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1回
夜の点数:4.2
昼の点数:4.3
2014/12 訪問
さよなら 仁行
2014/12この年内でお店を閉めてしまわれる仁行さん。この年も☆をいただきながらの閉店… 私はお店をとても愛していたし、僭越ながらお店からもよくしていただいたと思います。店主のこともお弟子さんも大好きでした。今宵最後の 繊細なお料理と、妙なる細打ちのお蕎麦。お酒は三千盛、七本槍。たったひとりで楽しむ夜のコースに、何かとお心遣いをいただきました。 前菜盛り合わせ、すっぽんのゆばあんかけ、てんぷら、蕎麦寿司、たこの酢の物、ひらめのおつくり、ぶりのてりやき。お蕎麦はもり、からすみ蕎麦、おろし蕎麦、花巻とぜいたくな四種。とても寂しくて、でもこれからの店主の未来を応援したい気持ちでいっぱいになり、胸が熱くなります。 人間はいつまでも同じ場所にとどまって澱んではいけないのだと、無言で教えてくださった素敵な店主でした。 愛したお店仁行さん・・・::::::::::::::::::::::::2013年5月連休明けのランチタイム。お昼休みが早番の日で、いつものように私が口開けの客。玄関先のお香が涼やかな香りを流している。カウンターに通されてメニューをみると、ああ、もうひやかけが。迷わずに女性の店員さんに、ひやかけをお願いする。しばらく彼女とお話をしていた。最初の汁そばは、今日はうるいと揚げ玉があしらわれている。彼女が、これは私の実家の畑で採れたものなのです、とにっこり笑う。北国育ちらしく、雪のように肌の白い彼女の美しい笑顔に微笑み返して、早速いただいた。いつものように、汁そば用の蕎麦は少し平たい目に打たれており、よく出汁がからんだ。うるいのしゃっきりとした歯ごたえがよい。仁行さんのこの汁そばが、毎回私の楽しみだった。続いてひやかけは、冷たい出汁の中に見事な細打ちの蕎麦。上にかいわれがあしらわれており、別皿に梅おろしが添えられる。出汁をひとくち。澄んだ出汁は、ひんやりと鮮やかな美味しさ。蕎麦はほっそりとしながら、きりりと出汁の中で力強くて、これから来る季節へのささやかな期待を、こんな私にも失わせないのだった。次々と女性客がみえはじめた。デザートはりんごのさわやかなゼリー。さあ、午後からはたまった仕事を片付けなくちゃ。:::::::::::::2012年 12月この年、一番通った蕎麦屋は仁行さんだった。お昼休みには月に一度はお世話になっていたと思う。夜も何度かコースをいただいた。お弟子さんが変わったり、そのうちランチが隔日になったり、ランチ自体がしばらくお休みになったり。以前はお酒が欲しくなるような小皿のあてが出て、次にあたたかい少しのお蕎麦、そしてメインのお蕎麦だったのが、お値段が安くなり、そのぶん小皿はなくなった。ランチは現在あたたかいお蕎麦と、メインとデザートの構成。今はお弟子さんと二人で営業のため、店主が無理せずに、仕事ができるのが一番だと思う。お茶目な店主に惚れて通うようになったような気もするし、ランチの、少しのあたたかいお蕎麦が好きで通っているような気もする。あたたかいお蕎麦はその量がよいのか、しっかりとした江戸風の味がよいのか、いただくといつもおなかが芯からあたたまって、身体全部の細胞に好きなお蕎麦が染みわたるような気持ちになる。その12月の最後のあたたかいお蕎麦は花巻。出汁の豊かな香りとわさびと海苔の香り。私は思い切り胸いっぱいに香る。きっと来年も仁行さんのあたたかいお蕎麦に会いたくて、店主に会いたくて、またここに来るんだろうなと思いながら。一時間の昼休み・・・2011年 12月お昼にひた走る。信号以外はひたすら走る。私の昼休みは早い時間からはじまる。「仁行」の開店時間ちょうどくらいに店に到着する。迎えてくれる若いお弟子さんはとても感じがよい。きびきびと立ち働いているが、物腰がやわらかい。2回目だったけど、こちらの顔を覚えていてくださった。もうひとりの女性の方は厨房ではきりりとした姿が伺えるが、お話ししてみるとあたたかな笑顔が素敵な方だった。女の人の笑顔を見ると嬉しいのは、誰でもきっとそうなんだろうけど、特に女性客にとってはほっとする瞬間でもある。食事の前に話しかけてよかったななんて思う。もりをお願いする。香ばしい蕎麦茶に続き、あてのお皿。おひたし、おあげのたいたん、なすの煮もの、ポテトサラダ、うの花、たまご焼き。一口ずつ寄せられて盛られてくる。これだけで夜なら二合くらい飲めそうだ。うの花がこっくりとして、実に美味しい。味はひとつひとつがくっきりしているから、合間に飲む蕎麦茶も美味しい。お酒がなお欲しくなる。次に少しのあたたかい汁そばが運ばれてくる。今日は自然薯のとろろがのったお蕎麦。きりりとわさびがきいている。冷えていた身体にあたたかい甘汁がしみわたり、ほおーっと思わず小さく息がもれた。そしてもり。まずはその極細の蕎麦のたたずまいと香りと、何もつけないでの味を楽しんだら、間髪入れずに啜ろう。細い蕎麦はどうしてもくっつきやすいから、ゆっくりいただいていてはいけない。一気に、一気にだ。蕎麦を啜る快感で脳内が満たされた頃、蕎麦湯が運ばれてくる。熱くとろりとした蕎麦湯で、ちょっとゆらんとする。ゆらんゆらん。ああ、いい気持ち。最後の甘味は洋梨のムースだった。蕎麦湯であたたまった舌をふわりと包んで冷やし、喉を滑り落ちる。もっと感じていたいような心地よさと洋梨の官能的な香り・・・お会計をしたら、小走りで帰ろう。一時間の昼休み。
2015/01/04 更新
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日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
2014/12
この年内でお店を閉めてしまわれる仁行さん。
この年も☆をいただきながらの閉店…
私はお店をとても愛していたし、僭越ながらお店からもよくしていただいたと思います。
店主のこともお弟子さんも大好きでした。
今宵最後の 繊細なお料理と、妙なる細打ちのお蕎麦。
お酒は三千盛、七本槍。
たったひとりで楽しむ夜のコースに、何かとお心遣いをいただきました。
前菜盛り合わせ、すっぽんのゆばあんかけ、てんぷら、蕎麦寿司、たこの酢の物、ひらめのおつくり、ぶりのてりやき。
お蕎麦はもり、からすみ蕎麦、おろし蕎麦、花巻とぜいたくな四種。
とても寂しくて、でもこれからの店主の未来を応援したい気持ちでいっぱいになり、胸が熱くなります。
人間はいつまでも同じ場所にとどまって澱んではいけないのだと、無言で教えてくださった素敵な店主でした。
愛したお店仁行さん・・・
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2013年5月
連休明けのランチタイム。
お昼休みが早番の日で、いつものように私が口開けの客。
玄関先のお香が涼やかな香りを流している。
カウンターに通されてメニューをみると、
ああ、もうひやかけが。
迷わずに女性の店員さんに、ひやかけをお願いする。
しばらく彼女とお話をしていた。
最初の汁そばは、今日はうるいと揚げ玉があしらわれている。
彼女が、これは私の実家の畑で採れたものなのです、とにっこり笑う。
北国育ちらしく、雪のように肌の白い彼女の美しい笑顔に微笑み返して、
早速いただいた。
いつものように、汁そば用の蕎麦は少し平たい目に打たれており、
よく出汁がからんだ。
うるいのしゃっきりとした歯ごたえがよい。
仁行さんのこの汁そばが、毎回私の楽しみだった。
続いてひやかけは、
冷たい出汁の中に見事な細打ちの蕎麦。
上にかいわれがあしらわれており、
別皿に梅おろしが添えられる。
出汁をひとくち。
澄んだ出汁は、ひんやりと鮮やかな美味しさ。
蕎麦はほっそりとしながら、
きりりと出汁の中で力強くて、
これから来る季節へのささやかな期待を、
こんな私にも失わせないのだった。
次々と女性客がみえはじめた。
デザートはりんごのさわやかなゼリー。
さあ、午後からはたまった仕事を片付けなくちゃ。
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2012年 12月
この年、一番通った蕎麦屋は仁行さんだった。
お昼休みには月に一度はお世話になっていたと思う。
夜も何度かコースをいただいた。
お弟子さんが変わったり、
そのうちランチが隔日になったり、
ランチ自体がしばらくお休みになったり。
以前はお酒が欲しくなるような小皿のあてが出て、
次にあたたかい少しのお蕎麦、
そしてメインのお蕎麦だったのが、
お値段が安くなり、そのぶん小皿はなくなった。
ランチは現在あたたかいお蕎麦と、メインとデザートの構成。
今はお弟子さんと二人で営業のため、
店主が無理せずに、仕事ができるのが一番だと思う。
お茶目な店主に惚れて通うようになったような気もするし、
ランチの、少しのあたたかいお蕎麦が好きで通っているような気もする。
あたたかいお蕎麦はその量がよいのか、
しっかりとした江戸風の味がよいのか、
いただくといつもおなかが芯からあたたまって、
身体全部の細胞に好きなお蕎麦が染みわたるような気持ちになる。
その12月の最後のあたたかいお蕎麦は花巻。
出汁の豊かな香りとわさびと海苔の香り。
私は思い切り胸いっぱいに香る。
きっと来年も仁行さんのあたたかいお蕎麦に会いたくて、
店主に会いたくて、
またここに来るんだろうなと思いながら。
一時間の昼休み・・・
2011年 12月
お昼にひた走る。
信号以外はひたすら走る。
私の昼休みは早い時間からはじまる。
「仁行」の開店時間ちょうどくらいに店に到着する。
迎えてくれる若いお弟子さんはとても感じがよい。
きびきびと立ち働いているが、物腰がやわらかい。
2回目だったけど、こちらの顔を覚えていてくださった。
もうひとりの女性の方は厨房ではきりりとした姿が伺えるが、
お話ししてみるとあたたかな笑顔が素敵な方だった。
女の人の笑顔を見ると嬉しいのは、
誰でもきっとそうなんだろうけど、
特に女性客にとってはほっとする瞬間でもある。
食事の前に話しかけてよかったななんて思う。
もりをお願いする。
香ばしい蕎麦茶に続き、あてのお皿。
おひたし、おあげのたいたん、なすの煮もの、ポテトサラダ、うの花、たまご焼き。
一口ずつ寄せられて盛られてくる。
これだけで夜なら二合くらい飲めそうだ。
うの花がこっくりとして、実に美味しい。
味はひとつひとつがくっきりしているから、合間に飲む蕎麦茶も美味しい。
お酒がなお欲しくなる。
次に少しのあたたかい汁そばが運ばれてくる。
今日は自然薯のとろろがのったお蕎麦。
きりりとわさびがきいている。
冷えていた身体にあたたかい甘汁がしみわたり、ほおーっと思わず小さく息がもれた。
そしてもり。
まずはその極細の蕎麦のたたずまいと香りと、何もつけないでの味を楽しんだら、間髪入れずに啜ろう。
細い蕎麦はどうしてもくっつきやすいから、ゆっくりいただいていてはいけない。
一気に、一気にだ。
蕎麦を啜る快感で脳内が満たされた頃、蕎麦湯が運ばれてくる。
熱くとろりとした蕎麦湯で、ちょっとゆらんとする。
ゆらんゆらん。
ああ、いい気持ち。
最後の甘味は洋梨のムースだった。
蕎麦湯であたたまった舌をふわりと包んで冷やし、喉を滑り落ちる。
もっと感じていたいような心地よさと洋梨の官能的な香り・・・
お会計をしたら、小走りで帰ろう。
一時間の昼休み。