酒野夢蔵さんが投稿したレストラン エテルニテ(大阪/本町)の口コミ詳細

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酒野夢蔵の酒場放浪記

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レストラン エテルニテ阿波座、本町、西大橋/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
  • 昼の点数:4.7

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2013/12 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

塩や香草の扱い,料理のハーモニーが素晴らしく,誠実な料理 エテルニテ

(再訪)
前回良かったので,夜にエテルニテさんへ再訪します。

少し早めの入店ですが,気持ちよく入れていただきました。

お手ふき,お湯をかけるとにょきにょきと大きくなっていきます。

白ワインはグラスでペルナン・ヴェルジュレス2008,アロース・コルトンの北側にある村で,格付け特級(Grand Cru)のコルトン,コルトン・シャルルマーニュの一部と,8つの1級(Premier Cru)クリマがあります。

アミューズは丸型のスティック状ですが,意外にもこれはフォアグラのムース パンドエビスのパウダーをまぶしています。パンドエビスはハッカク・丁子・はちみつ・クミンを合わせています。

あとは低温でじっくり焼き上げたメレンゲ,南イタリア産のオリーブをフランス産鴨のムネ肉の燻製で包んだものでした。

この3品はどれも素晴らしいと思います。

前菜はオマール海老と帆立をりんごのムース・りんごのキャラメリーゼ・りんごのチップを合わせています。さらにプラウド(カイワレ)とポワロー葱を添えています。りんごがさらっとした味を醸し出し,オマールと帆立にとてもマッチしています。発想といい,こういう組み合わせ方は面白いし,素晴らしい出来映えでした。

玄海灘の天然ヒラメのナージュ,タラの白子もありますね。素材は良いですね。ナージュにはサフランを入れています。あとはセロリのムース・ちぢみほうれんそう・黄カブ・白カブを添えています。穏やかな優しいナージュです。

ジビエは新潟産の青首鴨サルミソース。鴨のササミ・パースニップ(人参)・下仁田葱・鴨レバーのコロッケを添えています。

フレンチでよく扱われる青首の鴨です。フランスで言うコルベールと言います。これは上品なお味です。熟成を過度にかけてしまうとかなり強烈なものになります。天然鴨の匂いやクセが無く,真鴨の旨みがとても感じられます。熟成が良いと思います。胸はそれほどのクセもなく柔らかく美味しい部分です。

サルミソースは腸を除いた骨やクズ肉を焼いたあとに赤ワイン,フォンドヴォー,ブイヨンで煮出してから煮詰めてバターをしっかりと入れて仕上げています。こういうソースで食べる野生の動物類は美味しいと思います。

赤ワインはボトルでジュヴレシャンベルタン2004にしましたが,とても合います。力強く,男性的で豊満でエレガント,十分なコクと複雑さがあります。このワインはコルクを抜いて,空気に触れると力強く変身します。ジュヴレ・シャンベルタン は、ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ地区における北の出発点,ディジョン市から15km南下した地点にあるジュヴレ・シャンベルタン村とブロション村にまたがります。

パースニップ(白人参),都会のスーパーに行くと,にんじんの近くに,白いにんじんのような野菜が置いてあるのをよく見かけます。この白にんじん,実は単なる色素のないにんじん(キャロット)ではありません。欧米では,かなり普及した野菜です。日本ではまだ殆ど見かけないし,値段も1本 500円ほどとかなり高価です。また,にんじんと違ってとても硬いのです。

デゼールのエテルニテのショコラショー,ショコラ・ショーとは,かつてチョコレートが飲み物だった頃の姿を残したメニューで,温かいチョコレートドリンクのことです。和栗ののった栗のクリームブリュレの出来もいいと思います。特にデザートは一品一品が超一流のパティスリーでも食べれないほどの感性があります。

夜のコースも魚料理までは,全体的に穏やかで優しい味付けですが,全てが素晴らしい料理でした。使われている野菜や果物が図抜けています。メインの肉料理のソースはあいかわらずしっかりとしています。またグラスワインを含めて,ワインも洗練されています。

全てにお値段以上の感動と印象が残ります。シェフの誠実な料理を感じます。サーヴィス料が10%加算されても,また伺いたいと思います。


(主レビュー)
靭公園にあるフレンチレストラン エテルニテ さんへ。

ミシェラン ☆をずっと獲得されています。場所は阿波座駅1番出口から本町通りを突っ切って靭公園沿い南側の通りを進むと右手の角に在ります。

サービスのかたが玄関で全員でお出迎えされており,びっくりしましたが,嬉しくなりますね。

お手ふき,お湯をかけるとにょきにょきと大きくなっていきます。おもしろい趣向ですね~。

料理がくるとレストランに対する印象はガラっと変わります。オーナーシェフ永野良太さんは,フランス☆☆☆~☆までのレストランを修業して,カランドリエのスーシェフまで勤められています。

まずは前菜,自家製のフランス産真鴨の塩漬け(生ハム)とフォアグラのムース。生ハムは添えられた塩・胡椒でいただきます。フォアグラのムースは添えられたラスク的なフランスパンでいただきます。いきなりの美味しさに脱帽です。フォアグラのムースはフレッシュ感がありますし,鴨のハムは初めてですが,個性的な旨みがあります。これは素晴らしい。

毛ガニと毛ガニみそをじゃがいものピューレを帆立貝で包み北海道産すじこをのせたもの。マヨネーズが隠し味になっています。柚子のブランマンジェを下に敷きつめでバジルソースを少し。はっかくとクミンシードのサブレを添えています。すじこがたっぷりでプツプツした食感にたまらなく官能を揺すぶられます。食べた時に,この3種のハーモニーが素晴らしいと思いました。

パンにつける無塩バターとフランス産塩,この塩がしょっぱ過ぎず,苦過ぎず,とてもいいと感じました。

魚料理は玄界灘の甘鯛,ブールブランソースとタップナードソースです。甘鯛の下にはトランペット(茸)が敷き詰められています。ブラックオリーブの粉末と添えられている野菜は芽キャベツと安納芋です。甘鯛は皮がパリッとしていますし,ひと味違う本物の味ですね~。

ハンガリー産マンガリッツァ(豚)のロティ,Mangalica(マンガリッツァ)はハンガリー原産の豚です。そして19世紀には、この豚の産出国として、ハンガリーはヨーロッパ中で最も良く知られていました。

豚舎ではなく広々とした森や草地といった自然環境の中で,かぼちゃ,テンサイなど新鮮な自然食のみを食べて育ちます。マンガリッツァは豚舎ではなく広々とした森や草地といった自然環境の中で新鮮な自然食のみで飼育されます。

マンガリッツァを初めて見る方は,そのかわいらしい毛むくじゃらの姿を羊と間違えるかもしれません。今ではミシュランガイドに掲載されている世界のレストランで饗されるまでになりました。霜降りでジューシーな肉質は,他の豚肉とは一線を画す味わいで,イベリコ豚や神戸牛に似ていてたいへん美味です。普通の豚肉より濃く,牛肉のような色をしたその豚肉は,美味しいだけでなく,他の豚肉に比べて消化がよく健康にいいのです。

マンガリッツァ豚肉は霜降りの多い肉質にも関わらず,コレステロールの原因となる飽和脂肪酸が少ないため健康にも良く,ビタミンやミネラルを豊富に含むため栄養面でも優れています。また,老化を防止すると言われる酸化防止の酵素も含んでいます。

エゾ鹿のポワレ,ポルト酒やねずの実を入れた赤ワインソースです。この赤ワインソースはクラシカルですが,とてもいいと思います。山口のはなっこりー・加賀蓮根・丹波黒豆を添えています。広大な自然の中でたっぷりと草を食べて健やかに育った蝦夷鹿は, 肉付きがよく赤身質の素晴らしく,クセも無く,そして雌鹿なので肉のキメが細かく柔らかな肉質です。高タンパク・低脂肪でミネラルが豊富というヘルシーさもあります。

お口直しのデゼールはグレープフルーツとそのジュレにバニラを載せています。グラニテ・ソルベ以外が出てきたのは初めてで,新鮮な感動がありました。

柿のラビオリ スターアニス,柿の風味と香草の相性も良いですね。和栗ののった栗のクリームブリュレの出来もいいと思います。特にデザートは一品一品が超一流のパティスリーでも食べれないほどの感性があります。

料理は,お肉やお魚の旨味や,野菜の素材そのものの食感と味が十分に活かされていて,新鮮な感動がありました。デザートも小菓子もレベルは高かったです。料理は、センスと技術が光っています。シェフは真面目で向上心がある方なのでしょう。どの料理も誠実な料理で,間違いなく美味しく満足できました。

各皿のメインといえる食材は,シンプルに良い高級素材を活かした調理,それを引き立てながら調和していく脇役的食材にアレンジが加えられています。ソースもしっかりとしており,非常にレベルが高く,脇役的食材のアレンジへの拘りも強く感じます。メイン食材もソースも丁寧に調理されています。また,全体的には優しい味付けで上品に仕上げています。

特に印象に残ったのは,きめの細かいサービスです。料理が運ばれると同時に,珍しい野菜は生のものをトレーに載せて,特徴や味・食べ方の説明をしてもらえます。また,白い手袋をはめて食器を並べるのも,清潔感があり女性ウケするのでは・・・・・・・・・。

私たちの席以外は,女性ばかりというのも頷けます。また,昼にもかかわらず,女性のかたのほとんどがグラスシャンパンや発泡ミネラルなどを飲んでいます。

お値段以上の感動と印象が残りました。この内容でランチコース¥4500です。別途サーヴィス10%加算されても,コストパフォーマンスが素晴らしすぎです。デートはもちろん,家族や友人ともゆったりとした時間が過ごせます。窓から靭公園の木々の動きが体感できるロケーションも最高ですね。

あと要望とすれば,昼の料理4500円~・夜の料理が7500円~なので,5000円~6000円代の手頃なワインを揃えて欲しいと思います。

「エテルニテ」とは,フランス語で永遠という意味です。 永遠にあり続けて欲しいレストランだと思いました。

帰り際に店主とマダムが深々と頭を下げて下さっての丁寧なお見送りです。大阪・兵庫・京都のフレンチの中でも,大阪の「エテルニテ」と紹介したくなる,そんなお店でした 。


  • フォアグラのムース パンドエビス・低温で焼いたメレンゲローズマリー風味・フランス産鴨

  • オマールと帆立とりんごのキャラメリーゼ

  • 玄海灘ヒラメとタラのナージュ

  • 新潟産青首鴨のサルミソース

  • お口直しのキウイ

  • 栗のクリームブリュレ トリュフのグラス

  • エテルニテのショコラショー

  • エテルニテのショコラショー

2013/12/19 更新

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