(主レビュー)
5月23日にオープンした poesia(ポエシア) さん。
勝浦浜橋北岸に突如現れた花輪がありました。見た目が何のお店か分かりにくい雰囲気がありますが,れっきとしたイタリアンです。
店主木津真人さんは阿南にあるイタリアン「フレーム」でシェフをしたのち独立,このお店を開業しました。
「Poesia(ポエシア)」とはイタリア語で詩という意味,お皿の上にもメッセージ(詩)を届けるという意味だそうです。
店内は思ったよりも結構広いです。そういえば,この場所は以前フランス料理店「ビニョン(シェ ハマザキ)」のカフェとレストランがあった場所です。今回はランチで伺いました。
今回は前菜・パスタ・メイン・デザート・コーヒーのPlanzo poesia(2,500円)ですが,せっかくの機会なので Planzo poesia にしました。
お店の奥にはワインセラー,ガラス張りの部屋です。ワインが沢山揃っていますワインリストに関してはフランス産がメインで,イタリア・スペイン・カリフォルニアなどがありますが,ワインの選び方が非常に良く,ルイジャド・ヒューゲル・ムエックス・Wフェーブルなどやシャプティエ・ギガル・ルロワなどもあります。スペインのボディガスファウスティーⅠⅠ世などもありました。次回はギガルやルロワなど夜に飲んでみたくなりました。
まずは前菜3種です。ヨコ(ヨコワマグロ)のカルパッチョ ビーツのソース。ヨコに生姜とエシャロットをみじん切りをのせています。
ビーツは赤い色をしたカブのような形で,輪切りにすると同心円状に赤い輪があり,ショ糖が多く含まれているので,独特の甘味があります。鮮やかな赤色でロシア料理のボルシチにも使われます。
海老とズッキーニのフリット オリーブのペースト添え。フリットはフランスの天ぷらですが,泡立てたメレンゲを混ぜて衣を作り,油で揚げた物の事です。揚げかたは文句なしです。オリーブのペーストがよく合います。ディルも添えています。ただ海老はしらさ海老あたりを使っていただければとは思います。
トマトと自家製チーズのカプレーゼ。フレッシュバジルを添えています。自家製チーズはリコッタチーズ的な感じです。モッツァレラチーズに近いかも知れません。自家製チーズにフルーツトマトはチュルッと一気に食べると,これまた美味しいと感じます。
木津シェフの生き生きとした野菜を巧みに使うスタイルは良いと思いますし,前菜もメインも食べてみると,ヴィジュアルにもこだわっています。
くるみとレーズンのパン。出来上がりはいいと感じます。オリーブオイルを付けて,あとはパスタのカルボナーラソースに付けていただきました
阿波美豚のベーコン カルボナーラのパスタ。阿波美豚をベーコンにうまく作っています。えんどう豆が大きくて,これまたいい味がします。カルボナーラはクリームより卵黄を強く感じます。絡み方も非常に良いと思います。シェフのパスタの茹で加減は絶品で得意とするところです。
鯖のマリネ 無農薬レモンのマーマレード デストロイヤー添え。これもヴィジュアルにも優れています。デストロイヤーは「インカのめざめ」に似たじゃがいもです。鯖はマリネというよりポワレ的で,低温調理でしています。大葉のジェノバソースを添えています。
鯖と無農薬レモンのマーマレードとじゃがいもを一緒に食べてくださいとのことでしたが,3者のハーモニーが素晴らしいと思います。フレンチもイタリアンでもその良さは一緒に食べるマッチングの良さです。お箸は一品ずつになってしまうので,ナイフ・フォーク等を使われることをオススメします。加えて言いますと,割烹系のお店では箸の使い方を見られるのでナイフ・フォーク等が楽に食べられる気軽さがあります。無農薬レモンのマーマレードは素晴らしい出来映えです。
今の時期に旬の外れた鯛や鰆やヒラメを使うより,ヨコや鯖を使っていることにシェフの潔さや旬の素材を見抜く良さを感じます。
デゼールは練乳のプリン フランボワーズのソースです。カカオのパウダーを添えています。プリンにはフランボワーズが強すぎる感があります。デゼールは若干弱い感があります。
食後のドリンクはコーヒー,紅茶,またはエスプレッソを選ぶことが出来ます。
ランチ時は女性客がほとんどを占めています。