レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2018/12訪問 2018/12/25
感服しました。料理も接客も楽しいし、それ以上に美味しい。
まず、お店の造りから面白い。住宅街の中の三叉路の角地に立つマンション1階にあって、通りから一段低くなっている厨房が丸見えです。そこからぐるっと回り込んだマンションの玄関を入るとお店の入り口があります。
店内は茶系統で統一された落ち着く雰囲気。テーブルがゆったりと配置されていてくつろげます。スタッフの方々はにこやかで丁寧、フレンドリー。もてなされているという感覚がわいてきます。シェフの辻大輔さんも最初と最後にテーブルまであいさつにきてくださいました。
クリスマス特別料理(税サ込み16500円)のスタートは、これから始まるコースの期待感をがんがん上げてくれる品々。焼いたチーズにナッツを埋め込んで花に見立てたものや、草に見立ててほうれん草を練りこんだもの、ツナペッパーのソースをまとわせたトマト、ポルチーニ茸の香りを加えたすっぽんスープ。見た目に楽しいだけじゃなく、文句なく美味しい。
前菜の一品目はぶり大根。深い皿にラップを張ってスモークした香りを閉じ込めたうえに、薄く切ったぶりと大根ペーストのソース。その次は、ホタテの貝柱をフライにしてトマトと一緒に挟んだミニハンバーガー。このバーガーだけでお腹が一杯になってもいいほど気に入りました。
と、思っていたら次のパスタにもやられました。白トリュフの香りが濃厚。これが辻シェフのスペシャリテの一つだそうで、この香りで窒息してもいいと思うほど美味しかった。
魚料理には焦げ目をしっかりつけた真鱈の白子が載っています。これ、うまいなぁ。
肉は豊後牛。カリフラワーのソースも味わいをふくよかにしています。添えられているのはキノコのような食感がある赤チコリ。さらに、鴨を使ったラザーニャ。オレンジの香りがします。甘くて柑橘系の香りがするラザーニャって初めてだけど、これもこれだけでお腹いっぱいになりたい味。
誕生日だったので大きな宝石箱のような木箱に入ったチョコシューを出してくださいました。デザートはティラミスのもととなったといわれるズッパイングレーゼ。これもうまいんだなぁ。甘すぎず華やかな味わいで、ティラミスよりずっといい。最後は卵の器に入った3種類の小菓子とハーブティーです。
ビール、グラスワインの白3杯、赤1杯ずつ(800~1800円)をいただいて、一人当たり約23500円。すごいお店でした。
3位
1回
2018/05訪問 2018/06/05
たぶん5回目くらいのチャレンジでようやく予約がとれました。この日は平日で、営業開始と同時の午後6時という早い時間帯だったので、半月前ほどでも運良く予約がとれたようです。
調理場を「く」の字に囲んだカウンターとテーブルが数席というキャパが少なめなお店なのと、料理が美味しく、リーズナブルな値段でなかなかいいワインを飲めるという飲兵衛にはたまらない内容の良さが、「予約が取れないお店」の理由でした。
予約時に5800円のコースを頼んでおきました。スタートは焼いた野菜とツナをパイ生地で挟んだエンパナーダと、味の濃いイベリコ豚のサラミ。飲まずにいられない料理です。まずはカバを1杯。
前菜はアンダルシアの味の濃いトマトソースで、ホタルイカやいちじく、甘みの強いぶどう、卵を和えた郷土料理。カタルーニャのロゼで。
次が特に秀逸でした。メロンとキュウリのガスパッチョソースの中には鮎のパテがたっぷり。鮎のほのかな苦みがとても美味しい。これ、延々と食べていたい。ふわっと鼻に抜ける優しい味わいの白で。
次がピンチョス。マスカルポーネと蜂蜜を添えてあります。これも、もっと食べたいなぁ。別の白をもう1杯。
メインはジャージー牛の肩ロースにバスク地方のチーズソースを添えてあります。これに合わせたコクと渋みのある赤がうまかった。さらにロゼを飲んで、シメのご飯。はまぐりのリゾットです。貝の旨みと香りが食欲をそそるなぁ。
デザートはカシューナッツのケーキを選択。コーヒーも香りがいい。どの料理も外れなし。グラスワインもコースに合わせるのには十分な種類があって、楽しい。
シェフとホールを担当するソムリエの奥様でしょうか。二人の飾らず、丁寧で、客を楽しませようとする接客ぶりにも好感を持ちます。
十分に食べて飲んで一人当たり約1万1500円。頑張って予約を取る甲斐があるお店だと思います。
4位
6回
2024/05訪問 2024/05/06
ようやくタケノコの季節にお邪魔できました。正確にいうと、タケノコが豊作の季節にお邪魔し、タケノコ料理をいただくことができました。
何度も来ているのだけれど、たまたまタケノコの入手が困難な時にあたったり、ほんの少しタイミングがずれたりして、なかななタケノコ料理を堪能できませんでした。お店の玄関横には、その時の料理のメインとなる食材が大きな字で書いた看板が掛けられているのですが、この補は「タケノコ」という文字が。小躍りして、玄関をくぐりました。
いつもながら接客はいい距離感で、かたぐるしくもなく、なれなれしくもなく、笑顔と丁寧な説明でもてなしてくださいます。この雰囲気が好きだなぁ。
料理はお任せ(税込み8800円)。最初はエンドウ豆の豆腐です。むっちむちな食感。エンドウ豆の軽い甘さとウニが合います。
潮汁、プルンとした弾力のある鯛のお造り。防風と呼ばれる香りのいい葉が添えられていました。天ぷらはコシアブラ、空豆にはからすみ、片栗の胡麻和えがひとつまみ添えられています。これがまた酒に合う。酒は京都の鶴の声から、田酒へ。
楽しみにしていたタケノコと鯛のあらの椀。タケノコ、しゃくしゃくした歯ごたえがなんとも言えません。マスを包んだ料理、あいなめの唐揚げと続いて、〆のお茶漬け。甘いメロンまで、いつもながら、楽しい時間を過ごさせていただきました。
大好きなお店の一つです。
久しぶりの三友居です。今回は白金高輪駅から。徒歩10分ほどでつきました。いつも雨なんだなぁ、こちらに伺うときは。
今回のお任せ(税込み6600円)は旬の京野菜です。
最初の料理は、愛媛県産の御荘ゴールドをくりぬいて、ホタテやラディッシュなどを詰め、甘いウニを載せた料理です。この御荘ゴールド、甘くて、絞るとシューズがじゃぼじゃぼと出てくる優れもの。
お造り、角煮と大根、おしのぎに鯛の握り。この握りは桜餅のように、酢で締めた桜の葉で覆われていていい香りがしました。
山菜と白魚の天ぷらも軽く揚がっていて、佐々木藏之介さんの実家のお酒・鶴の聲に合いました。
雑炊と漬物でしめた後に、道明寺と抹茶(550円)を追加し、春を楽しみました。
今回は結構飲んだので1人当たり約1万円。接客も丁寧でにこやか。いつものように楽しい時間を過ごさせていただきました。4月からはタケノコです。
高輪ゲートウエー駅ができてから初めて同駅側から歩いてみました。やっぱり15分くらいかかるなぁ。まだ駅前は開発中で工事現場になっているため、ちょっと寒々しい雰囲気。でもこれが完成すればにぎわいのある大都会になるのでしょう。そうなれば、こっち側から歩いて三友居に通うのが楽しそう。
今回は週末のランチです。おまかせ(税込み6600円)のみで、その季節の食材を生かした料理が出てきます。メインの具材はお店の玄関横に大きく書き出した札が掲げてあります。今回は「はも」。
ハートランド(中瓶、770円)で乾杯。先付けはいちぢくの田楽。熟して柔らかくなりすぎたいちぢくではなく、甘みが強いものの、まだ硬さもあって歯ごたえのある食感がいい。これ、うまいなぁ。
次はハモを葛でとじた椀。そして梅肉の酸味を加えて食べる刺し身。量も多いし、厚みもあって、はふっという食感。次が冬瓜とともに餡の中に浮かんだ焼きハモ。量の多さもここの特徴です。
次が焼きハモ寿司やとうもろこしのかき揚げ。すでに日本酒に切り替え、京都の「鶴の聲」(1合、1045円)。すでに3合目。これ、俳優の佐々木蔵之助さんの実家の酒蔵の銘柄だそうです。旨みと酸味のほどよいバランスが京都っぽい。
水茄子とハモの南蛮のあとは、ハモ茶漬け。とても香りがいい。水菓子は梨。
これで1人当たり約8500円。気持ち良く過ごせて、言うことなし。また来ます。
久しぶりの三友居。大好きなんだけれど白金台駅からだと15分くらい歩かないといけないので、雨の日は避けたい。でも前もって雨が降るかどうかは1週間前くらいにならないとわからない。ということで予約をとるのがぎりぎりになってしまうということもあって、頻繁には来れないのだけれど、家が近かったら少なくとも毎月来たいお店です。
仕出し屋さんなので、お店の造りは質実剛健。華美ではないけれど、清潔だし、こじんまりしていてちょうどいい感じ。接客も懇切丁寧ではないけれど、フレンドリーで十分なおもてなしの気持ちを感じ取れます。緊張せずにリラックスして食事を楽しめる。
そして、料理は抜群。いつどの季節の料理を食べても間違いない。週末に久しぶりのランチ(税込み4950円)を食べにうかがいました。6月は鱧づくしです。
スタートはえんどう豆の豆腐。ぐにゅっとしてむっちりして舌にはりつきます。わらび餅に使う粉を混ぜているので、この触感が出るそうです。そのえんどう豆豆腐にうにが載っています。これは絶品。これだけでお腹がいっぱいになっても悔いはない。
そして鱧づくしのスタートです。鱧とネギが生姜のきいた出汁の中に入っています。シーズン初の鱧。この触感、お久しぶりです。次が氷の上にのった鱧のおとし。梅肉との相性抜群。鱧と梅は切っても切れないペアですね。
揚げナスの胡麻酢がけ。この一品だけ鱧抜きです。この胡麻酢、コクがあってうまい。くどさがないので、いつまででも舐めていられる。
そして鱧寿司。鱧の皮とキュウリの和え物。最後が鱧茶漬け。これでもかって感じです。みんなうまい。
2人で瓶ビール1本と冷酒3合を飲み、一人当たり6500円。冷酒は佐々木蔵之介さんの実家の佐々木酒造(京都市)のお酒でした。
7月は何かなぁ。
旬の具材で季節を感じるのがコース料理の醍醐味なら、これこそ春の風味が詰まった季節感満載のコースでした。
華やかですが、質実剛健。華美に走りすぎず、骨太なのがこちらの特徴だと思います。
和歌山特産の三宝柑の甘さとさわやかさに、菜の花の苦味を加えた最初の料理から、税込み9720円のコースが始まりました。最初から春爛漫です。おこぜの椀に次いで、こぶ締めにした平目にからすみをまぶし、味噌に漬けた貝、さよりとまこ鯛のお造り。炭火で焼いた香ばしいもろこ。からすみを抱いたやきもち、箸で切れるほど柔らかな豚の角煮と出汁をたっぷり吸いこんだ大根、桜の葉で包んだ鯛寿司、筍を刷り込んだひろうす、〆は蛤の雑炊。
瓶ビール(650円)で乾杯した後は、熱燗(650円)を通しました。日本酒の種類が少ないのは少々さみしいですが、どの料理にもあうおとなしいお酒なので、最後まで飽きずにいただけます。
約9500円のコースにビールと日本酒3合ほどずつ飲んで、一人あたり12000円弱。次はもう少し立派に育った鯛づくしのコースに代わるようです。
白金台駅から明治学院大学を通り越して高輪警察署交差点を左折した先の左手にある日本料理屋さんです。
前々から来たかったのですが、なかなかタイミングがあわず、日曜のお昼にようやく来店できました。玄関前には旬の料理が大きな看板に書かれています。いまは、たいかぶら。
お昼は税込み4860円のコースのみ。玄米茶でスタートし、最初の料理は柿と貝柱のみぞれ和え。強すぎないポン酢のさっぱりした味わいに柿の甘味がよくあいます。次はスッポンの椀。細く切った生姜がたっぷり入っていて一口飲むと体が芯からぽかぽかになりました。ネギと生麩が京都っぽい。
刺身はマグロの山かけとイカ。言うことなし。そして旬の鯛かぶら。小さな椀かと思っていたら、大きめの器に鯛の切り身が3つ、よく出汁が染み込んだ大きなかぶらが2山。これだけでもお腹がふくれます。旬をたっぷりと楽しませようという心配りでしょうか。うれしい。
蒸し寿司には穴子と海老が入っていて、ご飯がふわふわ。蟹酢にはベビーリーフを合わせています。これ、なかなかいい組み合わせです。
〆はスッポンの雑炊。ハートランドの後に白鷹をぬる燗で3合いただきました。
デザートは洋ナシとイチゴ。最後は煎茶。
女性一人で配膳を担当されていました。料理の説明はありませんでしたが、タイミングよく顔を出してくださるので、お酒の注文もストレスなくできました。
一人当たり6500円。何度でも通いたくなるお店でした。
5位
9回
2025/11訪問 2025/12/01
新橋の烏森神社そばの細いビル2階にある割烹です。何度もお世話になり、東京に帰ってきたらまずはお邪魔しなければならないと思っていた、家のようなお店。
金曜の夜なのに、数日前の電話で予約できました。ラッキー。料理はお任せ(税込み12500円)のみ。カウンターに座って、まずは瓶ビールで乾杯。最初の料理は、炙った白子でした。これ、香りが良くて、日本酒が飲みたくなる。まずは奈良のみむろ杉。初めて飲んだけれど。酸味と旨みのバランスがとてもいいお酒でした。
つるむらさきとエノキとなめこが入った出汁の苦味がお酒によく合う。次が蟹。下には蒸した米が入っていて、その食感もいい。次が香りのいい桜エビのかき揚げ。お凌ぎはコハダとイカの寿司。
お造りは金目鯛と松川カレイ。サワラの焼き物は身がふっくらしていて食べ応えもあった。そして土瓶蒸し。秋だなぁ。松茸の香り。
〆はそば、さらに開高丼の山路バージョン。本来の開高丼はご飯の上にセイコガニの身と内子、外子を載せて出てくるのですが、山路バージョンは炊いたご飯に身や内子、外子、味噌を混ぜて食べさせてくれます。たまりません。
以前、蟹コースを食べたいと無理を言って作ってもらった時に、開高丼のおいしさに感激したのを覚えていてくれたんですね。その心遣いがうれしい。
数年前までとは違って、ホールを担当する学生さんと料理の補助をしている女性が厨房にいました。テーブル2席とカウンターの反対側も埋まってにぎやかな夜でした。着々とファンを開拓して揺るぎない基盤をもつお店になったんだなぁと、ほっとしました。だって、いつまでも頑張って営業してもらいたいお店だから。
お酒をたっぷり飲んで、一人あたり2万円。蟹を食べさせていただき、満足しました。
久しぶりの山路さん。夜は出かけられないので、事前にお昼の予約をしてお邪魔しました。せっかくなので、「カニが食べたい」と頼み、さらに「開高丼もぜひ」とわがままを言ってお邪魔しました。
最初に出てきたのは、真鱈の白子の醬油焼き。これ、絶品でした。ふわふわで香ばしい。ビールを慌てて飲み干して、日本酒へ。この日は好物の銘柄ばかりがそろっていて、まずは京都の澤屋まつもと。合うんだなぁ。
そして、次が香箱カニ。手の込んだ美しさ。身と内外子。やっぱり冬には欠かせない。お凌ぎの握りも軽やかで旨みしっかり。ふっくらしたとろさわらの焼き物も食べ甲斐があって日本酒が進む。このころには福島・会津若松の写楽、滋賀の喜楽長あたりまで飲んだかな。
次がふぐ。まずは刺し身、次が唐揚げです。このしっかりした身の歯ごたえと旨みがたまりません。それからまたカニに戻ります。しっかりした厚い身の爪の部分、美味かったなぁ。焼きカニ、蒸しカニ、さらに味噌漬けにした太い足。これ、初めてたべたけれど、最高でした。もう1本食べたかった。そして、頼んでいた開高丼。丼ではなくカニの甲羅にご飯を敷き、そのうえに身とミソ、内外子を載せた贅沢版。面倒だろうなぁ、作るの。開高健さんに食べさせてみたい。
宮城の日高見、石川の手取川、福島・喜多方のササ正宗と飲み進んだ日本酒も終えて、いもの椀を飲み、〆のそばへ。水菓子をいただき、食べ始めてから3時間近くたっていることに驚きました。
今回も、うまかった。そして楽しかった。1人当たり税込み2万9000円。カニは今年、豊漁とはいかず、高めなんだそうです。うなぎのように高騰していかなければいいなぁ。また美味しいカニを食べさせてもらいにお邪魔します。ごちそうさまでした。
事前に平日のお昼の訪問を予約し、蟹が食べたいとお願いしてありました。今年の初物です。11月になったら、ぜひセイコ蟹が食べたい。
無理を聞いて食材をそろえてくれました。本当にありがとうございます。
見ての通り、蟹づくし。そして差しがきれいで和牛のように美しい鯨の刺し身も登場。おしのぎの握りには蟹の外子と内子を持ったものも。
リゾットのような蟹味噌のご飯。〆にはいつも通り、お蕎麦をいただきました。
言うことありません。日本酒も珍しいものがあり、たくさん飲みました。1人当たり25000円ほど。
そうそう、福井の旅館が出す、開高丼。こちらでもチャレンジしてくださるようです。手間がとてもかかるので、交渉次第でしょうか。東京で食べられれば幸せだなぁ。
久しぶりの山路です。平日の午後6時半。カウンターとテーブル3つだけの小さな店ですが、以前は結構予約がとれたのに、この日は満席でした。
料理はお任せのみ。お凌ぎで握りが出て、〆にそばが出るのが特徴です。
この日はヒラタケと炙った湯葉にセリを載せた椀からスタート。香りとセリのしゃきしゃきした歯ごたえがいい。お凌ぎの握りはコハダと炙ったキス。この握りがいつも楽しい。
お造りはカワハギと北海道のぶり。カワハギには肝がそえてあります。この肝だけで日本酒が1合は飲めるな。
次は土瓶蒸し。ハモと松茸です。銀杏も生きているようで箸でなかなかつまめません。次の大黒ししゃもの天ぷらはふかふかで、鮎を食べているようでした。大きなぬかご付き。
そして、サンマ。大きい。立派。今年は鯛より高いと言われているサンマです。大将、太っ腹ですね。
白子と原木舞茸のあとに〆のそば。これは塩でやっちゃってください。デザートは長野パープルとシャインマスカット、梨。
2人で瓶ビール、福島の七ロ万2合、栃木の朝日栄、福井の九頭龍、宮城の墨廼江と飲んで、一人当たり約13000円。今宵も楽しませていただきました。
カウンターもテーブル席も隙間泣く埋まっていました。どんどんファンがついてきて、だんだん予約が難しくなりそうです。となると、お店も安定して今後も長くお世話になることができそうなので、嬉しい限りです。
お任せコース(税サ込み9504円)のみ。このコースの中に、お凌ぎとして鮨が、締めで岩手産のおそばが入っています。これが楽しい。刺し身や焼き物など、ほかの料理ももちろんうまいのだけれど、この日は大きな白魚の卵とじや、ハマグリと菜の花とタケノコという旬が揃ったお吸い物が秀逸でした。
瓶ビール、山形正宗、月の輪、山本の6号酵母と7号酵母と飲んで、一人当たり12500円。ごちそうさまです。
美味しさとコスパの良さでもともと人気のお店でしたが、東京カレンダーで取り上げられたのをきっかけにさらに人気が増したようです。カウンターとテーブル2つだけの小さなお店なので、予約がとりにくくなりそうです。
メニューは8000円のお任せのみ。今回も青森産の細いもずく酢から始まったコースはお寿司と〆のお蕎麦のほか、旬の食材を使った多くの料理で楽しませていただきました。中でもぷっくりして大振りの鮎の塩焼きと、薄くカタクリの衣をまとったメヒカリの天ぷらは秀逸。それぞれお代わりしたいくらい。
ほかにも大きなしじみの出汁が染みたクエの椀やジュンサイとハモの椀といった出汁の美味しさを楽しませてくれる料理などが続き、香川の金戎や秋田の一白水成、福井の九頭龍、静岡の白隠正宗、京都の澤やまつもとなどをたっぷり飲んでしまいました。
一人当たり1万2500円。素敵なお店です。
店主の畠山さんが一人で営んでいたお店に、寿司職人のお父さんが加わり、バージョンアップしました。
これまでもコースの中にお凌ぎでお寿司が入っていたのですが、この日はいくらと穴子の2巻。しかも、ふわふわに煮た穴子の程よい甘さが絶品。
今年初めてのマツタケと鱧の椀や、めひかりの素揚げ、クリーミーな生ガキ、蟹のような味わいのフジツボなど、旬のおいしいものをたくさんいただきました。最初に出てきた枝豆も、黒豆にする丹波の豆と茶豆の2種類を盛り合わせていて、食感や香りの違いを楽しませてくれました。
お酒は奈良の春鹿のひやおろしをはじめ、4種類を料理に合わせて選んでいただきました。いつも通り満足し、そばで〆。一人当たり1万2000円。
早速2回目。
秋田のこりっとした食感があるジュンサイと北海道のうにに始まって、いさきを炙って裏ごしした白子と一緒に食べる刺身、サクッと揚がったヤングコーンの天ぷら、あいなめの焼き浸し、お凌ぎのシメサバのすしなどを堪能した後の〆は、焼き魚を載せたご飯。このタレが美味い。そして、ぷっくりした黄身だけの卵かけご飯を追加。さらに店主がうったそばは塩をぱらっと振りかけていただくと甘みが加わります。
お酒も爽やかなものからしっかりした旨みのあるものまで、たっぷりといただきました。一人当たり1万2000円。通います。
烏森神社の並びやその周囲の路地裏には何度も通いたくなるお店がたくさんあります。
ビル2階でひっそりと営業するこちらも、そんなお店の一つになりました。カウンターとテーブル席1席のこぢんまりしたお店を、店主の畠山義春さんが一人で切り盛りしています。畠山さん、人なつっこい笑顔で接客しながら手際よく料理をつくり、合う日本酒を選んでくれます。
8000円のお任せのみ。ほたるいかのなめろうに始まり、鯛のお造りや椀、きんきの焼き物、しめさばの寿司、ふきのとうの天ぷらなど、旬を満喫させてくれました。最後は麻布十番で営業しているというお父さんがうったお蕎麦の前に、ご飯が食べたいというほかのお客さんのリクエストの応えて卵かけご飯が出てきました。これ、美味い。とても満足できるコースでした。
日中の予約電話も一人で受けるため、仕入れ中などには無愛想に聞こえる声で出てしまうこともあるようですが、とても気のいい店主さんです。
日本酒もお任せで京都のまつもとなどをたっぷりいただき、一人当たり13000円。すっかり気に入りました。
6位
4回
2025/05訪問 2025/05/10
仙台駅前からバスで1時間ほど揺られて到着するオーベルジュです。遠刈田温泉の一つ前の停留所「小妻坂」で下りて徒歩2分。雨でしっとり濡れた新緑の林の中にあります。
ここの料理は品数も多く、そのうえおばんざいまであり、しかも午後8時まで飲み放題です。東北の日本酒が4種類、ワインの赤と白、スパークリングワイン、ハイボール、特製レモンサワーなど種類が豊富で、どれもうまい。
メインは仙台牛のステーキと、追加でロブスターを頼みましたが、それ以外の料理が多くボリュームもあるので、どれがメインか分からないくらい。
にこやかで丁寧な接客もいいし、窓から見えるライトアップされた中庭の美しさも、日常の忙しさを忘れさせてくれる別世界のよう。
翌朝の食事も言うことなし。4度目の訪問でもがっかりさせないオーベルジュです。
3度目の訪問。山吹が可憐な黄色い花を咲かせる春は、初めてです。いいなぁ、この季節も。
遠くに雪を被った山が見える庭を眺めながら、ウエルカムドリンクのスパークリングワインを一杯。柔らかな肌触りのお湯にゆっくり浸かった後に、ライトアップされた庭に面したダイニングルームで待望の夕食が始まりました。
言うことなしです。いつも通り、料理は美味しく、お酒のラインナップも充実。こちらは、夕食時のお酒が飲み放題というのが一番の売り(私にとっては)。料理に合わせておすすめのお酒(日本酒、ワインなど)をメニューにも書いてくれているうえ、スタッフのみなさんがお勧めを教えてくれます。そのやりとりも楽しい。
メインは鮑、フィレ、牛タン、サーロインの4品を二人で分けました。〆の鶏とごぼうの炊き込みご飯も食べきれず、夜食用のおにぎりにしてもらいました。最後まで、たぶん、6種類ぐらいの日本酒とワインをいただきました。楽しい!
降りたての雪は一切のものをきれいに塗り替えてくれます。
緑が目にしみる夏に訪れた前回と違い、この日は真っ白な雪をかぶり反射する陽光でまぶしい庭や屋根から大きなつららがぶらさがる冬真っ盛り。そんな庭を眺めながら、夕食をいただきました。
牛テールスープのせり鍋や程よい脂をまとったフィレステーキ、弾力のある「はた」のお造りなどはもちろん、おばんざい方式でとってくるおからや野菜サラダも秀逸。
日本酒やワインをマリアージュで勧めてくれます。特に、東北のお酒はいいものがそろっていて、宮城の乾坤一、萩の鶴、栗駒山、山形の吾有事、岩手の南部美人を次から次へ……。
青空が広がった朝もこちらで朝食。
またすぐに戻ってきたくなります。
仙台駅から車で約1時間。山の中の遠刈田温泉に着き、県道からさらに奥まった小道を入っていくと現れるのがこちらのオーベルジュ。
もとは企業の保養所だったけれど手放され、10数年前に美味しい料理を売り物にした旅館に変身したそうです。広い中にはには蓮が浮かぶ池もあり、夜には周囲の木々がライトアップされ、鏡になった池に映し出されます。その景色をまるごとみられるラウンジで食事をします。
蔵王でとれた野菜などの具材を使い、見た目も味付けも上品に仕上げたコース料理に加えて、ビュッフェ形式でいただけるおからやサラダ、肉じゃがなどのおばんざいと、盛りだくさんの料理が出てきます。メインを2品いただけるダブルコースを予約しておいたので、仙台牛のフィレステーキと、牛タンをいただきました。はぁ~、とろける。でも脂っこくない。天国への階段はこんなふうに柔らかなんじゃないかと空想しました。
〆のご飯は甘みの強い未来コーンとじゃこの炊き込みご飯。ほぉ~。これだけお腹がいっぱいになっていても美味しく感じられるご飯ってすごい。おこげもちょうどいい硬さと香り。残ったご飯をおにぎりにしてくださいます。
そして特筆すべきは、宮城の日本酒各種、ワイン、ビールなどの飲み物が飲み放題。しかも日本酒は東京ではなかなか手が入らない貴重なものがあり、料理とのマリアージュでおすすめの飲み物を提案してくださいます。
私は日本酒で通しましたが、ツレはワイン。お互いに6、7種類をいただきましたが、日本酒では特に一ノ蔵が造っている金龍、萩の鶴が造った裏萩の鶴が旨みと酸味、コクの深み、切れの良さがあって大好きな銘柄になりました。
料理だけでなく、黄色がかって少しぬめりがある泉質の温泉や、食事の後にお酒とつまみ用の果物をプレゼントしてくださったり、朝食にも朝シャン(シャンパン)を好きなだけ飲ませてくれたりと、これ以上何を望むのかというほどのサービスでもてなしてくださいます。
最後は宿の前で撮った写真をすぐにプリントしてくださり、「おやつにどうぞ」と自家製のしっとりしたクロワッサンを持たせていただいて、後ろ髪をひかれるような思いで出発しました。価格は部屋によって変わりますが、基本的な料金だと2万5000円程度。
ここはまた来たい。
日本酒好きには堪えられないお店として知られる光壽が大山にできました。文化会館の目の前の細いビルの3階です。
お店は狭いながらも工夫した作りになっていて、板場を囲むカウンターと小上がりにある掘りごたつ式のカウンター、そしてテラス席まである、とても大人な空間。
そして美味しい料理と美味しいお酒が、お任せ料理(4000円)+飲み放題(4000円)という信じられない価格設定。
だって、お酒のあてに最高の料理が延々と続き、もう食べられないと思った頃にすき焼きとシメの鯛茶が出てくるんです。写真を見ていただければわかるように、品数がとにかく多い。そしてただでさえ旨い酒を造っている蔵元が光壽のために造った限定種がずらり。料理に合わせてお任せのお酒をグラスでいただきますが、当然飲みきれません。旨みがしっかりしたもの、フルーティーな香り、キリッとした爽やかな口当たり、個性豊かなお酒をこれでもかというほど楽しめるなんて、幸せです。
体調を整えて、お腹を空かせていかないと後悔します。
大山の商店街は好きだけれど、こんなお店ができたら、もっともっと好きになりました。街の魅力が倍増した感じ。