「夜明茶屋」。
ここは行っておきたかった所。
有明海の色々な珍味が食べれるという事もあったけど、個人的にはそこで発売されていた、インスタントラーメンが気になっていた。(^^
むつごろうラーメン。
エイリアンラーメン。
うなぎラーメン。
(^^;
それ自体は、道の駅で買って食べてはいたのだけど、流石に道の駅で買った物でレビューするのも何だかなぁ、と言った気持ちもあって、できるならお店で食べてから、と思っていた。
今回、「御花」に宿泊するにあたって、周辺のお店を調べていたら、そこが割りと近くに在る事に気づく。
おやおや?と。(^^
それなら、行かざるを得ないだろう。(^^
と言う事でお出掛け。
夜はまだ8時前だけど、昼間の観光客の賑わいが嘘みたいな静かな夜の町。
人通りは無く、騒音も聞こえない。
堀割りの水が街灯の灯りに照らされて、静かに揺らめく穏やかな夜。
通りのお店も灯りが消え、扉が閉ざされて、ひっそりと佇んでいる。
そんな中唯一、明々と煌めいているのが、今回の「夜明け茶屋」。
お、やってる、と思いつつお店に行くと、裏にラーメンの幟が立っていた。
お、もしかして食べれるのかな?と期待を胸に店内へ。
入って直ぐは、海産物の販売所のようで、食事はその奥でできるよう。
奥に行ってみると、カウンター・テーブル・小上がりと一通りは揃っているが、雰囲気としては、鮮魚販売のついでに食事も提供している、と言った雰囲気。
でも、こう言った雰囲気は好きなので、お、良いねぇ、と思いつつ、空いていたカウンターに着席。
でも、一般的なお店とは違って、特に注文を聞きに来る雰囲気でもない。
横を通っていたお店の人に聞いてみたら、注文の際は卓上のベルを押して下さいと。
見ると確かにベルが置いてある。
成程ね。
メニューは卓上に有り、一通り見て見るがラーメンの姿は無かった。
う〜ん、もしかしてとも思っていたけど、やっぱりか。(^^;
それなら、折角なので他では食べられない様な物を、と思うものの、色々有り過ぎて中々決め切れない。(^^;
で、あれこれ迷って、取り敢えず生のジョッキと、つまみにアゲマキのバター焼きとマテ貝の酒蒸しとケップと言う有明海のサザエの様な物の壷焼きをオーダー。
アゲマキとマテ貝は聞いた事が有るけど、ケップとか初めて聞いた。(^^;
6〜7分で、まずは生のジョッキとアゲマキのバター焼きが到着。
生は、思っていたよりはキレイな滑らかな泡で、ビール自体も口当たり軽やかな味。
アゲマキのバター焼きは、もっとバターの味が強いかと思っていたら、意外とサラッとしていて、あまりバターの味は感じないくらい。
アゲマキ自体は確かに貝ぽい味と食感だけど、あまり好んで貝類は食べない私にも割と好みに感じられて、後から来たマテ貝の酒蒸しよりは好みだった。
ケップと言われる貝が最後に届いたけど、確かにサザエとは違うけど、サザエの親戚的な見た目。
一見して、燕の子が餌を求めて口を開けている様に見えた。(^^:
身の部分にかなりの歯応えが有り、味はサザエと似ている様な無い様な・・。(^^:
ま、サザエとか滅多に食べないしね。(^^;
さて、一応生を飲み干して、3種類の貝も食べ終わったのだけど、う〜ん、これだけではまだちょっと物足りないかな。
もっと有明海らしい物をと思い、むつごろう酒とムツゴロウ・ワラスボの活き造りとエツの姿造りを注文。
活き造りと姿作りは、鮮魚コーナーの方で調理されるらしく、応対の女の子がそこまで行ってオーダーを入れていた。
で、最初に届いたのがむつごろう酒。
その酒器の形が変わっていて、瓢箪の横を切って持ち手を付けた様な物。
あまり見掛けない形だけど、パッと見◯◯んの様にも見えて、ちょっとなんだかなぁ・・な気分。(^^;;
中を覗いてみると、日干しされたのか焼かれたのか細長いむつごろうが入っている。
どれどれ、とお猪口に入れて飲んでみると・・・・う〜ん、良く判らない。(^^;
日本酒自体はちょっと辛口なもので、それこそ日本酒らしい味だけど、それ以外になんかちょっと変わった味がする気もするが、それがむつごろう由来の物かそれ以外のものかは判断つかない。
勿論むつごろう自体が食べた事が無いので、当然と言えば当然なのだけど・・。
でもまあ、そう思って飲めばそうなんだろう、と。(^^;
次に、ワラスボとむつごろうの活き作りが到着。
丸い皿の左右に並べて盛り付けられている。
ワラスボは一匹、むつごろうは二匹使用されていた。
どちらも細長い体型なので、刺身も薄作りの様になっている。
多分どちらも、つい先程まで水槽で泳いでいたのだろうと思える様な生々しい姿。
身自体はむつごろうの方が少し濃いめな色で、歯応えはラワスボに比べるとやや柔らかい。
味はどちらもこれと言ったハッキリとした物は感じれなかったけど、むつごろうの方がややそれっぽい味かな。
それでも、マグロや鰹の様なハッキリとした味は感じれず、あぁこう言う物なんだ、と言った感想。
そんな事を思いながら食べていたら・・・。
突然‼︎
頭と骨だけになっていたワラスボが、ゆっくりと身を捩って・・・クワッ!と乱杭歯の口を開けた!
ドキッとして思わず身を引いてしまう。(^^;
活き作りなんだから有り得ない事は無いんだろうけど、全く予想していなかったのでびっくり。
元々有明海のエイリアンと例えられるグロテスクな姿なのだが、何だか恨み言を言われているみたいで・・・。
思わず心の中で、ごめんよ。
軽い気持ちで注文したのをちょっと後悔する。
でも、いずれは他の人に食べられてしまうのだから、と自分に言い聞かせつつ食べ終わる。
食べ終わった皿を引いてもらおうと横に移動する為にコトっと置いたら、それまで静かだったむつごろうがビクッと反応した。
えっ?えっ?
ごめんよ、ごめんよ。
最後にエツの姿造りの到着。
写真や映像では見た事はあるけど、実物を生で見るのは初めて。
あぁ、そう言えばこんな姿だったなぁ。
驚いた様に眼を開き、口を開けている。
流石にワラスボやむつごろうの様な生命力は無いだろうから、動かないと思うけど、その表情を見ると、やはり・・ごめんよ。
このエツは、身の幅は有るけど厚みはない上に小骨が多いので、鱧の様に骨切りされて調理される。
盛り付けられた身を見てみると、思ったよりは量が多かった。
味は淡白で、特にこれと言った特徴的なものは感じ無かったが、魚っぽい味ではある。
小骨のシャリっとした歯応えが特徴的と言えば特徴的。
と言う事で食べ終わる。
他にも色々と珍しいものが有ったけど、とてもじゃ無いけど全部は食べ切れない。今回はこれくらいにしよう。
ふと見ると、10人程いた他のお客さんの姿が無くなって、お客さんは私一人になっていた。
レジに行って精算すると、頭の中でざっと計算していたくらいの金額になっていた。
本吉屋の南風定食よりは高くついたけど、ま、特別な記念日だしね。(^^;
それに、以前から食べてみたかった有明海の珍味も食べれたので、良しとしよう。