グールマンさんが投稿したLe Criquet(フランス/アルル)の口コミ詳細

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グールマンの勝手に備忘録(埼玉+αレストラン訪問記)

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Le Criquetアルル/ビストロ

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥6,000~¥7,999/ 1人

      訪問時点の為替レート換算での金額になります。
      • 料理・味 5.0
      • サービス 3.5
      • 雰囲気 3.5
      • CP 5.0
      • 酒・ドリンク 4.0
1回目

2017/03 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人訪問時点の為替レート換算での金額になります。

南仏アルルの街の人気ビストロ「ル・クリケ」の絶品「魚のスープ」


南フランスの街アルルには今回で5度目の訪問。

と言っても、別に野生のフラミンゴや白馬のいるカマルグの湿地帯に魅せられたわけではない。
城壁に登って闘牛場を眺めながらゴッホやビゼーの「アルルの女」に思いを馳せるわけでもない。
それらは最初の訪問で充分堪能した。

それでも私が度々アルルを訪れるのはたった二つの郷土料理を食べる為だ。
「スープ・ド・ポワソン」と「ガルディアン・ド・トロー(ブフ・ガルディアン)」。

「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」
サフランが入った上品な「ブイヤベース」と違って、もっとワイルドに魚と香味野菜を煮出しトマトで味をつけたもの。
ウイキョウやアニスの風味があって、濃厚な味ながらもスッキリとしたスープになっている。
食べる時にはアイオリが付いてきて、パンを浸して食べても美味しい。

「ガルディアン・ド・トロー(牛肉の煮込み番人風?)」
代表的なアルルの郷土料理で、直訳すると「カウボーイ」という名の牛肉の赤ワイン煮込み。
魚介類が豊富な南フランス沿岸ではめずらしい牛肉の郷土料理。元々、闘牛の肉を食べるために考えられたので、肉を赤ワインにひと晩漬け込んだり、通常のシチューや赤ワイン煮よりも長く煮込むため、肉はトロットロに柔らかく味も濃厚でフレンチ版牛肉の角煮のよう。
付け合わせにカマルグで採れた米が付いてくることが多く日本人には嬉しい限り。

このふたつの料理に関しては、どこのレストランが美味しいか?ではなくどこで食べても旨い。
初回のアルル訪問でこの料理に出会って、2度目のフランス旅行、3度目はリヨンで、4・5度目はマルセイユでの仕事を終えた後、それぞれ休暇を取ってわざわざここを訪れた。

というのも、フランス広しと言えどもこの料理が食べられるのはここアルルの街だけなのだ。
(もちろん日本でも出しているところはない。昔1軒だけあったのだが・・・)

だから、アルルを訪れる時は必ず2泊して2晩続けてこの料理をペアリングで食べる(場合によってはランチでも)ようにしている。

ただ、初回の訪問時には、街じゅうのレストランがディナーの「ムニュ(MENU=定食)」でこのペアリングを採用していたのに、訪れるたびに提供するレストランが少なくなっているようで、今回の訪問ではこの両方を用意しているレストランを探すのにもひと苦労だった。
とても美味しいのに・・・。
でも確実にあるからご安心を。

有名な「古代劇場跡」のすぐ近くにある「ル・クリケ」もそんなレストランのひとつ。

元々地中海料理をベースにした郷土料理を中心に提供するレストランだったので、ここの「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」は私が初めて訪れた20年前から評判だった。
この店を教えてくれたホテルのコンシェルジュも、「ここはとっておきのレストランなんです」とドヤ顔MAXだった。

前回、当日にホテルから予約を入れてもらおうとしたら満席で翌日の夜になったことがあった。
10日前から予約を受け付け、週末などは1週間前には満席になることもあるらしい。
聞けば、アルルでも1・2を争う人気レストランなのだそうだ。

なので、今回はホテルを予約した段階で予め10日前の予約を頼んでおいた。
ホテルはこのレストランを教えてくれたコンシェルジュが居た「ジュール・セザール(ジュリアス・シーザー)」。
アルルの街のランドマーク的存在のクラッシックホテル。
8日前には「予約完了」のコンファメーションメールが届いた。
さすが「ジュール・セザール」だ。

ここ「ル・クリケ」は、前菜とメインを5種類ずつの中からチョイスする方式で、「スープ・ド・ポアソン」も「ガルディアン・ド・トロー」もその中に含まれている。
その他にはデザートやチーズがある。
特にデザートは2ユーロ追加するだけで「食べ放題」になる。

今回は「ガルディアン・ド・トロー」が「シヴェ・ド・トロー(雄牛の煮込み)」と名を変えて、ココットで煮込まれた牛肉は、前回よりもより柔らかくトロットロになっていた。
一般のビーフシチューと比較しても、香ばしさと自然な甘みが深く、肉の柔らかさも半端じゃない。
付け合わせのカマルグ米と食べると最高級のハヤシライスのよう。
まるで日本人のためにある料理のようだ。

「スープ・ド・ポアソン」は相変わらずの美味しさで、スープとして味わった後はアイオリとともにパンを浸して食べるとついつい食べ過ぎてしまう。
「ブイヤベース」よりも濃厚なその味はこのまま麺(中華麺かカッペリーニ)でも入れて食べたくなるほどだ。

ここはワインの品ぞろえも豊富。
高級なものも中にはあるが、中堅どころの特にロゼワインが充実している。
今回も美味しいエクサンプロバンスのロゼとローヌ河岸のシラーをチョイスしていただいた。

4人で行って、満腹とほろ酔いでひとり6000円ちょっと。
いつでも簡単に行くことのできる場所ではないが、行けば必ず比類なき満足感を得ることができる。
近いうちに必ずまた行くことになるだろう。
そんな気がする。

  • 「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」ブイヤベースよりも濃厚な味わい

  • 「シヴェ・ド・トロー(雄牛肉の赤ワイン煮込み)」付け合わせのカマルグ米が嬉しい

  • 前回食べた「ガルディアン・ド・トロー(雄牛肉の赤ワイン鋳込み番人風)」

2018/04/06 更新

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