2回
2018/03 訪問
美人の店主 華やかなカレー 魅せられました
大久保駅の西側の路地というディープなエリアに
チャーミングできれいな女性が開いたお店。
それだけでも話題性十分だが
自ら全国のカレーを食べ歩くという
求道者的なおいしさが備われば人気が出ないわけがない。
最近テレビで紹介されたらしく
行列がすさまじいことになっている。
道行く人も「ここ何のお店?」と次々立ち止まるほどです。
木曜日の夜に訪問。
お店は雑居ビルの1階で、
列はビル内の地下一階に伸びて並んでいくルール。
この日はなんと1時間半待ち。
お店の名前は台湾ローカルフードの魯肉飯(るうろうふぁん)と
カレーの当て字の珈を組み合わせたもの。
看板メニューは魯肉飯とカレーを組み合わせた魯珈プレート950円。
カレーはチキン、ラム、日替わりから選べる
中心部に魯肉飯、下半分はカレー、アチャール、
高菜、レタスが盛り合わせとなったターリーだ。
魯肉飯は八角で味を出した豚肉のぶっかけご飯。
台湾フリークである私はもちろん大好き。
スパイスカレーも、もちろん大好き。
だが、この組み合わせの発想はなかった。
斬新かつ独創的な世界。
我が拳は我流、我流は無形、無形ゆえ誰にも読めぬ。
雲のジュウザの名ゼリフが頭によぎりつつ
中華とインドのスパイスの融合を味わう。
ただ個人的には魯肉飯はそぼろ肉のほうが
味が染みるので、ここは好みの方向性が違う。
一方で店主おすすめのラムカレーは
マリネしたお肉のせいなのか
ほどよい酸味が決まっている。
食べ始めは、その酸味がスパイスの手綱で
やや抑え目にコントロールされている。
店主のアドバイスに従い全てをかき混ぜた中盤以降は百花繚乱、
溜めていたパワーを開放して第4コーナーへ。
なんだろう、食べていて楽しいこの味の広がり。
でも繊細さが失われていない。
競馬場に散った馬券よろしく
食べ終えた皿に残る最後のスパイスを
みみっちくかき集めて食べることも恥ずかしくない。
いや傍から見たら恥ずかしいんだろうけど。
この行列を乗り越えるのは至難の業なれど
またこの山に登りたくなってしまう。
そんなジャンキーな魅力にあふれる危険なお店。
すでに悪魔の魅力に堕ちてますけど。
2018/03/27 更新
前回の訪問からあまり日がたっていませんが
気が付いたら、店の前の行列に並んでいました。
ちなみに火曜日の午後1時40分。
並んで10分もしないうちに
店主の女性が出てきて
私で行列の最後にしてくださいねというお断りと看板を掲示。
30分弱で入店。
この日の限定カレーは「芹とアサリのトマトマサラカレー」です。
仙台をはなれ、芹鍋を味わう機会がなくなってしまいましたが
まさかこんなところでエスニックな芹に出会うとは。
この限定カレーをプチサイズの200円で追加できます。
前回もいただいた酸味の決まったラムの魯珈プレート1050円と限定カレーで。
やはり味のペース配分が素晴らしいです。
食べ始めた出だしはやや抑え目ですけど
水っぽいとか薄いとかじゃないんです。
指揮者が「まだ抑えて抑えて」というタクトを振っている。
でも自己主張はしている。
それが次第にシンフォニーになっていく。
これは麻薬ですね。
きょういただいた限定カレー。
肝臓に優しいカレーとのことで
連日、一人花見酒にいそしんでいたいた私のためにあるようなカレー。
トマトとアサリはなんとなくわかるんですけど
ここに芹を持ち込んできた発想が、自由で楽しい。
いや独創的ですよね。
その発想が、きちんと結果を出している春の味。
きょうはカウンター席に座らせていただきましたが
店主さんの身のこなし、
なんだか
魔女なのか、錬金術師なのか、薬草の調合士なのか。
一瞬ファンタジーのなかにいる感覚を味わいつつ
魔法にかけられているうちに
二回目の訪問も期待通りの満足感に満たされました。
確実にハマってますね。
今日の反省点は、よそ行きの顔をせず
ビールを頼んでおけばよかった。
ダメおじさん、つい緊張してしまったんですよ。