあった一社に移った事を知った。
またその後「からめ亭」と名を改め、フランチャイズ店を増やしている事も知った。
出張時には現在も「からめ亭丸の内店」に行く事が多い。
それでも、出張や家族で名古屋に遊びに行った時などに何度か「からめ亭本店」にも訪れた。
「ソール本山」時代は、ほとんど口をきいたことが無かったご主人とも話すようになった。
息子さんが店に加わった事もその時に知った。
ご主人は人が変ったかのように明るくなったようだ。
一度「東京に進出するならパートナーを見つけますよ」などと軽口を叩いたこともある。
今回うかがった時は旧友との再会で話が弾んでしまって、ご主人とは話をすることはできなかったが、やはりこの店の「あんかけスパゲティ」は旨い。
「台湾まぜスパ」とか何やら変わったメニューもあったが、今後も王道で勝負して欲しい名店だと思う。
2018/03/11 更新
8月中旬の2度目の夏休み。
父の法事を終えた私たち夫婦は、
本来ならその足で蓼科の知人の別荘に向かう予定だったのだが、
数日前に名古屋事務所から連絡があって、
事務所の女性スタッフ(リケジョ)が私と共に取引先からゴルフコンペに招待されたのだ。
当然私は断わり別のスタッフが代理参加することになったのだが、
直前になって、それがコンペではなくプライベートパーティーだという事が判明した。
代理参加のスタッフは大慌て。
何故って???
以前もご紹介した通りリケジョのゴルフの下手さは半端じゃない。
愛嬌でごまかして相手に不快感を与える事は無いだろうが、
同行予定のスタッフは「18ホールフォローし続ける自信が無い」と私にSOS。
私は妻に拝み倒してコンペの前日に車で名古屋に向かった。
「夜着けばいいや」と夕方出発したのだが、ガラガラの新東名は何も私を遮るものが無く、
私は実家からナント2時間あまりで名古屋に着いてしまった(内緒です・・・汗)。
こうなると何か美味しい「名古屋めし」が食べたい。
私は名古屋のゴルフ仲間のひとりの独身者に電話して夕食を共にすることにした。
いろいろと候補は有るのだが、
私にとって最も「『名古屋めし』らしいもの」と言えば、
「スガキヤ」か「あんかけスパゲティ」という事になる。
夕食という事もあって友人の希望は二択なら「あんかけスパ」。
しかもどうせ行くなら「あんスパ」の中でも私たちが最も好きな・・・それも本店に行こうという事で一社にあるここ『からめ亭本店』を訪れた。
この店は30年近く前に私が名古屋勤務が決まって家探しに来た初日に訪れて以来の長い付き合い。
当時は本山という場所にあり『ソール本山』という店名だった。
この間の「私と『からめ亭』」については前回ログ参照。
出張時に時々『丸の内店』には行くことがあるがここ本店は4年以上ぶり。
遅い時間にもかかわらず賑わう店内。
親父さんに挨拶することもできず、
私はいつもの「ミラネーゼ」(ハム・ベーコン・ウインナーのせ)、
連れの友人は「ミラカン」(ミラネーズ+野菜)をオーダー(信長???)
私の「ミラネーゼ」が先にやって来た。
ビジュアルは前回以上に黒くなった気がしないでもない。
ここの「あんかけ」が他の店と圧倒的に違う理由は、
香味野菜と牛挽肉を煮出して抽出した水分を取った後の具材をもう一度オーブンで焼いて焦がす。
それを先ほどの煮汁で溶きのばして香辛料とコーンスターチで味を調える。
だから「あんかけスパ」は「赤い」というイメージを持たれる方が多いでしょうが、
ここは同じものを使っていても他店より黒くなる。
それがこの店の「あんかけスパ」他店よりも濃く香ばしく感じる理由なのでしょう。
ちなみに作り方については、親父さんが大昔に話してくれたものなので、
今とは違うかもしれないし端折って話しただけかもしれません。
悪しからず(汗)
相変わらず美味い。
非のうち所がない。
「辛さ」がさほどでもなくなったような気もするが、
その分は「香ばしさ」が補ってくれている。
そして、この店の「あんスパ」のもう一つの特徴・・・。
「圧倒的な後味の良さ!」
トマトよりもデミグラスソースを食べた後のような煮汁の旨みがたっぷり。
ああ、新東名が空いていてよかった(笑)
帰り際、親父さんと少し話すことができた。
私の事が思い出せなかったのは仕方がないが少し元気も無かった。
お歳を召したからなのだろうか???
まあ、元々無口な人で『ソール本山』時代は、注文以外の話はした事無かったけど・・・(^^;)
親父さんの元気の源である(ように感じた)息子さんは、
今は「丸の内店」を切り盛りしているよう。
次はまた「丸の内店」にも行ってみよう。