kamuraさんが投稿した季より(茨城/牛久)の口コミ詳細

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季より牛久/そば、日本料理

2

  • 昼の点数:4.2

    • ¥4,000~¥4,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.2
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.1
      • |酒・ドリンク 4.0
2回目

2019/11 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.2
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.1
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥4,000~¥4,999
    / 1人

季より よい店

その日、あなたと有給を合わせてとった。
平日の昼間のデートである。

どこかに美味しいお蕎麦を食べに行こう。
お茶の水界隈、神楽坂、巣鴨、笠間、牛久、どこがよい?と聞くと、
牛久がいい、と言う。

それでは、と早速季よりさんを予約。
私もしばらくぶりの訪問となると嬉しい。

9時半ころ家を出て北千住、そして常磐線。
前日、職場の茨城出身の方に牛久に行くという話をしたら、牛久に行くまでに四本、川を渡るんですよ!
ちゃんと何川か当ててくださいねと。
さすが小学生のお母さん、お勉強を兼ねたクイズがお得意。

常磐線に乗ったらすぐに一本目の川を渡ってしまい、あれよあれよと進んで行くので全く何が何川だかわからなかった。

雨模様の牛久、予約時間よりけっこう早く着いてしまい、駅の横のビル内をふらふら。
八百屋さんが安くてついお買い物…牛久に来てまで主婦丸出しである。

季よりさんまでの道はけっこうなお散歩になる。

11時45分の開店のようだが、すでに女性のグループが楽しそうにお食事をされている。

お部屋に通していただき、あなたはcoedoの芋のビール、私はお酒「炎」をお願いした。

まず登場するのがこの盛り合わせ。
運ばれた瞬間、テンションが上がる一皿である。
思わずあなたも写真を撮っていた。

とうがん、浸し豆、春菊の胡麻和え、白和え、もずく、鮭さくらチップ焼き、茶わん蒸し、大根煮、お豆腐、玉子焼き、ゆり根サラダ…
記憶が危うい。

次にほくほくのさつまいも。
さつまいもをいただくのってとてもひさしぶり。
ほんの少しのお塩がまた味を引き立てる。

お蕎麦は一枚目がもり。
まずはお蕎麦を香る。
胸いっぱいに穀物のあたたかな香りで満たされる幸せ…

二枚目が水腰そば。
手繰る手が止められない、のど越しのよさ。

たっぷりの蕎麦湯をいただき、ほーっとしたところでデザートが。
こちらは甘味も上品でとても美味しい。
多分店主は甘いものがお好きなのだろうと思う。

あなたも満足してくれた様子。
お会計の後に、店主がタクシーを呼んでくれた。

またいつかあなたと来たい…
最後まで気持ちよく過ごせる大好きなお店なのである。

2019/11/25 更新

1回目

2012/11 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

季節が変わる度ごと・・・

季節が少しだけかわった。

再び、あなたに会いに来た。
今回は5人で。

あなたは今日も満面の笑顔で、私たちを迎えてくれる。

個室にご案内いただいた。
部屋は適温に暖められている。
5人でハートランドで乾杯。

厨房から聞こえるそばがきを練る音。
私たちはしばし会話をやめてその音を聞く。
ふんわりとした独特のそばがきにまた出会えるのだと思うと胸が高鳴る。

運ばれてきたそばがきを熱いうちに。
蕎麦の香りとそのやわらかな口当たりに夢中になってしまう。

お酒は冷たいものを。

次の一皿には全員が息をのむ。
それは一枚の絵。
海老の味噌の茶碗蒸し、紫人参、たまねぎのお漬物、チーズと豆腐のムース、たらこと大今の煮物、一口のサラダ。
白いお皿と食材の色合いがやわらかくあっていて、手をつけるのがもったいないほど。

会話とお酒がどんどんすすむ。

身がき鰊と海老芋の炊き合わせ。
しっかりとしかしふっくらと煮込まれた身がき鰊は、これまたお酒がすすむ。

豆腐と蕎麦の板状のものが熱々の湯に入って運ばれてくる。
お豆腐もよいが板蕎麦を熱いままいただくのは斬新。

ひらたけと葱の煮物に菜の花のお浸し。
鴨としいたけの無花果ソース和え。
どれも味に一工夫あって、器も素敵なものばかりだ。

かき揚げのぬき。
サクサクのかき揚げに熱いお出汁をはるのだが、
そのとき、チリチリチリと音がする。
全員が思わず耳をすまし、その音を楽しむ。
出汁にほどけていくさくさくのかき揚げを一気にいただいた。

そして、楽しみのお蕎麦。

木のお皿に顔を近づけると蕎麦の香りが胸の中にまで届く。
あなたのお蕎麦にまた出会えた。

私はもうその時、ほほ笑んでいたかもしれない。
嬉しくて、そして手繰ればその味わいにまたほほ笑んでしまう。


その後、夜のお客様のご要望でかなり粗挽きで打ったというお蕎麦を少量ずついただいた。
それはもう舌にざらりと感じるほどの粗挽きで、蕎麦自体をどこまでも感じられるもの。
これは粗挽きファンにはたまらない味わいだ。


私はますますあなたを好きになる。
あなたの料理を好きになる。

あなたのお蕎麦にどこまでも魅かれてしまう。
次の季節が来るのを待ちきれないくらい、あなたのお蕎麦にまた会いに来たくなるかもしれない。

デザートに夢のようにさわやかに甘いいちごのムースをいただくと、
私たちはすっかり満足した。
会話とお料理に夢中になっていた私たちは、もう日がすっかり暮れてしまったことにも気付かないでいた。


外の猫も今日は楽しすぎる私たちに、帰り時間を教えにくるのを遠慮したようだ…


:::::::::::::::::

2012年11月

初めての土地で初めての駅に降りる。
秋の終わりのようなその日、空は低く、時折小雨がぱらついていた。

駅からたくさん歩いた。
みかんがなっている家。
柿がたわわに実をつけている庭。
東京で見慣れた風景とはまったく違う町並みに目が奪われる。


住宅街の中にひっそりと「季より」はあった。

看板にも門にも手作りの感があふれている。
アプローチをぬけて戸をあけると、あなたが満面の笑みで迎えてくれた。


私はあなたの蕎麦に会いたくて、ここまで来た。
あなたのお料理に出会うために、来た。


ひとりだけれど予約をしていたため、個室に案内していただいた。

椅子に座るとお部屋は暖められていて、私はほっと息をついた。
冷たいお酒を頼んで、しばし静かな空間になじもうと肩に入っていた力をゆるめる。


蕎麦がきを練っている音が厨房から聞こえてくる。
他のお客さんの相手もしながら、
蕎麦がきを作るのは大変だろうなと思いながらも耳を澄ます。
すでに香りが届くのではないかと思うほど・・・私の五感はますます冴えてくる。


蕎麦がきは、湯のなかであつあつのまま運ばれる。
私はしばしその美しさにみとれた。
熱いうちにとまずはなにもつけずいただいてみる。
蕎麦の濃厚な香りがあたたかなまま私の口に鼻腔にひろがって、
ふわりとしたその優しい口当たりに私は夢中になってしまう。

なんて美味しい蕎麦がきだろう。


次はまるで絵のようなお皿。
たくさんのあてが一口ずつ。
桜エビと蕎麦の実の和え物
茶碗蒸し
焼き茄子と茄子のムース
いちじくの煮物
かぶ・マッシュルーム・むらさきいも・ほうれんそう・パプリカ・オリーブ…
野菜ひとつひとつの味をいかすために、丁寧に手間がかけられている。
じっくりと味わいながら目も楽しませていただけるお皿。
これはこの1枚でお酒がいくらもいけそうだ。


その次にみがきにしんの煮付け。
みがきにしんは濃いめの味付けでお酒にあうことこのうえないが、ちょっとごはんも欲しくなってしまうくらいだった。

お酒は同じものをおかわりする。


そしてたまご焼き。
たまご焼きはまるでチーズケーキみたいな横顔。
これは甘い甘い夢のようなたまご焼き。
夢の続きまでみたくなるような・・・


かきあげのぬき。
・・・これにはノックダウンだった。

揚げたてのかきあげを運んできていただき、
自分で土瓶に入った出汁をはる。

すぐに口に運ぶとまださくさくで、そしてしだいにさらさらほどけていくかきあげ。
出汁の味がまた按配よい…


私はそれまでゆっくりと出されたあての数々をつまんでいたのだが、
このぬきは、ほとんど一気にいただいてしまった。
それほど箸がとまらない素晴らしいぬきだった。


私の様子を察して、
あなたはそろそろお蕎麦を…とまたにこにこと言う。

ああ、とうとうお蕎麦だと私は思う。

まだまだ飲みながらここにいたいというような居心地の良さの中、
出会いたくてここまできたお蕎麦に会える瞬間。


お蕎麦は丸い木の器の中で、
つやつやとあおかった。

私はあなたの手から生まれた蕎麦の香りをだきしめようと顔を近づける。


そして今度は蕎麦がきとは違う、
冷たく、澄んだ蕎麦の香りを東京にまで連れて帰れるほどたくさん、かおった。
何度も何度も。


蕎麦はたおやかで、しかし歯を押し返してくるような強さがある。
噛めばもっと強く香り、
私はくちびるで舌で口の中すべてでそれをとらえ、受け止め、自分の中へとおくった。


私の脳はすべてを記憶しようと揺れる。
それはお酒の酔いだけではない・・・


その酔いをさらりと中和する蕎麦湯。
とろとろのものではない自然な蕎麦湯が、心地よい。


〆の甘味。
豆乳のプリンとコーヒーのムース。
すでにおなかは満ち足りているけれど、
最後のちょっとの甘味は女をくすぐるものだ。


この今日の自分の気持ちをどうあなたに伝えたらいいだろう?


少し手のあいたあなたとお話をさせていただきながら、
私は素直に感想をのべた。
感謝の気持ちと、美味しくて、嬉しかったこと、
どうしてもあなたの蕎麦に会いたくてきたことを・・・


あなたの微笑みは、
どこまでもやさしくて、
私はきっと季節が変わるたびごと、
「季より」によばれてしまうだろう、と思うのだった。


ベランダの外を猫がよぎった。
帰らなければならない時間を教えにきたかのように・・・


2013/01/21 更新

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