酒野夢蔵さんが投稿した紀茂登(兵庫/元町)の口コミ詳細

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酒野夢蔵の酒場放浪記

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移転紀茂登県庁前、元町(JR)、元町(阪神)/日本料理

1

  • 昼の点数:4.6

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2014/06 訪問

  • 昼の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

 勢いとあふれる才知で繊細な料理 日本料理 紀茂登

(今回)
昨日昼は紀茂登さんへ。
久しぶりなのですが,玄関口も変更され,
個室がひとつ無くなっています。
最近は個室は使用してないようですね。
店内へ入ると,一枚板のすっきりとした白木カウンター8席(夜は6席)。

目の前にたくさんの美しいワイングラスが並べられていて
しかもワインセラーにもこだわりのワインもあります。
ご主人は日本酒よりもワインに精通しています。

お料理はおまかせコース形式のみ。
なお,カウンター席は写真撮影不可のため,
新しい写真はありません。
マイレビュアーのてるてる!(^^)!さまと
メニューがかぶりますので,
参照していただけたらと思います。

お酒のリストでクリュグとかボランジェが目に留まったことから,
最初に供されたのはシャンパーニュ。
ここはワインのメニューリストにあるものは,
グラス売りでも提供していただけます。

・淡路産の釣り鱧をロッソトマトソースで
鱧の身は薄いですが,ピカピカに光輝いています。
鱧包丁ではなくて,包丁で鱧切りします。
愛知県で生産者が4人しかいないロッソ究極トマトを
ベースに土佐酢を合わせたトマトソースです。
鱧にはディルをあしらっています。
これに合わせる器は陶器では無く,
イタリアのベネチアグラスの素敵な器です。

・千葉県房総産金目鯛の握り
藁で炙り,皮目を焼き霜にします。
これには自家製燻製塩を使います。

・鱧しんじょと賀茂茄子の椀
丸茄子は柔らかく,真薯はやや硬いでしょうか。
箸を入れると真薯が開くといいのですが・・・。
出汁は良いと感じました。
ただ,こういう椀は壺中庵虎屋が図抜けています。

・剣先烏賊の造り
今年はアオリイカが不漁のようです。
烏賊への包丁の入れ方がいいですね~。
魚醤(ナンプラー)と合わせて。
輪島のしょっつる的な感じです。

・鹿児島産鰹の造り
ねぎの葉,ブロッコリーの葉,みょうがをあしらっています。

・いぶりがっこ(漬物)にフロムダンベールのチーズをのせて
この相性はとても良いですし,日本酒とも抜群です。

・野菜のあんかけ
ゴーヤ,岡山産椎茸,白ねぎ,ゴボウが入っており,
トリュフオイルで。

・車海老と広島県産じゅんさい、タピオカをジュレで

・タコとオクラ 

・白甘鯛と万願寺唐辛子の炊き合わせ

・宮崎雌牛とシマササゲをスリランカ産生胡椒の塩漬けと塩昆布と合わせて
この宮崎雌牛,赤身主体なのですが,熟成肉のような素晴らしい素材です。
スリランカ産生胡椒の塩漬けでばっちりと合います。

・とうもろこしとズッキーニの飯
米の味がホントにしびれます。

・鱧の骨出汁のお雑炊

・ブランマンジェ
器はベネチアンの切子です。

・小豆とクリームチーズの揚げ春巻き

薄茶と塩金平糖,
最後にお抹茶をたてて下さり、終了です。


カウンター席に座ると,
木本ワールドが広がります。
器にも凝っていて,ボヘミアングラスやら
素晴らしい器で,目にも楽しいです。
端正で斬新でオリジナリティあふれる料理,
繊細な気配りと接客。
無口なお客さんにはジョークあり,ユーモアあり。
接客サービスも秀でています。
また弟子の野々原さんの接客もいいですね。

気になるところは,やはり八寸は欲しい気がします。
あと価格設定は松川さんあたりを考えていること。
選ぶ魚とかも・・・・。
食材に制約無く,思う存分のお料理を作りたいという想いとも
違うように感じました。


(前回)
予約が取れないと評判の『紀茂登』さんへ昼に伺いました.

「ミシュランガイド京都・大阪・神戸 2012」において,初登場でいきなり二つ星を獲得された日本料理のお店です。「ミシュランガイド京都・大阪・神戸 2013」も二つ星です。

開店は2010年9月,京都の桜田出身の主人 木本泰哉氏は34歳ぐらいです。

トアロード沿いを北へ,ホテルトアロードの手前の路地を西に入った所にある山手ザ神戸タワーの1階にあります。南西の角です。

中山手通の再開発により建設された大きなマンションの1階,分厚い木とガラスで構成された独特のデザインの入り口が一際目を惹きます。まだ真新しさが残る店内は,白木で統一されています。

「紀」・「茂」・「登」と掲額された書にもセンスの良さが感じられます。お店の空間は完璧です。ところどころに日本料理店の工夫がしてあり,シンプルで且つ落ち着いた空間で,器・照明なども素晴らしいです。

席数は合計12席。カウンター席が6席,2名用の半個室,4名用の個室から構成されています。

ご主人は京都「桜田」出身の方です。桜田のご主人は、滋賀の「招福楼」出身の方なので,そういう料理が楽しめます。

昼は7500円,夜は15000円(税サ別・サービス料5%)のみの構成です。昼は12時,夜は18時に一斉にスタートします。田舎者の私は迷ってしまい,ご主人が迎えに来てくれました。すみませんでした。<(_ _)> 遅刻や前日・当日のキャンセルはくれぐれも気を付けてください。

まず瓶ビールを頼みましたが,供されるグラスがとても薄く,ビールの泡がとてもきれいです。少し力を入れて握ったら割れそうな感じです。

さて,先付にはずいきとタコのトマトのジュレです。新鮮トマトを使った程良い酸味の爽やかな一品からスタートしました。暑い夏の日にはこの酸味がとてもよく合います。

これなら日本酒が飲みたくなったので,徳島の山笑(今小町・中和商店)の燗酒,次に奈良の純米大吟醸の篠峯を冷酒でいただきます。

そして次に椀物が登場します。吸い地の味は流石招福楼さんの流れを汲む桜田さん仕込み,澄んだ出汁の感じと,いい感じに仕上げられた椀物でした。鱧も冬瓜も素材は良いし,茹で加減も抜群でした。おかひじきを添えています。ただ,塩分好きな私ですが,塩分のバランスの工夫と熱さが欲しいと思います。

カツオの八丁味噌。カツオに茗荷と生姜をのせています。カツオは初鰹的なさらっとした味で,八丁味噌ベースの,優しいですが,こんなにも相性が良いものかと思いました。

烏賊の八方地ダシのジュレ。烏賊の切り込みかたも良いですし,まとわりつくような歯応えの烏賊,八方地のダシはさすがだと感じました。

八寸はもずくとオクラ酢・インゲン胡麻和え・ウニとじゅんさいのタピオカ添え・スナップエンドウのチーズスープ・鯛のちまき・玉子のカステラなどです。

前菜や八寸は、繊細さが表れています。もずくとオクラ酢も素晴らしい出来映えですし,インゲン胡麻和えも胡麻和えがとてもいいです。スナップエンドウにチーズなども感覚が抜きんでています。玉子のカステラはカステラというよりも,しっとりとした濃厚プリンの感じです。卵の濃厚かつ上品な甘さを感じます。

そのような瀟洒な空間で供されるお料理はいずれも美しい器に盛り付けられ,季節感を重視した味も見た目も期待を裏切らない繊細な品々です。料理は日本料理に縛られず,巧みに構成されている印象を受けました。神戸や京都できっちり修行されている味です。

賀茂茄子と万願寺唐芥子を新生姜で・・・・・。これもよく考えてられています。万願寺唐芥子は全く辛さを感じません。どういう風に下ごしらえしたのか,聞くのを忘れてしまいました。

〆の食事では,ズッキーニととうもろこしのご飯でした。最近は流行なのか、こちらでも最後のご飯も,1テーブル分のお釜で炊かれたものが出ました。食事に合わせての精米したての新鮮なお米が釜炊きで供されますが,米本来の旨味を改めて実感させられます。一緒に宮崎牛フィレステーキがだされました。きんしんさい(ゆりかの蕾)が添えられています。

デザートはマンゴーとパッションフルーツとオレンジのジュース,ブルーベリーの炭酸,チーズの春巻き,メイプルシロップのブランマンジェ。どれも素晴らしいと思います。抹茶でしめくくります。

料理は全体的に優しい感はありますが,塩分など凛としたものがあり,決して薄味ではありません。勢いもありますし,緻密で繊細な料理に構成でした。

招福楼さんの系統の料理は厳選された素晴らしい食材を,その持ち味を引き出すために手を加え過ぎないのです。凛とした料理でとても好きです。ここの料理も「二流の食材なら出さない」という思いを感じます。そしてどれも美味しいのです。

お料理も去ることながら、器が素晴らしいです。若いご主人は,愛想もよく、大変よく気が利く方で,接客慣れしています。そして,美人な女将さんの着物姿がとても素敵です。接客は付かず離れずの間合いで好感がもてるものです。

また夜に必ず伺いたい,そう思わせる素敵な店でした。


  • ずいきとタコのトマトのジュレ

  • ずいきとタコのトマトのジュレ

  • ずいきとタコのトマトのジュレ

  • 日本酒は徳島の今小町の山笑

  • 冬瓜と鱧の椀 おかひじきを添えて 柚子風味

  • カツオの八丁味噌

  • 烏賊のジュレ和え

  • 篠峯

  • もずくとオクラ酢,インゲン胡麻和え,スナップエンドウのブルーチーズのスープ,玉子のカステラ

  • スナップエンドウのブルーチーズのスープ,ウニとじゅんさいのタピオカ添え,鯛ちまき

  • 賀茂茄子と万願寺唐芥子

  • とうもろこしとズッキーニのご飯

  • 宮崎牛フィレ きんしんさい添え(ゆりかの蕾)

  • マンゴーとパッションフルーツとオレンジ,ブルーベリーの炭酸,メイプルシロップのブランマンジェ

  • チーズの春巻き

2014/07/10 更新

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