9回
2022/12 訪問
旬盛りだくさんコースを満喫
久しぶりの山路さん。夜は出かけられないので、事前にお昼の予約をしてお邪魔しました。せっかくなので、「カニが食べたい」と頼み、さらに「開高丼もぜひ」とわがままを言ってお邪魔しました。
最初に出てきたのは、真鱈の白子の醬油焼き。これ、絶品でした。ふわふわで香ばしい。ビールを慌てて飲み干して、日本酒へ。この日は好物の銘柄ばかりがそろっていて、まずは京都の澤屋まつもと。合うんだなぁ。
そして、次が香箱カニ。手の込んだ美しさ。身と内外子。やっぱり冬には欠かせない。お凌ぎの握りも軽やかで旨みしっかり。ふっくらしたとろさわらの焼き物も食べ甲斐があって日本酒が進む。このころには福島・会津若松の写楽、滋賀の喜楽長あたりまで飲んだかな。
次がふぐ。まずは刺し身、次が唐揚げです。このしっかりした身の歯ごたえと旨みがたまりません。それからまたカニに戻ります。しっかりした厚い身の爪の部分、美味かったなぁ。焼きカニ、蒸しカニ、さらに味噌漬けにした太い足。これ、初めてたべたけれど、最高でした。もう1本食べたかった。そして、頼んでいた開高丼。丼ではなくカニの甲羅にご飯を敷き、そのうえに身とミソ、内外子を載せた贅沢版。面倒だろうなぁ、作るの。開高健さんに食べさせてみたい。
宮城の日高見、石川の手取川、福島・喜多方のササ正宗と飲み進んだ日本酒も終えて、いもの椀を飲み、〆のそばへ。水菓子をいただき、食べ始めてから3時間近くたっていることに驚きました。
今回も、うまかった。そして楽しかった。1人当たり税込み2万9000円。カニは今年、豊漁とはいかず、高めなんだそうです。うなぎのように高騰していかなければいいなぁ。また美味しいカニを食べさせてもらいにお邪魔します。ごちそうさまでした。
2022/12/22 更新
2021/11 訪問
蟹が食べたいとお願いしたら。
事前に平日のお昼の訪問を予約し、蟹が食べたいとお願いしてありました。今年の初物です。11月になったら、ぜひセイコ蟹が食べたい。
無理を聞いて食材をそろえてくれました。本当にありがとうございます。
見ての通り、蟹づくし。そして差しがきれいで和牛のように美しい鯨の刺し身も登場。おしのぎの握りには蟹の外子と内子を持ったものも。
リゾットのような蟹味噌のご飯。〆にはいつも通り、お蕎麦をいただきました。
言うことありません。日本酒も珍しいものがあり、たくさん飲みました。1人当たり25000円ほど。
そうそう、福井の旅館が出す、開高丼。こちらでもチャレンジしてくださるようです。手間がとてもかかるので、交渉次第でしょうか。東京で食べられれば幸せだなぁ。
2021/11/26 更新
2019/10 訪問
やっぱり、いい!
久しぶりの山路です。平日の午後6時半。カウンターとテーブル3つだけの小さな店ですが、以前は結構予約がとれたのに、この日は満席でした。
料理はお任せのみ。お凌ぎで握りが出て、〆にそばが出るのが特徴です。
この日はヒラタケと炙った湯葉にセリを載せた椀からスタート。香りとセリのしゃきしゃきした歯ごたえがいい。お凌ぎの握りはコハダと炙ったキス。この握りがいつも楽しい。
お造りはカワハギと北海道のぶり。カワハギには肝がそえてあります。この肝だけで日本酒が1合は飲めるな。
次は土瓶蒸し。ハモと松茸です。銀杏も生きているようで箸でなかなかつまめません。次の大黒ししゃもの天ぷらはふかふかで、鮎を食べているようでした。大きなぬかご付き。
そして、サンマ。大きい。立派。今年は鯛より高いと言われているサンマです。大将、太っ腹ですね。
白子と原木舞茸のあとに〆のそば。これは塩でやっちゃってください。デザートは長野パープルとシャインマスカット、梨。
2人で瓶ビール、福島の七ロ万2合、栃木の朝日栄、福井の九頭龍、宮城の墨廼江と飲んで、一人当たり約13000円。今宵も楽しませていただきました。
2019/10/29 更新
2019/02 訪問
鮨もそばも入ったコースはやはり楽しい
カウンターもテーブル席も隙間泣く埋まっていました。どんどんファンがついてきて、だんだん予約が難しくなりそうです。となると、お店も安定して今後も長くお世話になることができそうなので、嬉しい限りです。
お任せコース(税サ込み9504円)のみ。このコースの中に、お凌ぎとして鮨が、締めで岩手産のおそばが入っています。これが楽しい。刺し身や焼き物など、ほかの料理ももちろんうまいのだけれど、この日は大きな白魚の卵とじや、ハマグリと菜の花とタケノコという旬が揃ったお吸い物が秀逸でした。
瓶ビール、山形正宗、月の輪、山本の6号酵母と7号酵母と飲んで、一人当たり12500円。ごちそうさまです。
白魚の卵とじ
毛ガニ(奥)としめさば
マカジキ(奥)とあいなめ
たらの白子と聖護院かぶらの椀
マナガツオの焼き物
ひげだらと海老芋
ハマグリとタケノコ、菜の花
岩手産のそば
とちおとめと淡雪
そば湯
瓶ビール
山形正宗
月の輪
山本の7号酵母
2019/02/13 更新
2018/06 訪問
ぷっくりした鮎と軽やかなメヒカリの天ぷらが秀逸
美味しさとコスパの良さでもともと人気のお店でしたが、東京カレンダーで取り上げられたのをきっかけにさらに人気が増したようです。カウンターとテーブル2つだけの小さなお店なので、予約がとりにくくなりそうです。
メニューは8000円のお任せのみ。今回も青森産の細いもずく酢から始まったコースはお寿司と〆のお蕎麦のほか、旬の食材を使った多くの料理で楽しませていただきました。中でもぷっくりして大振りの鮎の塩焼きと、薄くカタクリの衣をまとったメヒカリの天ぷらは秀逸。それぞれお代わりしたいくらい。
ほかにも大きなしじみの出汁が染みたクエの椀やジュンサイとハモの椀といった出汁の美味しさを楽しませてくれる料理などが続き、香川の金戎や秋田の一白水成、福井の九頭龍、静岡の白隠正宗、京都の澤やまつもとなどをたっぷり飲んでしまいました。
一人当たり1万2500円。素敵なお店です。
2018/06/20 更新
寿司職人のお父さんも加わりバージョンアップしていました
店主の畠山さんが一人で営んでいたお店に、寿司職人のお父さんが加わり、バージョンアップしました。
これまでもコースの中にお凌ぎでお寿司が入っていたのですが、この日はいくらと穴子の2巻。しかも、ふわふわに煮た穴子の程よい甘さが絶品。
今年初めてのマツタケと鱧の椀や、めひかりの素揚げ、クリーミーな生ガキ、蟹のような味わいのフジツボなど、旬のおいしいものをたくさんいただきました。最初に出てきた枝豆も、黒豆にする丹波の豆と茶豆の2種類を盛り合わせていて、食感や香りの違いを楽しませてくれました。
お酒は奈良の春鹿のひやおろしをはじめ、4種類を料理に合わせて選んでいただきました。いつも通り満足し、そばで〆。一人当たり1万2000円。
2017/09/20 更新
2017/04 訪問
烏森神社の並びのビル2階にひっそりと咲く良質割烹
烏森神社の並びやその周囲の路地裏には何度も通いたくなるお店がたくさんあります。
ビル2階でひっそりと営業するこちらも、そんなお店の一つになりました。カウンターとテーブル席1席のこぢんまりしたお店を、店主の畠山義春さんが一人で切り盛りしています。畠山さん、人なつっこい笑顔で接客しながら手際よく料理をつくり、合う日本酒を選んでくれます。
8000円のお任せのみ。ほたるいかのなめろうに始まり、鯛のお造りや椀、きんきの焼き物、しめさばの寿司、ふきのとうの天ぷらなど、旬を満喫させてくれました。最後は麻布十番で営業しているというお父さんがうったお蕎麦の前に、ご飯が食べたいというほかのお客さんのリクエストの応えて卵かけご飯が出てきました。これ、美味い。とても満足できるコースでした。
日中の予約電話も一人で受けるため、仕入れ中などには無愛想に聞こえる声で出てしまうこともあるようですが、とても気のいい店主さんです。
日本酒もお任せで京都のまつもとなどをたっぷりいただき、一人当たり13000円。すっかり気に入りました。
8000円のコースのスタートはほたるいかのなめろう
真鯛と赤貝の刺身
さば
鯛の椀
きんき
ぎょうじゃにんにく
ふきのとう
ほたるいか
空豆
卵かけご飯
麻布十番で営業しているお父さんがうったそば
ワイングラスでいただきます
京都のまつもと
春っぽいラベル
ビル2階にあります
烏森神社の並びです
そば湯
2017/04/10 更新
新橋の烏森神社そばの細いビル2階にある割烹です。何度もお世話になり、東京に帰ってきたらまずはお邪魔しなければならないと思っていた、家のようなお店。
金曜の夜なのに、数日前の電話で予約できました。ラッキー。料理はお任せ(税込み12500円)のみ。カウンターに座って、まずは瓶ビールで乾杯。最初の料理は、炙った白子でした。これ、香りが良くて、日本酒が飲みたくなる。まずは奈良のみむろ杉。初めて飲んだけれど。酸味と旨みのバランスがとてもいいお酒でした。
つるむらさきとエノキとなめこが入った出汁の苦味がお酒によく合う。次が蟹。下には蒸した米が入っていて、その食感もいい。次が香りのいい桜エビのかき揚げ。お凌ぎはコハダとイカの寿司。
お造りは金目鯛と松川カレイ。サワラの焼き物は身がふっくらしていて食べ応えもあった。そして土瓶蒸し。秋だなぁ。松茸の香り。
〆はそば、さらに開高丼の山路バージョン。本来の開高丼はご飯の上にセイコガニの身と内子、外子を載せて出てくるのですが、山路バージョンは炊いたご飯に身や内子、外子、味噌を混ぜて食べさせてくれます。たまりません。
以前、蟹コースを食べたいと無理を言って作ってもらった時に、開高丼のおいしさに感激したのを覚えていてくれたんですね。その心遣いがうれしい。
数年前までとは違って、ホールを担当する学生さんと料理の補助をしている女性が厨房にいました。テーブル2席とカウンターの反対側も埋まってにぎやかな夜でした。着々とファンを開拓して揺るぎない基盤をもつお店になったんだなぁと、ほっとしました。だって、いつまでも頑張って営業してもらいたいお店だから。
お酒をたっぷり飲んで、一人あたり2万円。蟹を食べさせていただき、満足しました。