2回
2022/12 訪問
【在りし日の】祖母の愛したいずもやさんがついに【閉店】
うな丼
上定食
くじらの刺身
う巻
肝吸い
2023/01/30 更新
2021/02 訪問
祖母の愛したいずもやさんのウナギ
かつて大阪の千日前にあった「いずもや」さんと言う鰻屋さんが、大正生まれの祖母のお気に入りだったそうでして。
残念ながら私はそのお店でウナギを頂いた記憶は無いのですが、しかしまぁ、親子肉親というものは味の好みも似てくるもんで母もわりあいウナギは好きだったみたいで私も小さい頃からどこぞに連れて行かれると、方々でウナギのまむしを頂いておりましたもんですから、倅の私もウナギはなかなかの好物と言う訳でして、、。
そんな千日前にくだんの「いずもや」さんと言う明治から続くお店がまだあった頃というのは、その前をなんのことなく通り過ぎる事はあっても、時は高校生の頃、難波駅前の繁華街の中にあるの知ってはいてもわざわざ立ち寄ることもなく日々が過ぎ、いつの頃か千日前のお店も無くなってしまっておりました。
そしてそんなことも忘れた頃になって、ひょんなことで母から千日前のいずもやさんが祖母のいっちゃん好きなマムシの店だったと言うことを聞いてからは、一度くらい行っとけば良かったなぁと記憶のどこかで後悔に似た感情を引っ張りながら、20年程が過ぎておりました。
時は流れて情報化社会という言葉も廃れ始めた現代社会。
ネットが普及したそのおかげで船場のこちらの「いずもや」さんが、まさかまさかあの千日前のいずもやで働いておられた方が後に開いたお店と知り、念願かなって遂に祖母のいっちゃんの好物『いずもやさんのマムシ』の味を頂く事ができました。
うなぎは最近の海外ものみたいなぶくぶくした身ではなく、身のしまったアスリートな食感。なんでも聞けばこのお値段で国産を使っているそうな。
最近は江戸前の蒸したうなぎが多いですが、関西風の地焼きでしっかりとした食感。その身と皮の間にうなぎのコテッとした脂の旨味を感じます。
その脂とタレの染み込んだご飯が合わさって、これは美味しいですね。
付け合わせの厚焼き卵もだし巻きではなく鰻巻きになっており大きな玉子焼きだけでも十分に一品として頂けました。
また、クジラの刺身もなかなかしっとりとした肉厚の食感で美味しかったです。
お椀は肝吸いと赤出汁が選べるそうで、今回は肝吸いを。
このボリュームで1300円とは今どきのうなぎ屋さんの相場からしたらびっくりするほどお安くて申し訳ありません。
織田作之助の夫婦善哉の文学にも出てくる大阪のクラシックな味覚をぜひ皆様もお試しください。
うな丼アップ
味わい深いウナギ
上定食
肝吸い
クジラの刺身
玉子焼き
鰻巻きでした
ウナギノキモ
セット全景
テーブルセット
単品メニュー
上定食＝1300円
外観
2022/09/14 更新
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今日2022年12月24日の営業を最後に船場いずもやさんが惜しまれつつ閉業されました。
どこかに移転などの予定もないそうです。
今日の営業最終日に、最後にもう一度と祖母の愛したウナギを母と頂いてまいりました。
祖母の代から3代にわたって美味しいウナギをありがとうございました。
お店の皆さまもこの先どうぞお達者で。