同居のおばあちゃまが骨折して手術、入院している。
ほぼ毎日、仕事から帰って自転車で病院に通う。
少しでも刺激を与えないと、急速に呆けそうだからだ。
病院で小一時間を過ごし、帰りに買い物をして家に戻って食事を作る。
その繰り返しが10日ほど続くと、こちらもずいぶん疲れてきた。
今回のことで、家族がどれだけ自分の母を愛しているのか、よくわかった。
私が手術、入院した時はほとんど心配もしなかったし見舞いにも来なかったのに、自分の母となると別なのである。
でもその気持ちはよくわかる気がした。
病院の近所にイオン系のアコレというお店がある。
なんでも安価である。
私はそこで帰りに足りないものを買ったついでに缶酎ハイを一本買う。
そして近くの公園に自転車を止め、しばし夜桜を見上げながら花見をする。
こんな花見は初めてだった。
おばあちゃまは家に帰って来れるのだろうか。
帰って早くご飯をつくらなくちゃと思いながら、私はいつまでも桜を見上げていた。